若女将コラム

日々西屋と山を縦横無尽に駆け巡る湯守兼若女将のかなりマイペースなコラムです。
内容はすっ飛んでいます(というかほぼ西屋に関係ない話題ばかり)。ぜひ楽しんで下さいませ。

若女将コラム

好きな音楽のこと ~癒し系~

2020.07.03

母、星へ還る





先月、実家から鉢植えのラベンダーを貰い受けました。

何年も前に母がどこからか入手して、ずっと世話していたものです。
母は去年から骨折や持病の悪化で入退院を繰り返していて、
それまで手入れしていたプランターの多くは枯れてしまいましたが、
最後に残ったラベンダーだけは庭の片隅で
細く小さく頑張っていました。

先月になって、母が病院からそのまま施設へ転所することに
なったため、見るに見かねてその日のうちにラベンダーを
白布に持ち帰ったのでした。
鉢替えをして下さった油屋さんによると、ラベンダーは
とても頑丈で、冬の厳しい寒さにも耐えられる植物だから
白布でもきっと元気に生きるだろうとのこと。

とまぁ勢いでもらってきたはいいけど、
そもそも園芸ど素人の私に世話なんて務まるのだろうか?!

ドキドキしながらも、ラベンダーが新しい鉢に根付くまで、
毎日水をあげたり天気次第で居心地のよさそうな場所に
移動したり、祈るような気持ちで世話をしていました。
するとどうだろう。

これまで全く園芸に興味のなかった私が、



気が付けば庭中歩き回り、



雑草を抜いて整地して、



花を植えて鉢のサツキや庭木を剪定して…



今まで目もくれなかった花や木に、
深い親しみを覚えるようになっていました。

頭に何かが生えたに違いない。


見渡す限り、ただただ癒される日々の庭の景色。
言葉は話せなくても、心を込めて世話をすることで
ちゃんと答えてくれる草花のひたむきな生命力。

なんというか、足元から「生きている」感覚がしみ込んでくるような
不思議な一体感がどうにも心地よく、
毎朝庭を歩き回るのがすっかり楽しみになってしまいました。

『これはもう母に感謝しなければ。
花が咲いたら写真を見せてあげたい。』
…そう思っていた矢先でした。



ラベンダーの花があともう少しで開花するところまで成長した
先月末のある日、施設から父経由で母危篤の知らせがやってきました。

嫌な予感を覚えながらすぐ西屋を発ったものの、肝心の面会は要予約。
それも1回につき家族一人だけというコロナ厳戒態勢の壁に阻まれ、
すぐには母に会えません。
その日は午前中に父が訪ね、午後に私が施設へ行くことになりました。

今思えば、母は私が来るのをずっと待っていてくれたのかもしれません。

その日、母が施設に入所して初めての面会のチャンスを得て
私が母を訪ねた日。
やっと会えたその時が、母との永遠の別れとなりました。

枕元に駆け付けて、まだ温かい手を握り、おぼろげな視線の先に
割り込むようにして顔を覗き込みながら、
『もらったラベンダーを大事に育てるよ、西屋の庭を今めちゃめちゃ
手入れしてきれいにしていってるんだよ、子供達も今日は元気に学校に
行ったよ、箪笥にあった着物は大事に虫干しして預かるよ、
得意の冗談をもっと聞きたかったよ、
お母さん、産んでくれてありがとう、
大好きだよ…』
何をどう伝えたらいいのかわからないまま、
とにかくあれこれ伝え続けていました。

聴覚は最期まで失われないと聞いたことがあります。
きっと、声は届いたと信じたい。

私が居室を訪ねてからほどなくして、
母は、文字通り眠るように逝きました。

ラベンダーの花の写真を見せることはできなかったけれど、
最期だけは母を一人にしないでそばで看取ることができました。
その光景は、絶叫にも似た壮絶な記憶となって私の脳裏に
焼き付きましたが、コロナの惨禍がまだ収まらない中、
施設の皆さんのはからいと何かの導きによって叶えられた、
静かな奇跡でした。
おそらく一生忘れることはないでしょう。



母は今きっと、長い間苦しんだ病気と限りある時間の鎖から
一切解き放たれ、母の両親や先に旅立ったゆかりの人達、
可愛がっていた実家のニャンコ達や色とりどりの花と美しい
景色に囲まれて、透き通った空から時々西屋の庭を
見下ろしてくれている、と思います。



(開花したラベンダーは現在剪定しながらポプリにすべく、
花を大事に保管しています)


聡明で穏やかな人柄からたくさんの知人・友人に恵まれ、
エスペラントに堪能で、オカリナの演奏に熱心で、子供や孫思いだった母。
凛としたその生き方は、家族と共に過ごす何気ない日常の本当の幸せ、
今この瞬間を、急がず、精一杯丁寧に、
そしてまっすぐ生きていくことの尊さを、身を以て教えてくれました。

生きとし生けるもの全てが通る道を、こういう時だけ
早く通過していってしまった母ですが、今はただ穏やかな気持ちで、
次の世界での幸せと活躍を心から願う今日この頃です。

(↑天体望遠鏡で初めて月を撮影。感動の瞬間!)





こんな時だからこそ、音楽が必要なのだ。

"Her Angled Beauty"

Levi Patel "A Sifting Lightness"(2019)


(↑サムネイルクリックで"Her Angled Beauty"が
視聴できます)

ニュージーランドの癒し系アンビエント、
モダン/コンテンポラリーミュージシャン:
リーバイ・パテルのアルバム。
朝露が光る庭に咲く花のような、やさしいナンバー。

2020.03.29

音のある生活 38 「Have a good sleep」




何年も前、かなりリアルにこんな景色を夢に見たデジャヴ。

こんにちは。
腸内フローラ改善のための献立作りに(今更ですが家族分も)
取り組みはじめた若女将です。



でもって、こっちは何の変哲もない手作りのフルーツ白玉(笑)
シロップ漬けにこっそりブランデーをひとったれ。

休みの日はスローフードモードです(なんせ時間が…)
巷には優秀なサプリメントもいろいろあるようですが、
健康について長い目で改めて考えた時、手軽さよりも日頃の食生活を
根本的に見直すほうがずっと堅実的で継続可能だと
思い直すようになりました。

料理研究家の故城戸崎愛さんは″生きることは食べること”という名言を
遺しましたが、まさに正鵠を射たりです。
どんな災難にまみれようとも、生きとし生けるもの生きなければならない。
そして生きるためには食べ続けなければいけない。

"減量"
は重荷(物理)を負いて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。
(あの遺訓…実は徳川家康公の言葉じゃなかったんだそうで。
事実を知ったときはショックでしたわ…)

かたやコロナウイルス。
事態が収束する兆しが未だに見えませんね。
感染そのものの危険性もさることながら、今は人口密集地も過疎地も
巻き込んで社会全体が過剰な”アレルギー反応”…不安が不安を呼ぶ
集団パニックに似た渦中にあるように見えます。
それが結果的にすべての経済活動をマイナスに陥れている矛盾
というか悪循環。
似たようなことを指摘する専門家もいますが、それこそがこの度の
問題の根幹なんじゃないかと考えています。
海外からの観光客が激減する中、日本中の高級食材の価格が急降下
しているというニュースを何日か前に耳にしました。西屋も米沢牛を
提供させて頂いている旅館。”非日常”が否が応でも敬遠される今、
生産や仕入れに関わる知り合いの業者さんの顔が思い浮かび胸が
痛くなりました。辛い。


