若女将コラム

日々西屋と山を駆け巡る湯守兼女将による、自由奔放すぎるコラム改めエッセーコーナーです。
人生は奇想天外に生き抜こう。趣味のことや日々思う事etc...ほぼ西屋に関係ない話題ばかり載せています。

若女将エッセー

好きな音楽のこと ~日本(古典)~

2022.02.12

米沢のいい所あれこれ 【第39回:「東光の酒蔵」-③】

 
続きました。なんと三部仕様。
「東光の酒蔵」!第3パート(〆)は直売店+α編です。




直売店は資料館の奥にありますが、ダイレクト入り口もあるので、
酒蔵を経ずに入店も可!
さすがは直営店。凄い品ぞろえです。




壁の一角には、賞状や盾など輝かしい受賞歴の数々も飾られています。
「天下御免」の書がかっこいー。

現在御当主を務める若旦那さんはチャレンジ精神にあふれた方です。
東光で製造するお酒のすべてを醸造アルコールに頼らない"純米酒”
とすることで国産品質にこだわり、創業当時酒造りに使われた甕を
再び用いて当時の味を再建した希少なお酒を醸したりと、
量より質で国内のみならず海外市場でも強く挑んでいます。

また県内の酒造仲間と合作でプロデュースした
「山川光男」シリーズ(全て期間限定)は、
販売のたびに好評を博しています。

ここ直営店では、現在販売中(2022年2月時点)の
「山川光男2021ふゆ~山川鶏男」(残僅か!)他、
山川光男のオリジナルグッズも販売中。





前掛けがシブい!
ゆるかわいい光男爺のLINEスタンプもありますので、
気になる人はググってみてね。
さて、そんな東光の酒蔵直営店で販売中の商品の中から
私のおススメをいくつかピックアップしたいと思います。


①東光 御用酒屋の献上酒 



上杉藩御用酒屋として、お城に酒を献上していた江戸時代の頃の味を
再現したというこちらの商品。
東光さんには公式オンラインショップがありますが、
なんとこちらのお酒は直営店でしか買えません。




今回初めて購入して飲んでみました。

おー、甘いめじゃ。でも、全然くどくありません。さらりマイルドなお味です。
これが上杉のお殿様も嗜んだお酒の味というわけですな。
限定品ゆえなお特別感が違います!


②吟醸梅酒 



(↑お店で撮るのをうっかり忘れたので、以前西屋で商品紹介用に撮影した
ものを引っ張り出しました。)

全国の主要梅酒コンテストで唯一三冠を達成したという伝説の梅酒。
麹の香りと梅酒ならではの果実味が絶妙なバランスで楽しめます。
こっくり甘いのに爽やか、日本酒っぽいけどしっかり梅の味?!?
この味を一言で例えるのはほぼ不可能です。
酒粕の風味がオッケーな人なら絶対ハマります。
私は大好きです。ロック一筋で!!
こちらはオンラインでも買えますのでぜひ飲んでみて~!


③米麹のあまざけシリーズ 



材料・品質的に元々賞味期限の管理が極めて難しい甘酒ですが、
東光もついに商品化!



そしてもう受賞している!
すごいなぁ…

テイストは「プレーン」「ベリー&ビーツ入り」
「キウイや緑色野菜etc.入り」の3種類。
プレーン以外は甘酒ベースのスムージーみたいな感じでしょうか。



今回はプレーンを買ってみました。
オーソドックスな味ですが、酒造元が作ったためか、
通常の甘酒よりもお酒風味>麹風味という感じがします。
何しろパッケージがオシャレよ。化粧品かと思うほど。
(通常冷凍で販売しています。)

今度他の2種類も試してみよう~。

他にも、上位ランクの高級酒やオリジナルのぐい呑み、お酒成分を使った
美容マスクなどなど色々販売しています(白布温泉街のかもしかやさんで
買えるものもあります)。とにかく見ていて飽きません!



おまけ。

売店の入り口には、こんな商品もありました。



「大人(R20)のガチャ」。2種類あります。



懐にやさしいハズレがないタイプと、



当たりが出ると、なんと5000円相当の純米大吟醸袋吊り(桐箱入り)が
もらえちゃう超ハイリスクハイリターンのタイプ!!
…しかし外れるとティッシュ。
スリル満点の運ゲーですが、案内して下さったスタッフさんに聞いたら、
過去本当に袋吊るしを引き当てた強運の持ち主がいたそうな。
我こそはと思う方、ぜひチャレンジを!


