若女将コラム

日々西屋と山を駆け巡る湯守兼女将による、自由奔放すぎるコラム改めエッセーコーナーです。
人生は奇想天外に生き抜こう。趣味のことや日々思う事etc...ほぼ西屋に関係ない話題ばかり載せています。

若女将エッセー

2022年02月

2022.02.26

Dr.スランプ女将ちゃん(?)-前編


とにかく雪が止まない。

次々積もる(一晩で太腿まで埋まる量)×3日以上連続!

なんとか通り道は確保。

ちょっと止んでも気温低すぎてほぼ溶けない。

まごまごしているうちにそこら中の屋根から雪が落ちてくる。

家も通路も再び埋まる。

道路雪壁がさらに高くなって回避スペースがなくなる。

除雪が追い付かないまま、また次が降ってくる。

∞ 

…ホント、なんつー冬だ。終盤はコロナどころじゃありませんでした。




今、ものすごく悩んでいます。

そうだな…この感覚は、
今冬のエゲツない雪の降りっぷりにちょっと似ているかもしれません。
いや、もっと深刻かも…たぶん。

結論から言うと、
自分が本当は何をしたいのか、突然分からなくなってしまった
(ンンちょっと語弊があるか…ベクトルはぼんやり定まっているのだけど、
急に言語化できなくなった、という表現が正しい)のです。

そして、それに伴うスケジュール管理もそれこそ全然できていない。
要は頭の中がぐちゃぐちゃ。
本当はじっくり考えたい事、やりたいことがものすごく沢山あるのに、
それこそ閑散期なんだからいくらでも時間があるはずなのに、
何故か焦るばかりで、実行に移せてない。
日々のルーチンだけで精一杯になってしまう。
とにかくいろいろ悪循環。
焦る。悩む。そして再び足がもつれる。

いかん、なぜだ!!!!
絶ち斬らねば!!!!!







私には、三十年以上懇意にしている大切な幼馴染がいます。
彼女の名は、SNSのHNを借りて「えしぃ」ちゃん。

小学生の時に彼女が隣の学区から転校してきて、
一緒のクラスになったのが付き合いの始まりでした。
趣味も志向も似通っていた彼女とはあっという間に親友に。
お互い刺激し合いながら楽しい思い出を紡いでおりました。

ところが、えしぃちゃんは中学生2年生の時に、
突然免疫系の難病にかかりました。現在も治療法がなく、
徐々に厄介な合併症などを引き起こしていく、所謂不治の病でした。

成績も優秀で、それまで卓球の強化選手として部活動に
明け暮れていたえしぃちゃん。アンタいつ寝てんの?と
言いたくなるほど体力自慢の子でした。その将来も、
進学の夢も、普通に暮らせるはずだったその後の日々も、
病気のせいで全て書き換えられてしまいました。
突然の告知と長期入院。これから青春花開くはずだった暮らしが
一変したとあれば、普通なら身も世もなく取り乱していたところです。

でも彼女は、突然不自由な体になっても決して人前で弱音を吐いたり
嘆いたりしませんでした。あっという間にシフトチェンジ。
自分にできる範囲で精一杯学びながら、趣味だった小説書きや
イラストの腕をコツコツ磨き、いつの間に独学でウェブデザインの
知識まで身に着け…
漸く成人を過ぎた頃には、細々ながらフリーランスで仕事を持つまでに
成長していました。

一進一退の不安定な闘病生活、入退院を繰り返してきたこの三十余年。
動悸がひどくて長い間起きられないこともあったり、逆流性食道炎で
体重が激減したりしたこともありました。
さらに近年は脳梗塞を発症して、その後遺症とも戦っています。
命が危ぶまれたことも一度や二度ではなかったハズです。
それでも彼女は折れませんでした。
今では体調と相談しながら、minneでオリジナルのアクセサリーを
販売
しています(←えしぃちゃんのminneの販売サイトです)。

今にして思えば、彼女は早いうちから、自身の境界線というか
輪郭というか、自分の得意な能力やそれを発信する手段を
きちんと身に着けていて、どこまでが体力の限界なのかを
驚くほど客観的に見極めていました。
そして、そのために不要と判断したものは、未練なくばっさり
切り捨てられるだけの強さも早くから兼ね備えていたのだと思います。