だからって、この混乱時に和牛商品券給付なんて論外だよ論外。大反対。
今国民が必要としているのは贅沢ではなく平和な日々の暮らしなんだ。

政治家の皆さんはだな、利権を抱えていつまでもくだらない
議論しているヒマがあったら、一刻も早く現金を給付してくれ。
(昨日の安倍首相の記者会見で具体的な話がほぼ出なかったのは狂気でした)
いつ収まるのか見当もつないけれど、早く救済措置を発動させないと
ようやく自粛が解除されるであろう頃には私達ほぼ間違いなく干からびてる。

日本の企業・事業所の99.7%を占めるという中小零細は、どっかの誰かが
言うように確かに日本経済の足を引っ張る存在かもしれない。でもね、
その事業所に従事する人数が一体どれくらいいるのかも考えてほしいのだ。

願わくば、人々が足元を見つめ直し、身近なところから小さな幸せが、
そして内需が復活していきますように。

そんな淡い期待を心のどこかに抱いて、
身近な食事や家族と過ごす何気ない日々、
当たり前のように流れていた「日常」のありがたみを再認識する
今いい機会だと気を取り直し、久しくできなかったおやつ作りを
楽しんだりしている今日この頃です。



今日の一枚

"Asleep Versions - EP"

Jon Hopkins(2014)


(↑サムネイルクリックでImmunityが視聴できます。)



イギリスのミュージシャン、ジョン・ホプキンスが2014年に
リリースしたミニアルバム。
自身の人気曲を抜粋し、全体にヒーリング・アンビエントっぽい
穏やかな曲調にアレンジした私のお気に入りの一枚です。
特にImmunityがおススメ。邦訳すると「免疫」。まさにそれ。
寝しなに雑音を避け、ボリュームを落として聴くと、
個人的に一番星が輝く澄んだ夕空が脳裏に浮かびます。
まさにAsleep Version。今宵の安眠は間違いなし。

Open Eye SIgnalsは逆に瞑想向けかな?
シャープめなアレンジもありますが、どの曲も不思議に落ち着きます。

こんな時だからこそ、安心して眠れるひと時、
大切な人と過ごす穏やかな時間、
心の波を鎮めるつとめは大事だと思います。
(多分自分が一番そう言い聞かせてる(汗))

Have a good sleep everyone.

2020.03.12

閑話休題 ~殯(もがり)と”念”~




9年前のあの日、白布は大雪でした。
今年はもうフキノトウに続いてスイセンまで芽吹いています。




↑2月29日撮影。

こんにちは。
iPadでリモートワーク実践中の若女将です。
思い切ってproに機種変しようと思ったら、ご時世なのか在庫切れの件。
近々出るらしい新機種を待って、旅館ヒマな今こそチャンスと勉強し直し中です。



もう何年も前のこと。父方の祖母の十三回忌の年だったか、
ある時父がさみしそうにぽつりと言いました。
「人生最大の試練は、自分の親の死だ」
独り言だったのか私に諭していたのかは不明ですが、何年経っても、
悲しみは人の心の強さにかかわらず癒えることがないのだと痛感した言葉です。

数奇な人生経験を持つ友人が、今はもういない家族や仲間のことを
思い出しながら静かに呟きました。
「過去を振り返ることは、殯(もがり)に似ているように思う」
どんなに後悔しても、これまで歩んできた過去は変えられない現実。
逃げるのでなく時間と共に少しずつ"別れ"ながら、変わってゆく自分を
受け入れて、いつか過去の過ちも許せるようになりたい、と友人はしみじみと
語ったものでした…いろいろな意味で重く響いた言葉でした。


不安や悲しみから、自分が今何をしたらいいのか分からなくなる、
ただ焦りに苛まれそうになる時があります。
まして今の世の中、人ひとりの力でどうにかなる状況じゃありません。

だったら、この際何もしないという選択肢があってもいい。
心が空っぽなままでも死ぬようなことはないから。
そのまま寝れれば体力温存できて尚可、くらいに思っていればいい。

逆にもしも少しでも動くパワーがあったら、今しかできないことをしよう。
好きな飲み物を飲んで家でほわーんとするもよし。
長い間読みかけだった本を読んでもよし。
食べたいと思ったものを作ってみてもよし。
ちょっと家の周りを散歩してみるもよし(感染対策はほどほどに)。
人けのない所まで来て思い切り叫ぶのもよし(白布温泉大歓迎)。

平和な時も不穏な時代も、時間は平等に過ぎていきます。
どの世界にも事象を動かす力の"波”があるように、
今の閉塞的な状況はいつか必ず終わりが訪れます。
私たちに今できることは、時の流れに身をゆだねつつ、
決して生きる歩みだけは止めないこと、ほんの少しでもいいから、
周囲への思いやりを忘れないこと。それだけだと思います。

私は幸か不幸かやることが沢山あってどんよりしている時間がないので、
あまり先々に望みは持たず(悪い意味じゃない)、過去を悲観せず、
ひたすら"念"に徹しています。これ仏教の教え。

絵に描いた餅を眺めるくらいなら実際に餅焼いて食べようぜ!みたいな(違う)。

こんな状況ですが、
少しでも自粛や休校で鬱憤がたまっているであろう皆様の心をほぐしたく、
休館日も日帰り入浴を受け付けております。
ぜひ温泉にあったまりに来てください。きっと元気が出ますよ。




今日の1枚。

"SPETTRO"

Milana Zilnik(2019)

(↑サムネイルをクリックすると、Youtubeで
収録曲の"Verde”が視聴できます)

ウクライナ生まれイスラエス育ちの国際派ピアニスト、
Milana Zilnikのピアノソロアルバム。
目覚めの朝、リラックスしたい時、何かに集中したい時、夜眠れない時…
どんなシチュエーションでもオールラウンドに心を落ち着かせてくれる秀作です。
上のリンクから他の曲も聴けますので、ぜひ聴いてみてください。
おススメです。

久しぶりの更新なのにこのまま静かに終わってしまうのも何なので、
おまけにもう一曲。

"Chakra"

Fakear(2018)


(↑サムネイルクリックでようつべにジャンプ)

以前にも「The 日本シリーズ」で紹介したことがあるFakearですが、
彼が2年前に作曲したChakraという曲のMVが素晴らしく摩訶不思議なのでUP。
巨大なオルトロス(蛸(♀))とツインテールのお兄さんとの愛の逢瀬
(+絡み)が繰り広げられます。

もう一度申し上げます。ツインテールです。

あくまで神秘的。某浮世絵じゃありませんのでご安心ください。
タイトルはチャクラですが多分テーマは輪廻転生。
どこか日本の民謡を思わせる琴のようなヨナ抜き旋律が、
リスナーを別世界に誘ってくれます。

2020.02.20

音のある生活 35 「セカンドライフは龍砕軒希望」





早くも春の気配を幽かに感じる宵の刻の三十三観音。
ぞくぞくするような時間帯だが、こういう雰囲気が大好き。

こんにちは。
数年来使っていたメガネの柄が経年劣化でとうとう折れ(ショック)、
図らずもメガネを新調した若女将です。
もうアラレちゃんとは言わせない。

さてここで質問です。
もしもあなたがサスペンスドラマとかでよくある謎の事件の犯人で、
終盤でとうとう黒だとバレた時どういうリアクションをしますか?
…と聞かれたら…