おまけその2。

建物内の一角には、上杉御用達の酒造元らしく、
上杉家ゆかりの文書や品々が展示されているコーナーもあります。




特に鷹山公にまつわる文物が充実しています。




貴重な直筆の書もあります。
こちらの存在は実はあまり知られていません。
有料スペースではないので、歴史好きの方や鷹山ファンの方も
気軽に足を運べますよ。

いかがでしたかー?
見どころが尽きない「東光の酒蔵」。家族連れにもおススメ!

【東光の酒蔵】
〒992-0031 山形県米沢市大町二丁目 3-22(柳町上通り) 
電話 0238-21-6601 
開館時間 (平日)9:30-16:00 
(土日祝)9:00-16:30 
定休日 1月・2月の毎週火曜日 12/31、1/1 
駐車場 道路を挟んで向かい側と、直営店入り口側に
駐車場があります。
入館料 大人350円 中学・高校生 250円 小学生 150円
※個人の場合



今日の一曲。

当シリーズ史上最大ボリュームとなった第39回目の締めくくりは
やっぱりこのコーナー。
本シリーズがどっぷり日本酒のテーマだったから、
最初はバラグーダーの「日本全国飲み音頭」あたりシャレで
載せちゃおっかな~なんてろくでもないことを考えていました(笑)

でも、建国記念日にあたる2月11日の昨日、平野歩夢選手が
ハーフパイプで見事金メダルを獲得し、表彰式に君が代が流れたこと、
Twitterで、春日大社の神職御一同が橿原神宮方面に向かい紀元祭
遥拝を催行した様子を公式アカウントがUPした情景があんまり
素晴らしかったこと、今回のシリーズでお神酒や日本神話など
深い話題に触れたこと諸々を勘案して、此方の曲に決定。


"越天楽"(近衛秀麿編曲)

沼尻竜典&東京都交響楽団(2002) 


↑Naxosのようつべ公式チャンネルにまんま近衛版
越天楽がUPされてたよ!
ご存じ越天楽のフルオーケストラバージョンです。
日本のオケ界の草分け的存在でもある「おやかた」こと
故近衛秀麿氏による編曲で、演奏は、邦人作曲家の現代
管弦楽曲演奏を得意とする東京都交響楽団。
近衛氏は皇族の祖先をもち、お兄さんは元総理大臣の
近衛文麿というサラブレット家系の出身(所謂貴族)で、
指揮者としても活躍しました。
既婚歴がありながら愛人をとっかえひっかえするなど
(しかもそれぞれ子供がいたりする)何が彼を元気に
育てたのか、かなり女遍歴が激しかったのはここだけの
話である。

スポーツの祭典で流れている「君が代(オケバージョン)」は
他でもない近衛秀麿氏の編曲です。

その彼が手掛けた越天楽は、各雅楽器の音色や雰囲気を
そのままに、見事に西洋楽器へバトンタッチさせました。
笙は弦楽器へ、
笛や篳篥は木管楽器と金管楽器へ、
楽琵琶はファゴット中心の木管低音楽器へ、
和琴はピアノへ、
太鼓は…太鼓へ(笑)。
雅楽版に比べると若干柔らかい印象ですが、
その分色っぽく(?)も聴こえます。
スコアを見たことはありませんが、篳篥パートは
聴き間違いでなければトランペットが受け持っています。
めちゃくちゃイイ。

惜しむらくは、すごくいい曲なのに収録CDが少ないこと。
マイナーなんかなぁ…

このアルバムには、他にも外山雄三や伊福部昭、
芥川也寸志といった錚々たる作曲家の楽曲も収録されています。
ナクソス様様!!


さあ皆さん。
楽しい晩酌タイム。
熱燗、冷酒、その他ビールにワイン…
おつまみにするなら何が好いですか?

日本酒なら、私は辛口の冷酒。
つまみは薬味たっぷりの冷奴マリアージュだ!




