Dr.スランプ女将ちゃん(?)-後編その1
♪お花をあげましょ桃の花~…
ま だ 咲 い て な い !!!!!!
※
前回は実に歯切れの悪いマッチポンプ(?)で
話をぶった切ってしまいました(いつもの)。
挙句「今自分に何ができるのかよーく考える!」
なんて強がっちゃったりして。
そうカンタンに出る結論でもあるまいに。
焦るだけで、結局無力感にのた打ち回っていました。
特に頭を抱えたのが、このコラム改めエッセーの取り扱いです。
今までの”向かうところ敵なし(笑)”モードが何だったのかと
自分でもツッコみたくなるくらい、突然その先が書けなくなりました。
正しくは、どんな気持ちで書いていたのか思い出せなくなってしまった。
読む側のことを何も考えず、あまりに自己満足だけであれこれ
書いて終わりにしていたことに、今更気づいてしまったから。
それを認識したとたん、襲い来る恥ずかしさと自己嫌悪のあまり
「あ、いかん、もう書けない」状態に陥ってしまったのでした。
だから自戒を込めて、アラフォー・スランプ・アラレちゃん。
本当に何やってたんでしょうねぇ…。
もちろん、
このまま中途半端に燻ぶっているわけにはいきません。
だいたい一人で何でも勝手に結論を出そうと思い詰めちゃうから、
こんな風に行き詰ってしまうんだ。うー、私のダメなところです。
そうだ、こういう時は素直に識者を頼ろう。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥というではないか。
…というわけで、少しずつ気を取り直しながら、苦手だった
その筋の様々な本を手に取り、さらに自信を取り戻すべく外部の
アドバイザーにも教えを乞うようになりました。
今は次へステップアップするための階段の際に立っているんだ。
必ずいい方向に行く、大丈夫だ。とりあえずヘンな拘りは捨てろ。
そうやって徐々に気持ちを鎮めることで、ようやく
「井の中の蛙」から復活の途上に戻ってきつつあります(←今ココ)。
結論からお伝えします。
一度は自信喪失で「もう書くのやめちゃおうか…」と
半ば本気でぶん投げそうになったこのエッセーコーナー。
以前のノリはそのままに(!)、
しかし今後は新たな目標を胸に掲げ、
心を込めて書き続けていくことにしました。
以下はほぼ備忘録的な話題になってしまいますが、
ここに至るまで一体私が何をしていたのか
(どこに逝って帰ってきたのか))、
詳らかに書き留めておきたいと思います。
あんまりこの手段はとりたくなかったのですが、長くなりそうなので
2回に分けました。
もう二度と迷わないために、
このページに書き溜めてきたものを切り捨てず、
私らしく、"西屋らしく"、今後に活かしていくために。
1."今どういう状況?"スランプの本当の原因
自分に自信をなくして、ついネガティブになること。
状況や程度は人それぞれですが、誰しも経験あると思います。
今回の私は、自分史上近年稀に見る急降下っぷりでした。
20代の頃になりかけた、パニック障害のトラウマを思い出しました。
「私は脚つった蛙だ…このまま井戸で溺れて死んじまう」
(蛙が実際脚をつるなんてことがあるのかどうかは、この際不問でっ。)
ともかくこういう時、どうすればいいのか?
ひとつ、その抱えている不安や悩みを文字にすること。思いつくまま
直接紙に書いて、そこから本当の原因を明らかにする、という方法があります。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」って孔子も説いているしね。
不安の内容や背景には個人差があるので、
この方法は決してオールラウンダーではありませんが、
今回はこれを試してみました。
で、書き出して整理してみたのが以下の4つ。
①世の中の未来が見えない、不安なニュースだらけで、
このまま商売を続けていけるか自信がない(頑張れる自信がない)
②自分の時間を上手にやりくりできないことへの焦りと苛立ち
③エッセーを何のためにやっていたのか、これから何を書いていけば
いいのか分からなくなってしまった
④(他の人と比べて)自分の力が未熟だと思い込んで、
自信が持てなくなってしまった
…あれぇ、意外と少ない。
中身より、そっちの方がちょっとびっくりでした。
あんなに心の中が不安のヘドロでいっぱいだったはずなのに。
一見スランプとは関わりがないように思えるやつもあります。
でも、掘り下げてみると、これが案外根が深く複雑に
絡み合ったものでした。
以下、一つずつ紐解いてみました。
2.世の中への漠然とした不安と、商売への憂い(①)
↑2020年5月3日。GW真っ只中なのに、自主休業期間のために
車も人もすべてが途絶えた白布温泉。まるで某SF映画のワンシーン。
2年前、突如現れた新型コロナウイルス。
このミクロの脅威は、国や業種を問わず、世の中の全てを一変させました。
人の流れが強制的に堰き止められ、観光業を取り巻く状況は一気に悪化。