「なんでバレたんだくそぉおおぉ!」…取り乱してそのまま捕まる
目の前で罪状が暴露される中、某犬神家のラストシーンみたいに
カッコよく?昇天する
フハハハよくぞ見破ったなそうだ私が犯人だフハハハハそしてさらばだ
(声は若本御大希望)フハハハハハ!!
あくまで余裕綽々の態度を崩さず、徹底的に悪役道を貫き(?)、
誰の説教にも耳を貸さず(むしろ一切口を挟ませず)、
そのまま怪人二十面相みたいにありえないトンズラかます

…どれを選ぶかなんて今更聞くまでもありません(笑)
だいたいそんな二次元キャラみたいなマネ出来るかどうかなんて
野暮なツッコミは必要ないのだ。
最近じゃ現実世界のほうがよっぽど色々ありえないから。
で、フハハはスピンオフでも悪の道を進み続けると思いきや、
もはや興味を失った浮世にちゃっちゃと見切りをつけて
人知れず山奥で余生を過ごしていたりするわけです。
心のどこかで罪の意識を抱きながらも、人々の前から
姿を消すことで己の全てと向き合う禅の生き方を選ぶわけです。

静かに移りゆく四季の自然に癒されながら、
やがてひっそりこの世から旅立っていくわけです。
例えば前田慶次のように。

夜ごと月を愛でては晩酌を楽しむ気ままな生き方…
うーんいいね龍砕軒。

今年はしょっぱなからメガネの他にも色々アクシデントが続いて
なかなか自分の思うように物事進まず、休日さえなんだか気忙しい日々。
こういう状況は幸先いいとはまず言わないでしょうが、
運の波は上下するので後からいいことが付いてくる、
と信じればきっとその通りになるんだろうと楽観的に考えてみています。
サウンドオブミュージックの名曲にもこんな歌詞があったではないか。

♪When I feeling sad,
I simply remember my favorite thing,
and then I don't feel so bad!


思い浮かべよう好きなもの。
そう…好きなものと言えば…支離滅裂な作文の羅列…じゃなくて、
理想的な私の休日の過ごし方。

もう去年のことですが、長いこと作りかけだった自作半幅帯を
一気に二本作ったりしていました。
着物だけでなく帯も頂き物が多い私。レトロで可愛い赤系や短めのもの…
雰囲気はすごく好きながら、コーディネートもなかなか限られてくるのが
悩みでした。そこで、今風の着こなし方を参考に、以前から手芸屋さんで
コツコツ帯用の生地を買い集めていました。



これが初の自作帯。↑両面仕様の綿100%、
そこそこ厚みのあるアイロン接着芯を使いました。アースカラー大好き。
半分は試作のつもりでしたが、思いのほかそれらしく仕上がったかも?!

組み合わせてみた。



自作×紬。うむ、ちょっとしたお出かけもいけそうだ。



自作×ウール。超が付く普段着仕様…まぁよい、室内ジャージのつもりで。

二本目は「大島紬(っぽい着物)にも合う色」を目指して生地を選びました↓





ユルい市松柄の裏は先染めの会津木綿もどきという実に地味な組み合わせ。
ひとつでも裏表共通の色が入ると意外とけばくならない(と思う)。




大島紬に合わせてみました。なかなか面白い組み合わせ…かも?
結んだて先がくたっとならないよう、この市松帯にはバイリーンの
厚手接着芯を使ってみましたが、想像以上に固めに出来上がって
しまいました。両面とも滑りにくい綿だし、締めるには少々コツが
いるかもしれない。

まだまだ試行錯誤は続きそうです。趣味と実益を兼ねるとはまさにこれ。
(最近ちっとも着物着る暇がないが!!)

ああ、真冬の引きこもり生活は裁縫と料理と読書書き物語学の勉強も
満載にするぞ(無理だ)うぉお!
…なんて去年の秋まで(←だいぶ前)意気込んでいたのに、
今年は雪がないくせに時間がないわで結局時間ばかり通り過ぎる始末。
これではマリアの魔法が解けるではないか。。




今日の一枚(今日はちゃんとおまけポジション)

"Moonlight in Empty Rooms"

Heidi Breyer(2018)

(↑サムネイルをクリックすると、
3曲目の「Moonlight in Empty Rooms」をサンプル視聴できます)




イギリス生まれの女性ピアニスト、ハイディ・アン・ブレイヤーの
通算5枚目のアルバム。
3曲目のタイトルがそのままアルバム名になっています。
静かなピアノソロから始まり、ドラマチックにストリングスが
加わって旋律が展開してく曲がメインです。激しさはなく
あくまで優しい曲調です。歌うようなメロディーがステキ。
レーベルはかのウィンダムヒル・レコーズです。
ジョージ・ウィンストン好きにはぜひお薦めしたい一枚。

2019.12.15

音のある生活 32「サダコはつらいよ」


こんにちは。

実は長芋(生)もアレルギーの若女将です。
恥かしながら西屋スタッフで唯一の食物アレルギー(それも複数)持ち。
もしかして私、デリケート…
(ダークアンビエント回で"9割暗黒面"だのクトゥルフだの
散々毒を撒き散らしていた奴が何を今更(笑))



今日は音のある生活シリーズですが、ほぼ閑話休題です。
副題の通り、かなりしょうもない内容です(苦笑)
息抜きだと思って頂ければ嬉しいです…。



今日現在白布は未だに浅い雪の中です。
雪の女王様はまだやる気にエンジンがかからないらしい。

気持ちは分かる、年賀状に関しては私も同類だわ。
この本文ももう1週間以上書いては崩し書いては崩し、結局支離滅裂なまま
無理やりUPしてしまったし…うーむ…頭が回らない。

最近、中途半端な気候のせいかしょっちゅう肩痛首こりに悩まされています。
なんというか、脳筋がいつも硬直している感じ(ちょっと待て字(笑))
いつものヘアスタイルさえ妙に「肩」苦しいと感じるようにもなり、とりあえず
頭皮に負担がかからないようトレードマークだったチタン箸かんざしを
しばし封印、ゆるめに髪を結ってごまかしています。

え?切れ?それだけは絶対イヤだ(爆)

とはいえ既に結構な長さなので、とりあえず邪魔にならないようクルクル巻いて
バンスで留めてしまうことが多いのですが。
実は毎晩寝るときも毛先がこすれないように髪を編んで保護しているため、
一日のうちで髪の毛を完全におろしている時間はお風呂以外ほぼ皆無です。
つまり私はもともと、髪を結った感覚に完全に慣れ切っているはずなのです。
なのにこのごろちょっと髪型を緩めただけで
「ああぁ髪解きたい今すぐバサーッとしたい!誰も止めるな下ろす!!」
よく分からない衝動にかられて、バックヤード限定ですがこっそり貞子化して
開放感を味わっていたりして(だってパブリックフロアでそれやったら西屋的に
かなりヤバい笑)。そしてそのままザ・デスクワークサダコ(笑)
そのままカウンターに出たら即一発芸(やらないけど汗)。
フロントスタッフの皆ほんとごめんなさい(笑)

しかしまぁ、あれだな。貞子さんたら有名すぎですね。
白い服を着て顔の前にロングヘアを垂らしてみせるだけで10人中
1000人(?!)が「ぎゃー貞子だ~!!」ほぼ確実に叫ぶはず。
井戸から這い出るあの衝撃的な姿がいつの間に人々の恐怖心の臨界点を
突破したのか、枷椰子さんとの夢の共演どころか、どこぞの始球式やら
ギャグマンガ、はては海外のいかにも胡散臭いようつべ動画にまで
散々出没させられているホラーの権化。
相手が野球選手だろうが行先が縁もゆかりもない異国のご家庭だろうが
所かまわず愛嬌呪いオーラをふりまかなきゃならない彼女の日常(?)は
そんじょそこらのブラック企業とはまるで比較にならない重労働っぷり。
さすがに不憫に思えてきます。怨霊だけど。
そのガッツ、ぜひ分けてほしいねぇ。
所詮恨みつらみなんて人類の未来と共に蒸発していく運命なのだから、
命ある者を憎むなら、いっそ呪いパワーをロケットエンジンにエネルギー
転換して、そのまま宇宙の果てにでも行ってくればいいのだ。
そして戻ってくる頃には故郷(地球)そのものがなくなっているという
相対性理論。めでたしめでたし(何がだ?!)。