酒蔵の直売店で人気No.3の東光の「左利き」。
すっきり辛口で飲みやすい、私の好きなお酒の一つです。

2022.01.20

音のある生活 44 「雅楽いいよ雅楽!」-②

 

毎年玄関の柱に飾る小正月のだんご飾り。



今年は雪が多すぎて、飾りつけをするための団子の木が
入手困難だった経緯から、枝のサイズもお飾りもだいぶ
控えめになりました。
外がほぼ完全にモノクロの銀世界なので妙に華やいで見えます。
春が来るまであと約3か月半…今年はいっとう待ち遠しい。。





さて、あまり間をおかずに後編まいります。
音のある生活シリーズ第44回後編、雅楽小話の続きです!!



独身の頃、地元の神社で正月や例祭の助勤巫女をしていたことが
ありました(我ながら職歴スーパーマーケット状態である…)。
管絃の他、催馬楽()っぽい地元の歌舞に親しむ機会が
たびたびありました。プロではなく地元有志の演奏でしたが、
緋袴に白衣を着込み、社殿の傍らで間近に聴いた雅楽の生演奏の
感動は今なお記憶に深く刻まれています。

地元の歌舞は、右手に刀、左手に五色の緒がついた神楽鈴を
持って男性が舞う剣舞でした。名前…失念(汗)。
細面で上背のある壮年の舞い手さんでした。まるで動く
絵巻のようだった…。一方当時の神主さんは地元の神社庁支部
でも重鎮の方で、神道について色々蘊蓄を伝授して下さった方
でした。ご高齢にも関わらず、とにかく雅楽イイよね!と
少年のようにキラキラした瞳で熱く語っていらしたのが
印象的でした。
あ、雅楽にハマったきっかけは彼だった。
今もお元気かなぁ…

催馬楽(さいばら)…
平安時代に体系化された歌物(うたいもの)。
朗詠(現在の詩吟のように独特な節回しで歌う歌)と並び、
当時上流貴族の間で流行っていたJ-POPのご先祖(?)。
庶民が娯楽の一環で歌っていたものを皇族・貴族の皆さんが
逆輸入したものもあるそうで、千年前に生きていた皆さんの
心象風景が色鮮やかに蘇ります。

実は、雅楽の世界で誕生した用語は、
意外なことに現代日本語のあちこちで現役だったりします。
今でこそ巷でなじみの薄くなってしまった雅楽だけど、その
文化はしっかりと日本人の心にしみわたっているのだ!!

というわけで、以下!
wikiその他から拾った雅楽生まれの単語で作文タイムアタック30分!
…はさすがにオーバーしましたが…即興で例文を書いてみました。
即興だからクオリティの低さは目をつぶってくれ。
思いついたお題は、今まさに臨書している
『書聖:王義之の蘭亭序制作秘話(??)』
王さん一人称「ワタシ」でお届けします。
捏造モリモリ、キャラ崩壊の嵐。

※文中のこの色の単語が雅楽用語です。

ー-----------------------------
…ワタシは頭を抱えていた。かつてない出来事に混乱していた。
手元には、昨夜綴ったばかりの「蘭亭序」。
一応、下書き(仮)である。


「蘭亭序(神龍半印本)」王義之(353(永和9)年)(部分)その1

書いていた時の記憶はかろうじて残っている。
うん。とにかく呂律が回らないくらい酔っぱらっていたのは
確かだ。友人がお土産にと持ってきてくれたつまみがあまりに
オツな味で、いつも以上に飲みまくってしまったのも覚えている。
そして、なぜかみんなして超絶興奮状態だった。
今思えばあのつまみ、死なない程度に妙な毒でも入っていたのかも()。
ともかく、飲み会が終わって部屋に戻った後、なぜかそのまま
興が乗りまくって筆を取って…
気が付いたらいつの間に書きあげちゃっていたやつが…コレ。

なるほど分からん。

なのにだ。…なんかやたらイイ感じなんすけど!!
自分で惚れちゃう!!
え?どうしてこうなった??
マジ相当酔ってたよねワタシ?
何なら書き終えた直後から記憶飛んでるし、途中手が滑って
うっかり間違えちゃった箇所そのままえいえいって塗りつぶし
ちゃってるし、ちょっと字間違えてそのまま上書きしちゃった
所もあるけどさ。なんてゆーか、素面の時じゃ醸せない絶妙な
塩梅というか、全体の出来が良すぎるのだ。