そんな彼女がつい先月誕生日を迎えまして、
いつものようにささやかなお祝いを添えて彼女に贈りました。



贈ったのは、私の母の形見でもある、アクアマリンと
モルガナイトのルース↑。

まだえしぃちゃんが病気になる前の小学生だった頃、
「宝物だよ。」と、こっそり棚から取り出して彼女に
この石を見せたことがありました。
(今思えば我ながらなんてガキんちょだと小一時間ry)
ロマンチックで想像力溢れるえしぃちゃんだったから、
たぶんこういうのが好きだろうな~、くらいの気持ちで
当時の私は何気なしにその石を見せたわけです。

ところが、その時えしぃちゃんが受けたのは想像以上の
感動と衝撃だったようです。
その時の私は知りませんでしたが、デザイナーとなった
えしぃちゃんの燃えるような審美眼、宝石への強い興味関心は、
まさにこの石から始まったと言うのです。
他でもない本人が当時の心境についてそうSNSで
呟いていたのをたまたま最近見かけて、
初めてこのことを知りました。

そうか…それならこの石は彼女が持つべきだ。

そう判断するのに時間はかかりませんでした。
私の手元で箪笥の肥やしになったままいつまでも日の目を
見ないより、縁ある人の下で輝いていた方がいいと。
もちろん事前に母の墓前にも報告しました。
亡き母と知己であるえしぃちゃんにとって、もしかしたら
重い形見分けになるかもしれない。でも、えしぃちゃんの
元でならきっと石も喜ぶだろう。
出会ったあの時の感動を思い起こして、これからの創作活動の
励みにしてもらえたら嬉しい。そんな手紙を添えて、
彼女に送り届けました。
えしぃちゃんはそれはもう喜んでくれて、
後日その経緯を写真まで添えて詳しくツイートしてくれました。
自分のことのように嬉しく思うって気持ちは、
まさにこのためにある言葉だよなぁ…。

そして彼女は、お礼のメッセージの中で、私の字が達筆で
えらく驚いたと絶賛してくれました。
今まで習字に取り組んできた経緯を知る彼女です。
その努力が素晴らしいと、手放しで称えてくれました。
うん。ありがとう。あんまりひけらかすようなものでも
ないと思っていたから、評価してもらえるとすごく嬉しい。


ああぁ…でも… 違うんだ。


えしいちゃん。私は本当は努力家じゃない。
長い間努力をして、何一つ欠けることなく形にしてきたのは
私ではなく、えしぃちゃんの方なんだ。

えしぃちゃんは覚えているかな?
小学生の頃、二人とも絵や作文が大好きで交換日記みたいに
創作物をやり取りしていたことがありました。その時ぽつりと
言われた言葉が今でも記憶に残っています。

「私はさ、努力型なんだ。元々能力がないから、努力して努力して、
やっと人に褒められるレベルになれる。でも〇〇〇(私)は違う。
天才型。特別練習しなくてもすごい絵が描けるし、物語も書ける。
私はめちゃくちゃ羨ましい」


そうです。私はいわゆる器用貧乏。
ちょっとかじってみたら大概のことはそれなりにできちゃうという、
後から損するタイプです。実はこの気質のせいで、長い間何を
やっても、感動ややり甲斐を得られませんでした。
まだ小学生で、付き合い始めてそんなに年月経っていなかったのに、
えしぃちゃんは既に私の本質を見抜いていたんだね。
結局私はその後も何一つ長続きしないまま、自分を変えるような
パッションにも出会えないまま、なんとなく進学して、
なんとなく就職して、笑っちゃうくらいあっちこっちで躓いて、
気が付けば10年以上もの年月をあっさり棒に振っていました。
今更時間は巻き戻せないから後悔しても仕方ないのだが。

その間にコツコツと彼女は自分を磨き続け、
少しでも自分の力で生活しようと努力を惜しみませんでした。
自分の限界を知りつつ、病気にめげないで今も向き合っています。

健常者の私なんぞよりずっと強く、はるか先へ進んでいるえしぃちゃん。
発病後、そんな彼女が私の前で涙を見せたのは記憶の限り一度だけです。
それは、同じく重病を患うえしぃちゃんのバイト先のオーナーさんから
「しっかりしなさい」と叱咤された時でした。
えしぃちゃんもあの頃は相当悩み、打ちのめされている時期でした。
それでも、それ以外の彼女はいつ会う時だって満面の笑顔です。




あれ、・・・私は今まで何をしていた?