いやいやいや、そんなくだらない話はどうでもよくてだな。
なんでひそかに貞子ちゃん推し(?)かというとだな、
髪型の連想もさることながら、単にこの間行った眼科の受診模様が
なかなかにツボだったのであって、別に貞子ちゃんが好きなわけじゃ
ないよってそれだけ言いたかったわけなんだな。

・・・市内某眼科にて。



↑状況説明が面倒なので、雑ですが思い切って一コマ絵にしました。。

こんなガンたれ写真(といっても診察のために強制的に逆あかんべぇ
させられているだけなんですが(苦笑))を薄暗い診察室で毎日見ている
眼科の先生…きっとホラー映画にめちゃくちゃ強いに違いない。
自分の髪と結膜炎ごときで、性懲りもなくこんな話題をだらだらと
(しかも旅館のHPで)垂れ流す若女将。
デリケートじゃないのは確かです(笑)



さぁお口直し?に今日の一枚。
これまた場違いな癒しアルバムを無神経に投下するわけですが、
本当はこっちがメインだったはず。もはやどっちが本題なのか分からんわ…。

"The Melody At Night, With You"

Keith Jarrett(1998)



こちらはECMきっての大御所ピアニスト(他の楽器も多種演奏)、
アメリカ出身のキース・ジャレットの1998年リリースアルバムです。
クラシックからジャズに至るまで幅広いキャリアと卓越した技術を持つ
キースは、あのマイルス・デイヴィスとの共演や世界各地でのコンサート
(ライブ盤、特に1975年ケルンでのコンサートアルバムが大ヒット)など
華々しく活躍してきました。しかしその過酷な演奏スケジュールの日々から
とうとう慢性疲労症候群を患い、一時ステージから離れる日々を余儀なく
されたのでした。
こちらのアルバムは、その療養中に作曲されたもの。
元々は奥さんへプレゼントするプライベートものでしたが、リリースされるや
再び世界的に絶賛を浴びたというミラクルストーリーの結晶。
曲はいたって静かで優しく(独特の唸り声はところどころ健在ですが、
本作でのそれはひどくピュアに聴こえる)、
長い旅の先でようやく温かい大地に根を下ろしたタンポポのよう。
ああぁ語彙力。
つまりこのアルバムに余計な能書きは不要なのよ。とにかく一度聴いてみて!
特にそこの貞ちゃんちょっと耳お貸し(そのままイヤホンをねじ込む)!て感じ。
だから語彙力…

挫折を味わい、己のどん底を見、荒廃した世界を一度知った人は、実はそれと
同じくらい強い力を心に秘めるチャンスを同時に得るのだと思います。
ただ堕ちて終わるのは簡単だけれど、その力の使い道を自分で選び、
自分を縛る鎖を自ら手放した瞬間…本当の純粋な心が現れる。
苦しい闘病生活を乗り越えたキースからの、魂(音楽)のメッセージ。
泥の中からまっすぐに咲く大輪の蓮のように力強く優しい音色に、
ぜひあなたの心を解放して耳を傾けてみてください。

2019.11.23

米沢のいい所あれこれ 【第29回:「おしどりミルクケーキ」他】

こんにちは。
年賀状そろそろ刷らなきゃいけない若女将です。

20日水曜日、とうとう白布温泉は雪景色に変わりました。
まぁ一度は溶けるとは思いますが。
さらに凍てつくような景色をこれから半年近くは拝み倒すのよ。レディゴー!

閑散期に入り、商売的には悩ましいながらも漸く自分の時間を持つゆとりが
出てきました。
というわけでこの間の休日、さっそく作ったのがいつものアップルパイ…





冷凍パイシートをまんまと買い忘れたので、思い切って生地から手作り。
食塩不使用バターを常備していて大正解!
出来上がるまでに時間はかかりましたが、スローペースならではの
達成感に満たされました(笑)
もうすぐクリスマスだし、今度はミンスミートパイに挑戦してみるかなぁ…。



さて今回は、
私の子供時代の思い出が詰まった山形のロングセラー銘菓のご紹介です。
米沢いい所あれこれシリーズ第29回。
タイトルは「まほろばのスウィートメモリー」(笑)



皆さん、このお菓子↑を見たことはありますか?
まず右が「おしどりミルクケーキ」。
創業100年近い歴史を持つ高畠町の日本製乳株式会社のロングセラー商品です。



ケーキと名前はついていますが、
要は棒状にスライスしたウルトラソリッドな練乳バー。
食べるとパリッカリッとした食感と共に、濃厚で甘いミルク味が広がります。
私が物心ついた頃からお隣福島のスーパーにも売られていて、
遠足のお供には必ずこれを買っていました。
もともとミルクだから栄養価は高いし、糖分もあるので疲れにも効くし、
何よりも日持ちするから携帯食におススメ!(個包装なのがなお優秀)
子供時代、これを食べながら「山形・高畠ってどんなところだろう…」と
思いをはせたものでした。
まさかそのン十年後、目と鼻の隣町(といっても最南端の山奥だが…)に
住む羽目になろうとは。

ミルクケーキは西屋近所のかもしか屋さんでも常時手に入ります。
忙しくて麓への買い物もままならなかった10月は糖分補給を兼ねて
しょっちゅうお世話になりました。
近年は商品開発が進んで、コーヒーやイチゴなどのフレーバーものや、
話題のシールド乳酸菌入りタイプのものも販売されています。
が、私はやっぱりオーソドックスなプレーン味が一番好きです。
米沢市内のではギフト用に各種フレーバーがセットになったミルクケーキが
販売されています。遠方からお越しの皆様、お土産におひとついかが?



続きましてご案内するのは高級和菓子
(そしてこちらもかなり日持ちする)のし梅でございます↓



同じくかもしか屋さんで常時手に入る玉屋総本店(山形市)ののし梅。
このパッケージも私の子供時代から変わりません。





↑そして同じく玉屋総本店の姉妹商品「のし山ぶどう」。
希少なヤマブドウを使用した美しいアメジスト色の和菓子!
(娘が持っているので大きめに見えますが、のし梅の4/5くらいの大きさです)

のし梅ものし山ぶどうも一枚一枚丁寧に竹皮に伸されています。
竹皮を開けると、美しいべっ甲色をしたのし梅が姿を現します。
写真なくてすみません。
梅の味と香りがしっかり感じられ、心を清らかにしてくれる高貴なお味。
寒天ベースなので食感は少し硬めのゼリーに近いかも。
かつて山形藩のお医者さんだった人が長崎で梅を使った中国伝来の
薬の製造法を教わり、それを地元に持ち帰ったのが原型だとか。
山形では、古くから紅花を加工して染料の紅を抽出するために酸が
必要で、さかんに梅が栽培されていたそうです。
紅花にのし梅、まさに副産物大活躍の巻。
値段はいずれも5枚入りで500~600円と結構お高めですが、
何かの機会で子供時代に2~3回口にしたことがあり、
あまりの美味しさに鮮烈な記憶として残っていました。

のし梅はオンライン通販でも扱っていて、贈り物にも最適!
個人的な感想ですが、特に女性、月のものやつわりで酸っぱいものが
食べたい時などにおススメしたい逸品です。
一方ののし山ぶどうはネット販売もほとんどない模様。
イッツ・レア☆
山ぶどうの甘酸っぱい味がぎゅっと濃縮されています。こちらもおすすめです。
どちらもかもしか屋さんで売っています!!