「蘭亭序(神龍半印本)」王義之(部分)…その2

おまけに文章の中身までイケてるし、とにかくいろんな意味で様になってる
んん…おかしい。
今まで自覚がなかっただけで、実は酔っぱらってると本領発揮しちゃうタチ?
いや、いやいや、それはない。
一応ワタシ官僚だし、飲み代出すのケチるため自称下戸(ウソ)で通してるし、
気ままに生きたいからって要職蹴って会稽に引っ込んだけど、
今更皆にだらしないのん兵衛だと思われたら嫌すぎる…。
そう思って一夜明けた今。改めて清書しようと試みたのだったが…。
これがどういうわけか、何度再挑戦しても上手い具合に書けない。
なんでやねん。
やっぱりワタシって酒の力でないと化けられない奴?
いやいやなにその化けるって。
やだ自分でツッコんじゃった。
ないわー!いろんな意味でないわー!!
…そんなこんなですっかり堂々巡りになり、
ワタシは部屋の中で頭を抱えたのだった。
…以下冒頭に戻る。
しばらくして、ふと冷静に思い返してみた。
この蘭亭序、別に誰かに書いてくれと頼まれたわけでも、
作品として完成させるみたいな打ち合わせがあったわけでもない。
多分たまたまその時何か神懸かりでも降りていただけなのだろう。
そう半ば開き直ったのだった。
…そして数日後。

「ねぇ、ちょっと見てほしい書ってか下書き(仮)があるんだけど。」
日頃ワタシの書を好きだと評価してくれている飲み友達の謝安を
自宅に呼んで、例の書を見せてみた。
余談だがこの謝安、飲み友の中では唯一の左ぎっちょである。
書道仲間から始まり、かれこれン十年の付き合い。
気の置けないつぅかぁの大親友。
しかしこの時ばかりは(あ…呼ぶんじゃなかった…)と激しく後悔した。
二日酔いで頭痛いのにまた野暮用かい…なんて眉間に深い皺を刻みつつ
頼みを聴いてくれた謝安だったけど、件の書を見るなり、目をひん剥いて
数秒沈黙してしまったのだ。
「…マジかオマエ」
まるで見ちゃいけないものを見てしまったかのような表情。
とりあえず落ち着きたかったのか、自慢のアゴヒゲを殊更ゆっくり
撫でつつ、謝安は徐にこっちを見た。
「なぁこれ、もう一回書けないか?」
「……」(…あー、やっぱそうくるのね…)
「ねぇ、これヤバいよ、下書きだろこれ?清書したらもっとスゴイのが
できるよ。ちょっと俺にもコツを教えてくれよ。どうやって書いたん」
「………」
まさか記憶にございません、なんて口が裂けても癒えない。
でも、こいつは本当にいい奴なんだ。敵には回したくない。
「あー、あー…実はどちゃくそ酒飲んで…書いた…?」
口が滑った瞬間、サッと顔が青くなったのが自分でも分かった。
…やばい。トチッた。つい本当のことを言っちまった!!!

お互いなんとなーく重い空気が流れる中、恐る恐る謝安の顔を見上げると、
案の定彼は呆れて二の句が継げないとばかりのジト目で押し黙っている。
「え…もしかして、こないだの飲みの後書いたんか?」
「…」
沈黙は肯定である。察してくれ。もうワタシ何も言えない。
「一応アンタの下戸が方便だって知ってたけどさ、本当は飲めるって
知ってたけどさ~!!まっさっか他の書も酒盛って書いてたクチ??」
「ちょ、ちょっと待って“酒盛って”って何よその人聞きの悪い表現!」
「オカマかよ!」
「いやそこツッコむところじゃないから!」

・・・何はともあれ。
今度からは筆をバッチリ閉まってから酒を飲むわ。
この瞬間ワタシはそう固く胸に誓ったのだった。
笑えない大失敗!!金輪際二の舞を舞うまい!!