ここで、突然現実に引き戻されました。
朝、目が覚めた瞬間、直前まであんなにリアルに見ていた
夢の内容を、覚醒と同時に一瞬で綺麗さっぱり忘れて
しまった時のような、あまり良くない意味で頭真っ白な状態。


私は何か一つでも、本気で取り組み続けてきたものがあったか?


投げ出さずに続けられたことと言えば…湯守くらいか?
えぇ、うそー…
西屋に嫁いでそこそこの年数にはなりますが、
今私が女将という立場に今あるのは、ぶっちゃけ嫁いだ先が
たまさか旅館だったからです。聞きようによっちゃかなりの
爆弾発言になってしまいますが。決して努力の末に勝ち取った
ものではありません。
なら、えしぃちゃんが称賛してくれた習字と書道は?
確かにペン字の通信講座を含めた習字への取り組み期間は
足掛け5年以上になりますが…
これが何かを生み出す素に繋げているかと言われれば、
答えは先述の通りナシ寄りのナシ。
書道も去年から本格的に始めたばかりで、
これからギアチェンジするかって段階に過ぎません。
いずれもまだ自己満足の範囲です。

あとは…このコラム改めエセエッセーくらいか。
地味ぃ~に(やりたい放題という意味ではわりと"ド派手に")
続けてはいます。なんだかんだ言って今年で6年目だし。
でもこのエッセー、
そもそも一体誰に向けて、何を得たくて書いていたのだろう?
そもそも今までそんな心持で書いていたっけ??え??
あれ、やばい。分かんなくなってきた。

待ってくれ、本当に私は一体何がしたかったんだ??

改めていろいろ考え直していたら、
自分の立ち位置ややりたかったことが、
急に何もかんも分からなくなってきてしまいました。


…で、以下冒頭に戻ります。





ロシアのウクライナ侵攻や物価上昇やGotoの消滅etc...
ここのところハートブレイクなニュースが次々巷に溢れています。
それらが焦りに拍車をかけているのも事実です。
そりゃ自分という軸がブレにブレまくっているんだから、
外からの情報の嵐にガードが効かないのも仕方ないっちゃ仕方ない。

しかし、だからといって不安に流されている場合じゃあない。
これじゃスランプどころか絶不調。
エセエッセーも続けていけなくなっちまう。
しっかりしろ。
世話になっていた先輩も言っていたじゃないか。
「どんなに志を高く持っても、今自分が守れるのは、
その両手を広げて抱えられる範囲だけだ」って。




……よし、もういちど立ち上がろう。

とりあえず、今まで何も深いことを考えないまま、
伝えるためのもろもろ技術も、読者の皆さんのリアクションも
何もかも置き去りにしたまま、好きなだけ駄文を書き散らしていた
過去の自分はとりあえずぶん殴っとく()
ただし今は後回しだ。

このまま中途半端な自己満足で終わっちゃダメだ。
確かに私は何やってもなかなか長続きしないダメな奴だ(った)が、
何一つ持っていないわけじゃない。自信を無くすな。
ただの山奥の旅館の女将だからといって、無力だと勘違いしてはいけない。
年初の目標にも戻って、自分がやりたかった事を思い出して、
そのうえで今何ができるのか、
もう一回、よーくよーく、考えるんだ。


2022.02.12

米沢のいい所あれこれ 【第39回:「東光の酒蔵」-③】

 
続きました。なんと三部仕様。
「東光の酒蔵」!第3パート(〆)は直売店+α編です。




直売店は資料館の奥にありますが、ダイレクト入り口もあるので、
酒蔵を経ずに入店も可!
さすがは直営店。凄い品ぞろえです。




壁の一角には、賞状や盾など輝かしい受賞歴の数々も飾られています。
「天下御免」の書がかっこいー。

現在御当主を務める若旦那さんはチャレンジ精神にあふれた方です。
東光で製造するお酒のすべてを醸造アルコールに頼らない"純米酒”
とすることで国産品質にこだわり、創業当時酒造りに使われた甕を
再び用いて当時の味を再建した希少なお酒を醸したりと、
量より質で国内のみならず海外市場でも強く挑んでいます。