さぁて~今夜のおかず(一枚)何かな~?
今回は「思い出」つながりでこちらの一枚。

"Out of Noise"

坂本龍一(2009)

(サムネイル↑をクリックすると、Youtubeで3曲
ダイジェスト視聴できます)

ご存じ坂本龍一氏のわりと近年のオリジナルアルバム。
さまざまな音をサンプリングし、自然現象や各地の事物から
インスピレーションを得た音楽で、北極圏で収録した氷の音、
犬ぞりの犬たちの鳴き声、雅楽器の笙(しょう)の音、
そして坂本氏本人が奏でるピアノが不思議な世界を作り出しています。
最初と最後のトラックがスティーブ・ライヒっぽいのも面白い。
右脳というか海馬を意識してぜひ聴きたい(?)。
「現代の騒音」を忘れられるような気がします。
hibariやstill life、tama、nostalgia…挙げたらキリがありません
どの曲もイイね!中でも、コトリンゴが作曲したオリジナルを2台分の
ピアノでアレンジしたto stanfordは少し異色ですが、これがまた沁みる名曲。
原曲と違って歌詞がない分、ぼんやり濁っていくような様な美しい和音の
重なりが、徐々に移り行く季節、遠ざかってゆく大切な記憶を
今一度思い出させるような、なんともいえない余韻が残ります。

山形土産と一緒にどうぞ…♪

2019.08.26

米沢のいい所あれこれ 【第26回:カフェ蓮桜(れんおう)】


こんにちは。
先週、不覚にも風邪でKOダウンしていた若女将です。

最後に熱を出したの、いつだったっけ?多分ブランク5年以上。
これまでの間、家族がインフルエンザで次々倒れようが
息子がマイコプラズマ肺炎で入院しようが、ネジ野郎バリバリ元気で
走り続けてこれたのに…不覚!!
最初は「やっちまった!が所詮はただの風邪だぐはは気合で治してやる(爆)」
つもりでした。ところが発症して3日経っても熱が下がらないどころか、
体温計が示したまさかの「39.8度」。初めて焦りました。

そうか、今年の夏は猛暑が直接身体に憑りつくタイプだったのか!!
(んなわけないだろ(笑))

話には聞いていましたが夏風邪は本当に曲者です。
いつもの“動いて治す”根性論が全く通用しません。
おとなしく医者に行き、処方された薬でよしんば熱が下がっても、
身体の中で何かが重力崩壊するごとくどんどん体力が奪われ続けていきます。
ひどい寝汗はかくし、しまいには浮腫みまできれいさっぱり干からびて、
それはもう干し芋のような貧弱な姿になりました(苦笑)

真夏日は脱したようですが、気温や天気が変わりやすく油断はできません。
皆さんもどうかご自愛ください。



さて、前回・前々回と連続で地獄のような音シリーズが続きましたので、
今日は癒し255%の素敵なカフェと音楽をご紹介しましょう。

米沢のいい所あれこれ第26回、上杉神社のお堀のすぐ近くにある、
カフェ蓮桜(れんおう)さんのご紹介です。



蓮桜さんはお堀の北側、米沢牛紀伊国屋さんから上杉神社駐車場へ
入った道を右に曲がった曲がり角にあります。
隣にはカイロプラクティックの施術室があって、お姉さんがカフェを、
妹さんがカイロ整体を営んでいらっしゃいます。
実は私、カイロ整体には長いことお世話になっておりまして、
整体の後にカフェにお邪魔するというなんとも贅沢なコースが、
ひそかな楽しみとなりつつあります。



お店の中はこぢんまりとしていながら開放感があり、
ユニークなテーブルや椅子の配置がリラックスした雰囲気を醸しています。





カフェのオーナーさんはアロマセラピーもされているので、
店内ではハイクオリティなアロマオイルやヒーリンググッズ、



ステキな服や雑貨なども売られていて、眺めているだけでも飽きません。

さぁいよいよメニューのご紹介よ。

私が好きなメニューは各種ハーブティー



こちら↑はフルーツガーデン
名前の通り、色とりどりのフルーツを思わせる華やかな香りが最後まで続き、
これ一つで優雅なひと時が楽しめます。



一方こちら↑はメディテーション…と、これまた大好きなスコーンのセット。
フルーツガーデンと色身はそっくりですが、メディテーション(=瞑想)には
ローズヒップ系の甘酸っぱい風味と共に、気持ちを落ち着かせる
カモミールが配合されています。香りに誘われるまま飲むうちに、
張り詰めた気持ちや落ち込んだ心がふわ~っとほぐれていくのがよく分かります。
ストレスの多い現代社会人にもぜひ試してもらいたいお茶です。
そしてスコーン!!
プレーン・紅茶・チーズの各フレーバーで、右から順にメープルバター・
自家製桃ジャム・クロテッドクリーム(※)が添えられています。
フレーバーの組み合わせは自由。プチサイズですが、もうこれが
たまらなく美味しいいい。こちらも大変おススメです!

※スコーンの本場:イギリスでのティータイムには欠かせないといわれている、
高脂肪乳を煮詰めて作ったクリーム。

今年の夏休み初日には子供たちにもリラックス気分を味わってもらおうと、
ちょっと背伸びカフェで蓮桜さんに連れてきました。

子供たちがこぞってオーダーしたのは厚切りトースト
以前このコラムでご紹介したことのある「愛とパン」の手作り食パンを
贅沢に厚切りし、カリッモチッの絶妙な食感にトーストした大満足プレート。



↑写真を撮る前に息子がうっかりバターを塗ってしまったので、
実に臨場感あふれるポートレートになってしまいました(爆)



こちらは夏にアイスで飲むのがひたすら美味しい、爽やかなはちみつゆず。
ステキな陶器の割り水までついて、のんびり味わえるのがうれしい。




そしてこちらは本格的な生クリームがどっしり乗った魅惑のチョコドリンク
トッピングの生クリームはアイスかと見違えるほどソリッドながら、
風味がギュッと詰まっていて本当に絶品(どうやって作ったの?!!)。
来店のたびにこれを注文する!というリピーターさんも多いとか。

どれも飲みごたえ食べごたえ抜群のサイズですよ。



さらに素晴らしいのは窓辺からのロケーション。
お店のあるお堀端は、季節になると一面のスイレンが美しく咲きそろいます。
7月後半~8月いっぱいくらいまでが丁度見頃です。
エメラルドグリーンの茂みから高貴に咲くスイレンを眺めながらの
ティータイムは極上の癒しです。上杉神社を散策した後にもGood!
ぜひ皆さんも一度いらして下さい~。


【珈琲・甘味 Cafe蓮桜】公式サイトはこちら
〒992-0052 山形県米沢市丸の内1-7-30 
電話 0238-24-8887
営業時間 10:00-19:00
駐車場 お店の前に数台分のスペースがありますが、上杉神社の駐車場も利用可。 
定休日 火曜日

※ 

さて、天国タイムその2。今日ご紹介するのは、
イタリアのピアニスト、ルドヴィゴ・エイナウディの名曲です。

1."Una mattina"

Ludovico Einaudi(2007)