ー-----------------------------

なっが(笑)
そして全世界の王義之ファンの皆さん、弄ってごめんなさい。
でもちゃんと実物(真筆ではなく唐代に臨書されたもの)載せたから!
いやツッコんでほしいのはここじゃなくて。

雅楽生まれの単語、いっぱいあるでしょ?
普段使う言葉ばっかりでしょ?
ちょっとしたトリビアでしょ?
(他にもあるかもしれませんが、私の文章力ではここまでが限界でした…)


前編後編にわたってお届けしました雅楽シリーズ、
いかがでしたか。
何かをきっかけに、皆さんも雅楽を好きになってくれたら嬉しいな♪




今日の一枚

「陰陽師」

伶楽舎(2000)

↑ようつべで「盤沙調調子」を視聴!
笙の音色が神秘的です。

夢枕獏原作、岡野玲子漫画による「陰陽師」に
インスパイアされたコラボアルバム。
演奏はご存じ伶楽舎です。
管絃や舞楽の他、廃絶していた催馬楽を復活させたもの、
女性が歌う珍しい朗詠などなど、教科書的なアルバムとは
一線を画す面白い構成になっています。
しかも所々効果音やエフェクト入り。琵琶2台の弾き合わせが
楽しめる楊眞藻(ようしんそう)という曲では水の流れる音が、
陵王乱序では激しい落雷の音が(音量注意)、青海波では
突然の笑い声にズゥウウウンン…みたいな唸り音が響いてきたり
(こっちも音量注意)と、自然現象や人知を超えた魑魅魍魎の
幽玄な世界が見事に織り成されています。

また作中では、安倍晴明の親友であり、芸事に非常に長けた
源博雅(ひろまさ)というキャラが登場します。
安倍晴明のお祓い行脚に半ば強制的に(?)付き合いつつ、
作中モブ()と楽器を競演したり、朱雀門で龍笛を奏でてその
腕前に惚れ込んだ鬼から笛をもらったりと、恋愛は超が付く
鈍感だけど粋な立ち回りをする「中身が」イケメンタイプの
お方(実在の人物です)。

そんな彼が作中奏でる曲が、アルバムでの壱越調菅掻
(いちこつちょうのすががき)だったり蘇合香(そこう)の
イントロだったりするわけです。
ちゃんと感情移入しやすいつくりになっているのが何とも良い。

しかもこのアルバムは2枚構成で、2枚目はなんと、
ブライアン・イーノによるアンビエントパートになっています。
1枚目が清明と博雅の雅な世界なら、
2枚目は白比丘尼もとい蘆屋道満のテーマ。
"Connecting Heaven To Earth"という曲では、
録音中にたまたま喫茶店で出会ったという一般女性の声を
これでもかとエフェクト加工しています。
出会いもすごいけど、仕上がりもなかなかスゴイ。
アンビエントだけに聴く人を選びますが、
とにかく聴いていて飽きないアルバムです。

2022.01.17

音のある生活 44 「雅楽いいよ雅楽!」-①


※裏の桝に行く途中のお薬師様山道にて。

「……こんなところにS字結腸が()」



自然の造形はいつだって人間の想像を超えてきます。
てかこれ、どうやってできたんだ!?

大雪に異常な高温(南半球)、小惑星の接近に海底火山の大噴火…
天地が荒ぶっています。いかに叡智を磨き生物界の頂点に立とうとも、
人間はあくまでこの星の一部。死なばもろともの運命ですが、
最期は平和に彼岸へ渡りたいもの。
どうか“その日”が今今となりませんように…。





本日は前から書こうと思っていた話題です。
一応まだ生息中です。音のある生活シリーズ。
今回は「雅楽」です。ガガク!!!



(話題に見合う写真がぜーんぜんないので、白布温泉で毎年小正月に
行われるさいと焼の火柱をUPします。闇夜に舞い上がる炎や火の粉を
見ていると、故郷の神社で見た正月の篝火を思い出します。)

さてさて、雅楽と聞いて皆さん最初に何を思い浮かべますか?
神社の初詣や結婚式(神前式)のBGMで聴くアレかぁ…
そんなイメージが湧くのではないかと思います。
音楽の授業でサラリと習う、日本人なら一度は耳にしているであろう
あの曲。それが「越天楽」という大陸由来の管絃曲だとご存じの
アナタ!ワタシから拍手を贈ります!!