また県内の酒造仲間と合作でプロデュースした
「山川光男」シリーズ(全て期間限定)は、
販売のたびに好評を博しています。

ここ直営店では、現在販売中(2022年2月時点)の
「山川光男2021ふゆ~山川鶏男」(残僅か!)他、
山川光男のオリジナルグッズも販売中。





前掛けがシブい!
ゆるかわいい光男爺のLINEスタンプもありますので、
気になる人はググってみてね。
さて、そんな東光の酒蔵直営店で販売中の商品の中から
私のおススメをいくつかピックアップしたいと思います。


①東光 御用酒屋の献上酒 



上杉藩御用酒屋として、お城に酒を献上していた江戸時代の頃の味を
再現したというこちらの商品。
東光さんには公式オンラインショップがありますが、
なんとこちらのお酒は直営店でしか買えません。




今回初めて購入して飲んでみました。

おー、甘いめじゃ。でも、全然くどくありません。さらりマイルドなお味です。
これが上杉のお殿様も嗜んだお酒の味というわけですな。
限定品ゆえなお特別感が違います!


②吟醸梅酒 



(↑お店で撮るのをうっかり忘れたので、以前西屋で商品紹介用に撮影した
ものを引っ張り出しました。)

全国の主要梅酒コンテストで唯一三冠を達成したという伝説の梅酒。
麹の香りと梅酒ならではの果実味が絶妙なバランスで楽しめます。
こっくり甘いのに爽やか、日本酒っぽいけどしっかり梅の味?!?
この味を一言で例えるのはほぼ不可能です。
酒粕の風味がオッケーな人なら絶対ハマります。
私は大好きです。ロック一筋で!!
こちらはオンラインでも買えますのでぜひ飲んでみて~!


③米麹のあまざけシリーズ 



材料・品質的に元々賞味期限の管理が極めて難しい甘酒ですが、
東光もついに商品化!



そしてもう受賞している!
すごいなぁ…

テイストは「プレーン」「ベリー&ビーツ入り」
「キウイや緑色野菜etc.入り」の3種類。
プレーン以外は甘酒ベースのスムージーみたいな感じでしょうか。



今回はプレーンを買ってみました。
オーソドックスな味ですが、酒造元が作ったためか、
通常の甘酒よりもお酒風味>麹風味という感じがします。
何しろパッケージがオシャレよ。化粧品かと思うほど。
(通常冷凍で販売しています。)

今度他の2種類も試してみよう~。

他にも、上位ランクの高級酒やオリジナルのぐい呑み、お酒成分を使った
美容マスクなどなど色々販売しています(白布温泉街のかもしかやさんで
買えるものもあります)。とにかく見ていて飽きません!



おまけ。

売店の入り口には、こんな商品もありました。



「大人(R20)のガチャ」。2種類あります。



懐にやさしいハズレがないタイプと、



当たりが出ると、なんと5000円相当の純米大吟醸袋吊り(桐箱入り)が
もらえちゃう超ハイリスクハイリターンのタイプ!!
…しかし外れるとティッシュ。
スリル満点の運ゲーですが、案内して下さったスタッフさんに聞いたら、
過去本当に袋吊るしを引き当てた強運の持ち主がいたそうな。
我こそはと思う方、ぜひチャレンジを!


おまけその2。

建物内の一角には、上杉御用達の酒造元らしく、
上杉家ゆかりの文書や品々が展示されているコーナーもあります。




特に鷹山公にまつわる文物が充実しています。




貴重な直筆の書もあります。
こちらの存在は実はあまり知られていません。
有料スペースではないので、歴史好きの方や鷹山ファンの方も
気軽に足を運べますよ。

いかがでしたかー?
見どころが尽きない「東光の酒蔵」。家族連れにもおススメ!