あんなに順風満帆だった星〇リゾートも某シティーホテルグループも
国際的に有名だったあの超高級旅館も…
みんな揃って同じ危機に晒される事態になりました。
そして前代未聞の全国一斉自粛(休業)要請。
その後はお察し。もう怒涛の展開です。
同年7月に始まったGotoトラベルキャンペーンで、
これまでの鬱屈した状況を一気にひっくり返すように客足が復活し、
思いがけない反動に右往左往。
↓
約半年後コロナ蔓延復活。再び世の中が不穏に。
↓
Gotoトラベルが突如停止、貴重な冬の繁忙期だった年末年始が
ほぼ開店休業状態の中2021年がスタート
↓
東京オリンピック開催が迫る中、客足は一進一退。自治体の
キャンペーンを支えに、体力を徐々に削りながらなんとか営業。
↓
なんやかんや21年もどうにか無事に終わり、いよいよコロナ収束かと
思いきや、今年に入って再び感染者数が爆発増加。
↓
そして、先月から突如として勃発したロシアのウクライナ侵攻。
破壊されたウクライナの街や逃げ惑う人々の悲惨なニュースが連日
流れるたび、世界中の人が「何故、どうして」と心を痛めていると思います。
当たり前な話かもしれませんが、観光業は世の中が平和で、かつ経済が
順調に回っている状況じゃなきゃ成りたたない商売です。
しかし、世界はもとより日本の現状はご存じの通り。
一見平穏無事なようですが、少子高齢化、経済力の衰退による貧困率の
増加など、国全体で今すぐ取り組まなければ、先々に深刻な影響を及ぼす
問題をたくさん抱えています。社会的サイレント・キラーといってもいい。
国内旅行者は年々少なくなり、旅館の次世代を担う後継者や就業希望者も
減少の一途をたどっています。
だいたい温泉旅館は、人里離れた山奥や郊外など、いわゆる過疎地域で
営業しているケースが少なくない(しかも移転できない)から、
こういう人口流出の影響はもろに喰らっちまうわけです。
実際コロナ禍が蔓延るはるか以前から、観光業は既に「斜陽業界」と
言われていました。震災後の復興支援事業やオリンピックetc.で
一時的に旅行気運が高まることはあっても、長い目で見て明るい話題が
この業界を包んだことは、少なくとも私が西屋に嫁いできてから
約15年の間、一度としてありませんでした。
3.自分の時間や生き方のコントロール四苦八苦して(②)
無知の知に目覚める前に自信をなくした(④)
そんなわけで、コロナ禍が世を揺るがす以前から、
西屋も極限の人員不足に陥っていました。
辞める人はいても、代わりの人が来ない&定着しない。
一人でも欠けたらアウトの世界。その状態のままコロナワールドを
驀進していたので、私はほぼ現場に出ずっぱりでした。
自分のところでクラスターが発生してしまったらどうしようかと、
幾度眠れない夜を過ごしたか分かりません。
とにかくスタッフと家族を守ることで頭がいっぱいでした。
無論子供がいますので、家事育児も待ったなし。
(猫?奴らはお互いストレスフリーなのでノーカンで!)
かぐら「ノーカンかよ。」
世の中広いし、仕事と家事をばっちり両立できている敏腕お母ちゃんも
ゴマンといるんでしょうが、残念ながら、私は猫の手を借りられるほど
器用な人間じゃないんだわ。
そんなこんなで、我が身を振り返る間もないままもみくちゃな日々を
送っておりました。そしてコロナの影響もいよいよ忍耐の限界が近づき、
同時に閑散期らしくだんだん時間が取れるようになってきました。
嬉しいような悲しいような…
ならばせめてタメになる勉強をしようと思い、色々取り組み始めてみました。
しかし、実はここに一つの落とし穴がありました。
①への不安と焦りです。これが相当な障壁になっていたようで、
学べば学ぶほど、なぜか自分の無知や無力さ、生きる世界の狭さ、
遺された時間の限界が浮き彫りになり、次第に虚しさを感じるように
なっていました。年齢にかかわらず、素直に吸収すりゃいいのに。
「こんなことをやっていて、ちゃんと結果をだせるのだろうか」なんて。
いつの間にか、有言実行で尻を叩かないと前に進めなくなっていました。
二年前、一番の心の支えだった母を亡くしたショックも相当に堪えて
いたと我ながら思います。だから余計に、その心の洞を埋めたくて
色々詰め込もうとしていたのかも。
↑とうとう写経にまで手を出しました。ヤバい(苦笑)
結局私はこれらの不安や後ろ向きな思いを昇華できないまま、
延々とこのコーナーで垂れ流していました。
それもはっきりとではなく、そこそこ匂わせる程度に。
ここ半年ほど特に話題が迷子になりがちだったのは全てこのせいです。
「話が重いなぁ…全然魅力的じゃないなぁ…」
なんとも釈然としない気持ちがぬぐえませんでした。
今年初めに掲げた目標の中で
「まだ拙いコラムの文章力をもっと鍛える」と加えたのは、
この時点で相当行き詰まりを感じていたためでした。
あれこれ見ないフリをしていた自分の限界が一気に決壊したこと。
これが今回のスランプの原因です。
うぇー…とうとう吐露しちまった。
To be continuedだよ…