現在イタリアの音楽大使も務めている、ピアニストにして名作曲家の
ルドヴィゴ・エイナウディ。映画のワンシーンを思わせるような情緒的な
旋律が印象的で、徐々に表情を変えながら心穏やかに奏でられるクラシカルな
ミニマルミュージックはまさに癒し。
そんなルドヴィゴ氏の代表作の一つがこのアルバムです。
特にNuvole bianche(邦訳:白い雲)がいい!
数年前にTSO Photography(公式サイト…Facebook)というノルウェーの
アーティストが“The Mountain"というタイトルのタイムプラス映像を発表しました。
そのBGMに採用されたのがこのNuvole bianche。これがもう鮮烈な美しさで、
以来すっかりルドヴィゴ氏の魅力にはまってしまいました。



(↑サムネイルをクリックするとvimeo公式サイトで"The Mountain"が視聴できます)

銀河を見つめながら、ゆっくり地球が自転しているのがよく分かります。
日頃のちっぽけな悩みなどたちまち消え去っていくような、雄大な時の流れ。
何気ない日常を音に表現したアルバムだけあって、どの曲もリラックスして
楽しむことができます。

2."Ludovico Einaudi Portrait"

Angele Dubeau & La PIETA (2015)

カナダ・モントリオール出身のバイオリニスト:アンジェル・ダオーと
オール女性の弦楽奏者グループ:ラ・ピエタによる、ルドヴィゴ・エイナウディの
ストリングアレンジアルバム。ルドヴィゴ氏の往年の名曲をチョイスしていますが、
どれも良アレンジ。特にI giorni(邦題:「光、溢れる日々」が素晴らしい。
深い悲しみも解けるように癒されていく…そんな光あふれる優しいピアノソロを、
これまた見事にストリングバージョンに昇華しています。
初めて聴いたのはアンジェル・ダオーのライブ版でしたが、かなり感動しました。

Youtubeで聴く"I giorni" by Angele Dubeauはこちら

落ち込んだりして元気がどうしても出ないとき、好きな飲み物を飲みながら
聴いてみるといいですよ。

今日はあまり能書き(?)は書きませんでした。
ぜひ皆さんも、好きな1曲を見つけてみてください。

2019.08.10

音のある生活 29「元祖コズミックホラー」


こんにちは。濱田マリさんの声が大好きな若女将です。




かぐら「…ニャ(暑)。無理。」

毛皮100%の猫でなくとも声が裏返っちゃうほど超暑いですねぇ…今年の夏も。
その異常さは、天気予報で繰り返される「(命が)危険な暑さ」という
過激な表現すら、もはや常套句並みにスルーしてしまえるほど。
今年は冷夏になるって言ってなかったっけ天気予報?
やっぱり原因は地球温暖化なのだろうか。
だとしたら、来年以降は立秋をひと月先に設定したほうがいいカモネギ。

とまぁ、年々気候がおかしくなってきていると言われる今日この頃ですが、
じゃあ“正常な”気候は一体いつだったんだろう?…などと、
ひねくれ者の私はつい考えてしまいます。

地球の歴史を長ーい目で振り返ると、スノーボールアースやK-Pg境界など、
およそ分かっているだけでも過去5回急激な環境変化(=生物大量絶滅)が
起きていているようです(まぁ最後のそれは原因そのものが宇宙から突如
やってきた特殊なパターンですが)。その異常天候スパンも数年から
数千万年と原因(多くは特定できていない)によってさまざま。
光合成をおこなう生物が出現したことで大気中の構成が大きく変わったり、
太陽活動の影響か温室効果の弱体化で地球全体が氷におおわれる時期が
あったり、太古には現在の地球とはおよそ想像もつかない世界が
広がっていたと思われます。
いかにビフォーアフターを生き延び、幾世代にもわたって過酷な環境に
適応し続けてこられたかが、その先の進化と繁栄のカギを握って
きたわけです。

わずかな地層の変化や化石の発見から垣間見える、
驚くほど鮮やかでドラマチックな地球の歴史。興味は尽きません。




そんな地球の歴史を文学的に紐解けそうな今日の「音シリーズ」は…
こちら~

 "Nyarlathotep"

Cryo Chamber Collaboration(2016) 

(サムネイル↑をクリックすると、レーベルサイトにルーラします)

ご存じクトゥルフ神話に登場する、絶対神アザトースの分身にして使徒である
ナイアーラトテップ」の名を冠したアルバム。
クライオチェンバー(日本名:零度の間?)はアメリカのオレゴン州にホームを
構えるレーベル名で、文字通り凍り付くようなダークアンビエント(またか(笑)!)
を得意とするアーティストが多数所属しています。
サイトを覗いてみると、なんとまぁシビれるようなジャケ絵のアルバムが目白押し。
彼らが毎年合作で1枚ずつ発売しているのが、コアなファン必涎の
クトゥルフ神話シリーズ。2015年に発売された「アザトース」を筆頭に、
本作、「クトゥルフ」、「ヨグ=ソトース」、「シュブ=ニグラス」の5枚が
現在好評発売中?!
驚くべきはその曲の長さです。どれも1トラック1時間前後。
切れ目のないダークでディープなアンビエントタイムが存分に楽しめます。
アザトースは宇宙に住まう混沌の神だけあって深遠な響きがかっこいいし、
クトゥルフは海底都市ルルイエを思わせる水の滴る音、言葉にならないうめき声
のような気味の悪い音色がなんともいえないし、ちゃんとそれぞれの立場を
音で表現しています。のんびり聴き比べてみるのも一興です。長いけど。
中でもこちらの「ナイアーラトテップ」は怒涛の全トラック3時間15分。
徐々にニュアンスを変えながら心の奥へも宇宙の彼方へも無限に広がる
摩訶不思議な響きが、アザトースの分身で唯一神の意志を代弁できる
ナイアーラトテップの静かなるトリックスターぶりをばっちり醸してくれます。

(これだからマニアというやつは…(笑))

クトゥルフ神話が体系化されつつあった当時は、アインシュタインや
ハイゼンベルグによる様々な物理法則の発見が重なった時期とはいえ、
今と比べると宇宙について多くの実態が未解明のままでした。
ラブクラフト自身伝え聞くところによるとちょっと偏った思考の持ち主で、
小説の中には差別的な表現や、人外含め嫌悪する者達に対する粘着質な
敵対的恐怖心が散見されます(ある意味心の闇)。
その旧態依然なスタンスが個人的に不快で、これまで彼の小説はあまり
真面目に読んだことがありませんでした。が、最近になって我が家の本棚に
いつの間にかラブクラフト全集が並んでいたという理由から(多分義弟の
コレクション)あっさり読み始めてみたオチ。
年の功か若い頃あんなに不愉快に思えた描写もあまり気にならなくなりました。
(無関係の市民や幼い子供を人身御供にするくだりはいただけないが。)
タコやイカはともかく、時空を超越した恐ろしく無情な闇(宇宙)の世界を
「邪悪な」神の御座と捉えたセンスは地味に感動。

少し話題が巻き戻りますが、過去5回の地球生命大量絶滅事件のうち、
三葉虫はじめ史上最多の種が絶滅するきっかけとなったP-T境界
(約2億6000万年-2億5000万年前)は、その甚大な影響(恐竜が滅びる
原因になった約6500万年前の小惑星衝突よりさらに多くの種…
当時の全生物の90~95%が死滅したと言われている)に反して
他のビッグ5のいくつかと共にはっきりとした原因が分かっていない
そうです。

実はグレート・オールド・ワンの皆さんの仕業かもYO?
なんて寓意を込めて想像してみたりして。

彼らの生きた痕跡は、生物史上最大級の謎と共に地球の奥深くに去りましたが、
星は銀河の運動に従い、その寿命が尽きるまで過去と違う位置に座標を変え続けるので、
幸か不幸か暗黒時代復活の可能性はゼロ。
クトゥルフ憐れ。

はいはーい!また話が思い切り脱線してしまいました。すみません。
やめられない止まらないかっぱえ〇せん♪

Cylo Chamberの珠玉クトゥルフシリーズを聴きながら(ついでに小説も読みながら)、
あなたも是非古典ホラーで残暑を(ゾワゾワーっと)涼しく?乗り切ってみましょう(笑)

2018.11.29

音のある生活 13 「休みモード」


こんにちは。
お酒は飲めなくなったけれどラミーが美味しくて止まらない若女将です(笑)



とうとう白布温泉も銀世界になりました(11/23早朝撮影)。
これ自体は見慣れた光景とはいえ、いきなり除雪の憂き目。
冬篭りスタンバイOK?