雅楽とその演奏楽器は、もともと約1500年ほど前に大陸から伝わってきた
舶来の音楽文化でした。それが、記紀神話の時代から日本独自に伝わって
いた歌や舞と混ざり合って平安時代にほぼ現在の形式になったのが今日
知られている「日本の雅楽」です。神社の大祭や宮中行事で定期的に
演奏されています。

え?何聴いても全部同じに聴こえる??
た、確かにね!!!
楽師や宗教関係の方、よっぽど興味ある方でなければ、越天楽以外の
演目は殆ど耳にする機会なんてないでしょうからね。



現在、日本での雅楽は、独奏・合奏そのた諸々含めて百数十曲が伝わって
いるそうです(継承が途絶えた曲は除く)。中国渡来のものを含む
有名どころだと、舞楽の蘭陵王や青海波、国風歌舞なら人長舞とか
東遊、子供が舞手をつとめる迦陵頻(かりょうびん)や胡蝶(こちょう)、
あとは巫女さんの神楽や倭舞の色々あたりかなぁ…
ていうかどれも名前しか知られてないんじゃ…
やっぱりどれもマイナーか…(汗)

一方、中国やその系統であるベトナムの“雅楽”を聴いてみると…
「え、これ違うジャンルじゃない?!」と思わず声を上げてしまうほど、
日本の雅楽と全然雰囲気が違います。
大陸の雅楽も歴史ある伝統的な宮廷音楽ではあるのですが、本家は
儒教を起点とする儀式音楽としての傾向が強く、実際の音色もなかなか
厳格な雰囲気を醸しています。



↑台北の孔子廟で2018年に催された雅楽の祭典の様子。
立奏で、太鼓奏者はどうやら廟の中にいる模様。

そもそも楽器の音が違います。

加えてベトナムの雅楽は結構なハイテンポです。



↑ベトナムの古都:フエでの雅楽演奏の様子。
現地の言葉では雅楽のことを「ニャーニャック」
と発音するらしい。あらやだ可愛い。

京劇などの流麗な舞踊でBGMとして演奏される
「ああこれまさに中国!」ってイメージを思い
浮かべてみて下さい(語彙力低!)。

めちゃくちゃ余談ですが、どっちも衣装がステキ。

上述の通り、日本の雅楽には「揺物(うたいもの)」…
つまり歌“声”を伴う独自の音楽文化が溶け込んでいます。
そのためか、大陸のそれよりはるかに表現の自由度が高く、
青天井の世界観が広がっている…と個人的には感じています。
人の思いをダイレクトに音に乗せられるのが歌の醍醐味
ですからね。
八百万の神々を奉る日本人の宗教観、
アニミズムの賜物なんでしょうなぁ。
いや知らんけど。


というわけで、今日の1枚。


「祝賀の雅楽」

伶楽舎(2001)


↑伶楽舎公式ようつべチャンネルより。
平調音取と越天楽をVR視聴!!

タイトルの通り、主に祝祭御宴や宮中行事で演奏
されていた雅楽の有名どころを集めたCD。
生涯にわたって雅楽の普及や廃絶曲の復古、
後進の指導に努めてきた故芝祐靖さん率いる
伶楽舎が演奏しています。

伶楽舎のメンバーは多くがソロで活動するほどの
実力派ばかり。芝さんご本人も代々由緒ある雅楽師
一家の出身で、かつて宮内庁式部職学部に所属し、
龍笛や琵琶を演奏していました。もちろん当CDも
聴きごたえ抜群です。

舞楽や管絃曲の他「音取(ねとり)」
「調子(ちょうし)」といわれる音合わせも聴くことが
できます。何じゃそりゃ?これらは、すぐ後に
演奏する曲(管絃などの合奏曲)の音階を各パートで
揃えるための前奏曲みたいなもんで、オーケストラの
コンサートの演奏前に舞台上で必ず行われるA音の
チューニング(オーボエをトップバッターにして、
全パートがその場で音を合わせる)とほぼ同義です。
雅楽の世界の音合わせは、西洋のチューニングと違い
単体でもちゃんと曲になっているのが特色。
各楽器のイイ感じなソロが聴けるので私は好きです。

しかし何といっても、笙も琵琶も全部のせの管絃曲がいい。
どれもかっちょいいのですが、萬歳楽と朝小子が個人的に好き。
特に朝小子。笙と和琴が不協和音スレスレの絶妙すぎる
アンサンブルを奏でています。ちゃんと調和しているから
協和音には違いないんだけど。
ゆったりしたテンポが神々しいのなんの。
世界初の不協和音といわれたモーツァルトの弦楽四重奏曲
第19番より1000年も前の音楽だからねこれ!
作曲した人天才過ぎる。

アルバムの最後にはご存じ「越天楽」も収録されています。
他の曲を散々聴いてからだと、めちゃくちゃおとなしい曲に
思えてきます。

無駄に長くなりました(笑)懲りずに後半に続きます(笑)

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