【東光の酒蔵】
〒992-0031 山形県米沢市大町二丁目 3-22(柳町上通り) 
電話 0238-21-6601 
開館時間 (平日)9:30-16:00 
(土日祝)9:00-16:30 
定休日 1月・2月の毎週火曜日 12/31、1/1 
駐車場 道路を挟んで向かい側と、直営店入り口側に
駐車場があります。
入館料 大人350円 中学・高校生 250円 小学生 150円
※個人の場合



今日の一曲。

当シリーズ史上最大ボリュームとなった第39回目の締めくくりは
やっぱりこのコーナー。
本シリーズがどっぷり日本酒のテーマだったから、
最初はバラグーダーの「日本全国飲み音頭」あたりシャレで
載せちゃおっかな~なんてろくでもないことを考えていました(笑)

でも、建国記念日にあたる2月11日の昨日、平野歩夢選手が
ハーフパイプで見事金メダルを獲得し、表彰式に君が代が流れたこと、
Twitterで、春日大社の神職御一同が橿原神宮方面に向かい紀元祭
遥拝を催行した様子を公式アカウントがUPした情景があんまり
素晴らしかったこと、今回のシリーズでお神酒や日本神話など
深い話題に触れたこと諸々を勘案して、此方の曲に決定。


"越天楽"(近衛秀麿編曲)

沼尻竜典&東京都交響楽団(2002) 


↑Naxosのようつべ公式チャンネルにまんま近衛版
越天楽がUPされてたよ!
ご存じ越天楽のフルオーケストラバージョンです。
日本のオケ界の草分け的存在でもある「おやかた」こと
故近衛秀麿氏による編曲で、演奏は、邦人作曲家の現代
管弦楽曲演奏を得意とする東京都交響楽団。
近衛氏は皇族の祖先をもち、お兄さんは元総理大臣の
近衛文麿というサラブレット家系の出身(所謂貴族)で、
指揮者としても活躍しました。
既婚歴がありながら愛人をとっかえひっかえするなど
(しかもそれぞれ子供がいたりする)何が彼を元気に
育てたのか、かなり女遍歴が激しかったのはここだけの
話である。

スポーツの祭典で流れている「君が代(オケバージョン)」は
他でもない近衛秀麿氏の編曲です。

その彼が手掛けた越天楽は、各雅楽器の音色や雰囲気を
そのままに、見事に西洋楽器へバトンタッチさせました。
笙は弦楽器へ、
笛や篳篥は木管楽器と金管楽器へ、
楽琵琶はファゴット中心の木管低音楽器へ、
和琴はピアノへ、
太鼓は…太鼓へ(笑)。
雅楽版に比べると若干柔らかい印象ですが、
その分色っぽく(?)も聴こえます。
スコアを見たことはありませんが、篳篥パートは
聴き間違いでなければトランペットが受け持っています。
めちゃくちゃイイ。

惜しむらくは、すごくいい曲なのに収録CDが少ないこと。
マイナーなんかなぁ…

このアルバムには、他にも外山雄三や伊福部昭、
芥川也寸志といった錚々たる作曲家の楽曲も収録されています。
ナクソス様様!!


さあ皆さん。
楽しい晩酌タイム。
熱燗、冷酒、その他ビールにワイン…
おつまみにするなら何が好いですか?

日本酒なら、私は辛口の冷酒。
つまみは薬味たっぷりの冷奴マリアージュだ!




酒蔵の直売店で人気No.3の東光の「左利き」。
すっきり辛口で飲みやすい、私の好きなお酒の一つです。

2022.02.11

米沢のいい所あれこれ 【第39回:「東光の酒蔵」-②】

 

前回に引き続き、米沢のいい所あれこれシリーズ第39回
「東光の酒蔵」でお届けいたします。

前回が「古き良き時代の暮らしと酒造り(物理)」編なら、
今回は「ちょっと発見!日本人と神様とお酒の美味しい関係」
…てとこかな!?




東光の酒蔵の一角には、
沢山のお守りや絵画、お飾りと共に、
御神輿ほどのサイズの小さなお社が祀られています。

ひそかに私は、このお社こそが酒蔵の真髄だ!と確信しています。

なぜならこちらのお社。なんと、
奈良県桜井市にある、かの大神(おおみわ)神社の分社だからです。

大神神社は、因幡の白兎伝説でお馴染み、
大国主命(おおくにぬしのみこと)の四魂のうち幸魂&奇魂とも
いわれる(諸説あり?)大物主大神(おおものぬしのおおかみ)を
主神とし、それこそ神話にも登場する三輪山をご神体と仰ぐ
由緒ある神社です。
日本最古の起源をもつ大神神社では、御祭神が酒造りの神様でも
あることから毎年11月に"醸造安全祈願祭"が催行されていて、
全国から酒造関係者が参拝に訪れるのだとか。