ハイシーズンは過ぎ去りましたが、個人的には漸く自分の時間が
とれるようになってきました。嬉しいやら悲しいやら。

ふつふつと湧きあがる“あれもしたい、これもしたい”衝動。
まずは子供たちの(時々共同制作)おやつ作りをしたり、
読書を楽しんだり、有意義な時間を少しずつ確保しながら
気分をホカホカにしていきたい。



↑手始めに、夏ごろから娘に催促されていたイチゴ大福を作りました。
見た目は相変わらずアレですが、兵糧丸じゃないよ(笑)!!
(クリスマスが近づいて、漸く店頭にイチゴが並ぶようになりまして…)



↑PTAのイベントで作る予定のクレープを試作しつつ、ミルクレープに
してみたもの。写真では分かりにくいのですがとんでもなく巨大。
子供達は狂喜乱舞したものの、食べても食べても一向なくならない
まさに魔物のようなエンドレスイーツに…(苦笑)

まぁ、楽しければいいのだよ!細かいこたぁ気にするなぃ!






今日は、久しぶりそして久しぶり!大好きな音楽シリーズ復活!!
…と申し上げましたが、今後「音シリーズ」は中身をより軽い内容に
マイナーチェンジしようと思います。
というのも、私の紹介するアルバムは「どれもマニアックすぎて1枚でも
お腹一杯」というごもっともすぎるコメントを(主人から)頂きまして(汗)
余談メインで最後に「今回の1枚」ということで、(やっぱりマニアックですが)
好みのアルバムをさらりと紹介していくという方向で参りたいと思います。
1枚のアルバムだけでも語りだしたら止まらなくなってしまうタイプなので、
この方が読みやすいとも考えました。
その代わり更新の頻度は出来るだけ上げていくつもりです。
どうぞ今後ともよろしくお願いします^^

というわけで、今日の一枚は癒し系。

Christoph Berg & Henning Schmiedt "Bei" (2017)


ドイツのクリストフ・ベルグ(Pf)とへニング・シュミット(Vn)による、
即興曲を主とする二重奏アルバム。計算された旋律とはまた違う味わい深さ、
それでいて即興くさい小難しさは全くなく、温かいお茶やコーヒーを
飲みながら緩く楽しめる優しい曲ばかりです。
休日にお薦め。
※サンプルが聴けるサイトを見つけました。→こちら

2018.02.17

音のある生活 7 「まだ見ぬ心の日本巡り②」




先日、久しぶりに上杉雪灯篭まつりを見に行ってみました。
なんと11年ぶり。








武将隊の大集結、竹あかり、そして会場にずらりと並んだ出店の賑わい…!
普段こういった行事が開催される休日や祝日はまず外出できないので、
会場の撮影記録はもとよりいい家族サービスができたと思います。
(子供たちはバギー乗車体験で大はしゃぎ。)





さて、今回のコラムは「まだ見ぬ心の日本巡り②」ということで、
前々回の続きとなります。

幻想的な雪景色、あたたかい昼下がり、息をのむような美しい夜空…
四季折々変化に富んだ日本の自然風景とそこに暮らす人々の思い…
なぜか心が満たされる瞬間、ありますよね。
音楽という心の目を通して世の中を覗いてみると、日常の中に違う世界が
垣間見えたりします。そんな素敵な音楽を今日もご紹介していきたいと思います。

1.haruka nakamura「Twilight」


haruka nakamura"Twilight"(2010)…リンクは彼のHPのbiography

2010青森出身の作曲家:Haruka Nakamuraさんの1枚。
自身の故郷を描いたアルバム3部作のひとつ。
作風はどこか甘酸っぱく、ノスタルジックな雰囲気。
のどかな田舎の風景を切り取ったかのようなゆったりとした調べは
とても親しみやすく、大好きな一枚です。
Twilightでとりわけ好きなのは「夕べの祈り」と「ベランダにて」
「音楽のある風景」。1曲目「夕べの祈り」では、サックスが
船の汽笛を思わせる音をどこか寂しくも温かく響かせています。
このアルバムを聴いていると、夕闇せまる海辺の小さな街
(都会ではないどこか)をドライブしているような気分になります。
ぽつんぽつんと家々からもれる灯りをふと眺め、
「この家に住んでいるのはどんな人かな、今頃は家族で夕餉を囲んでいるのかな…」
なんて思い浮かべてみたり。

前回のコラムでもお話ししましたが、独身の頃の私は一人旅が大好きで、
暇さえあればあちこち車や電車で出かけておりました。
それも宿泊せず日帰りコースばかりだったので、帰りがけはいつも夕暮れ。
帰りの道すがらの何とも言えない寂しさと家に帰る安心感、
知らない町や家々の前を通り過ぎながら、なぜか人恋しくなった複雑な思いが蘇ります。
今となっては一人旅の機会はほぼありませんが、
場所や人や時代を問わず、“還りたくなる”瞬間が心のどこかにいつもあると、
時々気付かされます。

話が脱線しました。
最近は坂本美雨さんとの共演も多いnakamuraさん。
ふと自分を振り返りたくなった時、オススメのアルバムです。


2.巨勢典子「季節風」


巨勢典子"季節風"(2017)

20年以上の活動歴を誇るベテラン音楽家兼ピアニスト:
巨勢典子さんの新しいアルバム。
haruka nakamura氏のアルバムが夕暮れなら、彼女のこのアルバムは
ひたすら明るく透き通るような青空イメージです。
全曲ピアノソロで、そよ風のように優しい旋律が耳に心地いい。
さらに素晴らしいのは各曲のタイトル。「日々是好日」「特別ないちにち」
「この思い風に乗せて」…タイトルを読むだけで沈んだ気持ちも明るくなれそうです。
手紙を書いたり好きな本を読んだりしている時のBGMにもいいですよ。

巨勢さんは他にも複数アルバムをリリースしていますが、
「この道の向こうに」はソロやアンサンブルの瑞々しい旋律
(とか言いながら初見時ジャケットの林がなぜか緑生い茂った小河墓遺跡に見えた私)、
「I miss you」はコロコロとしたオルゴールのようなピアノ音の優しい曲がメインで、
どれも心癒されるアルバムです。

落ち込んだ時、ぜひ彼女のアルバムを聴いてみて下さい。

小河墓遺跡…“楼蘭の美女”と言われる約3800年前のミイラが発見された
新疆ウイグル自治区の共同墓地跡。
NHKスペシャル「シルクロード」(最近のほう)でも紹介されました。

↑「この道の向こうに」
↓小河墓遺跡(拾い画)


実際並べてみるとまるで似てない上
お互いかすりもしないジャンル(しかも墓標は枯れた木材)なのに
何故空目してしまうのかは謎。


3.久石 譲「銀河鉄道の夜」


久石譲"銀河鉄道の夜"(1996)

言わずと知れた日本の作曲界の大御所、久石譲さんのコンセプトアルバム。
高校生に入って最初に貰ったお小遣いで買ったので、
初めて聴いたときの感動を今でもよく覚えています。
満天の夜空を見上げながら思わず深呼吸したくなるメインタイトル、
冬の夜を思わせる北十字などなど、さすが情景描写が秀逸。
曲のどこかで聴き覚えのあるニュアンスが入るのは久石さんならではです。
原作や原作の絵本を片手に、一緒にジョバンニとイーハトーブ
(岩手県各地に残る賢治の原風景!!)を旅したくなります。



番外.細野晴臣「銀河鉄道の夜~Nocto de la Garaksia Fervojo」


細野晴臣"NOCTO DE LA GARAKSIA FERVOJO"(1996)

1985年に製作されたアニメーション映画「銀河鉄道の夜」のサントラ版。
同タイトルの映像作品の金字塔ともいえる名作です。
ジョルジョ・デ・キリコやマーティン・レーマンの絵本を思わせる
異空間的な美術背景のインパクトもさることながら、細野晴臣さんが
「産みの苦しみ」を覚えつつ生み出した幻想的な音楽は、
未完だった原作を見事に広大無限な世界へ昇華させ、
30年以上たった今も色褪せない鮮やかさを保ち続けています。
アマゾンのレビューの高さも驚異的。
久石版銀河鉄道の夜と全くタイプが異なるアルバムですが、聴きごたえは十分です。

日本巡りというより、文字通り宇宙巡りといった感じ。こちらも超オススメ。


いかがでしたか。
次回はいい所あれこれシリーズの続き(あれ、何回目だっけ!??)です。

2018.01.28

音のある生活 6 「まだ見ぬ心の日本巡り①」




寒さと雪の往復ダブルビンタが止まらない今年の冬模様。
なぜかここ数日は白布温泉のある山の上の方が天候が穏やかで、
市内は吹雪いているのに山では時折朧月が拝めたりしています。
寒さはいずれもハンパないですが。

…皆さん生きてますか(爆)?



さてさて今日は、音のある生活シリーズ6回目です。
普段アンビエントやら洋楽やらクラシックやら聴くことが多く、
国内アーティストに殆どレパートリーがない(特にJ-POPは最も縁遠い)私ですが、
今回は「まだ見ぬ心の日本巡り」と題しまして(語彙力…)、
日常をふと忘れ、ここではないどこかに思いを馳せたい時、
眠る前のひととき、あるいはティータイムにリラックスしながら…
思い思いの「ほっ…」とした時間の中で、気軽に親しめる
日本人アーティストの癒し系推しアルバムをいくつかご紹介したいと思います。

殆どがインストメインです。

1.小瀬村晶「In The Dark Woods」


Akira Kosemura - "In The Dark Woods"(2017)

映画や舞台の音楽も数多く手掛ける若手音楽家・ピアニストである
小瀬村晶(こせむらあきら)さんの最新アルバム。
タイトルのイメージをそのまま視覚化したようなジャケットが既にツボ。

時折、胎教のようにぽわんと不思議なエコーを響かせるピアノや
弦楽器電子音が印象的です。「内省的で静謐な感覚を大切にした」という
作曲者の思いの通り、全曲にわたり、まるで深い森の中を霧がゆっくり
漂うような暗くやさしい旋律が描かれています。



春先や梅雨の季節の白布の森が思わず思い浮かびます↑。
山や森と縁が深い私にとって、
心の故郷を想起するようなお気に入りのアルバムです。

ちなみに小瀬村さんは海外でも非常に評価が高いそうです。
むしろ国外の方が知名度高いかもしれません。
国内では、auの三太郎CM(金太郎こと金ちゃんと小熊の対話シーンが
キュートだった「もうひとつの鬼退治篇」や、スクエニのゲームシリーズの
アレンジアルバム「Cill SQ」でFFVの「親愛なる友へ」のアレンジ楽曲などなど
(ちょっと待ってまだこのアルバム持ってない(汗))。
Apple Musicでも何枚かオリジナルアルバムを聴けますので、気になった方はぜひ。


2.伊藤ゴロー「GLASHAUS」


Goro Ito "GLASHAUS"(2012)

“コードの魔術師”の異名を持つ、
作曲家・編曲家・ギタリストの伊藤ゴローさんのアルバム。2012年リリース。
親交のある坂本龍一さんが「浪漫的かつ抒情的な、真の無国籍音楽」と
評したように、開放的な安らぎに満ちた曲群が満載。
例えるなら、どこか遠い海辺の町の小さな喫茶店で窓の外を舞うカモメを
見ながら異国情緒にひたるような…時を超えた世界を連想させる素敵なアルバムです。

ボサノヴァにも非常に造形が深く、彼のやわらかなギターの音色に
引き込まれること請け合い。特に私が好きなのはNovemberとWings。
Novemberはピアノと弦楽器が加わり、Wingsはチェロとギターの二重奏です。
いずれも優しく、そしてどこかさびしげなアンサンブルで、
乾いた心も潤うような気持ちになれます。

ちなみに伊藤ゴローさんは原田知世さんとのコラボレーションも多く、
彼女のツアーに参加もしています。ファンの方は馴染みが深いはず。

大人のひと休みにオススメです。


3.当真伊都子「When The World Will Mix Well」


Itoko Toma "When the World will mix well"(2017)

わーい、やっと彼女のアルバムを紹介することができた~…。

岡山県出身のピアニスト、当真伊都子さんの2ndアルバム。
本日ご紹介するアルバムの中で唯一歌が入っています(全て英語)。
Apple Music上のジャンルはJ-POPにカテゴライズされています。
限りなくプライベートな環境で収録をしたそうで歌の合間に
多少ブレス音が入っていますが、それだけリラックスしているという証。
優しさに満ちた珠玉のピアノソロが本当に耳に心地よく、
去年Apple Musicで偶然2曲目のShorebirdを見つけ、
聴いた途端にファンになってしまいました。

本作は全体にわたり当真さんの身近な景色である「海」がテーマになっていて、
実は1でご紹介した小瀬村晶さん↑もプロデュースに関わっています。
3曲目のFantasiaでは彼が実際ストリングアレンジに加わっています。
きらきら輝く海、夕刻の凪いだ岸辺、海鳥が優しく波と戯れる様子…
さまざまな情景が浮かんできて、聴いていて飽きません。

私はかつて海辺に住んだことがなく(一番近くて東京…海辺??)、
今は山奥ですので海辺の思い出は殆どないのですが、
学生時代なぜかよく江の島を訪れていました。しかも殆ど一人で(笑)

七里ヶ浜の車通り、見るも珍しいお土産屋さん、はるか遠くに見える富士山、
そして江の島の隠れ里のような神社の数々…
海というと必ず思い浮かべるのが江の島だったりします。
当真さんのアルバムを聴いてなぜかひどく懐かしく感じるのは、
その時の記憶がかすかによみがえるからなのかもしれません。

ああ、またいつか江の島を訪れてみたい。。。



いかがでしたか?今回ご紹介したお三方ですが、
上記のアルバムの他にもたくさん素敵な曲を発信していますので、
機会があったらぜひ触れてみて下さいね。

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