いわば全国津々浦々の日本酒(とそれを作る関係者の皆さん)の
大事な神様ってわけです。

ほら、見かけるでしょ。「新酒ができました!」という目印として
酒造元さんの軒先に吊るされる青々とした杉玉。
時間が経つと巨大タワシみたいな色になる丸いアレ!!
杉玉は元々大神神社で作られたのが始まりなんですって。

味酒(うまさけ)※を三輪の祝(いわい)がいはふ杉
手触れし罪か君に逢ひがたき(万葉集)


味酒は三輪(山)の枕詞

この神酒(みき)は 我が神酒ならず 
倭なす大物主の醸(か)みし神酒 幾久 幾久(日本書紀)





さらに分社の傍らには、↑伊勢神宮で「白酒(しろき)」
「黒酒(くろき)」の献酒に使われているという専用の
土師器(はじき)も展示されています。

まるっきり「この間古墳から出てきました!」みたいな見た目ですが、
神話の時代から産土に鎮座する神宮や古社では、今なおこのような
昔のままの器でもって祭事を執り行い、
神様にお酒を供えているわけです。

そんな霊験あらたかな分社や神器が、今はお酒を造っているわけでは
ないこの酒蔵の中に大切に祀られているその理由!
なにげにここ、重要なポイントです。
日本人の精神性に根差した、ものすごく深い意義があると思うのです。




↑ゴメンなさい、急に場所飛びますが、これ我が家です。
以前西屋のお薬師様(写真奥)のお祭りで用意したご神饌の写真です。
真ん中の三方に清酒(一応白酒&黒酒のつもり…?)、
お洗米、水、餅が載っています。

お米は、稲作が日本に伝わった幾千年も昔から今日に至るまで
日本人にとって大切な主食です。人々は日々の安寧を願って、
ご洗米(研いだ米)と水を神饌として神様に捧げてきました。

もうお分かりですな?
米と水、どっちもお酒の原料です。



↑東光さんもお酒造りの材料としている西吾妻山麓の源流。

お米から作られたお酒やお餅が神聖なお供えになるのは
自然な流れといえます。加門七海さん著「お咒い日和」によると、
古代平城京ではお酒造りを「造酒司(みつきのつかさ)」という
専門職が担っており、その作業は神事に直結していたそうです。
海外にも、日本酒と似たものとして「ネクタール」とか「ハオマ」
とかあるようですが、これらの材料は果物だったり、現存しない
伝説の中の存在だったり、あくまでサイドポジションの域を出ません。

目に見えない麹の力で米と水が酒へと発酵していく過程に
人知を超えた自然の業を見、竈や柱、使う道具の隅々に至るまで
八百万の神様が宿っていると信じ、その深い繋がりに感謝の念を
抱く精神は、きっと日本人ならではのものでしょう。

神話と等しく長い歴史をもつ日本酒は、日本人にとってただの
嗜好品ではありません。
いつの時代も人を癒し、神様を喜ばせ、日々の平和な暮らしを
寿ぐ大切な存在でした。



ここまで散々書いといて
肝心の樽とお社のツーショット撮り損ねたよガッデム。

醸されていくお酒を見守るように鎮座する小さなお社は、
この国の人と酒との深い関係性を改めて感じさせてくれます。
伝統的なお酒造りだけでなく、「日本の心」を垣間見ることができる
東光の酒蔵。米沢に訪れる機会があったら是非足を運んでみて下さいね。


(まさかの…続く!)

2022.02.10

米沢のいい所あれこれ 【第39回:「東光の酒蔵」-①】


冒頭が斧の絵面では話題ギャップも甚だしい。。。
本日の話題である東光の酒蔵の前景写真をトップに貼りました。






うちの女将、この冬も雪下ろしでめっちゃ斧ぶん回したってよ。





これ、離れの軒先の氷。こんなんスコップで抉れるわきゃない。
毎年なんでこうなるんだ。ここぞとばかり斧でおもっくそ
ぶっ叩いて落としてやったわ、今年もガテン系担当!

※写真くらい厚い部分ならいいけど、良い子のみんなは
(斧の)尻の方でぶってね。でないと屋根貫通しちゃうから!!!

さて、大雪、寝ても覚めても大雪…
このところSNSに上るご近所の写真の多くが真っ白な
雪景色、または雪と格闘する人々の姿。
雪大好きな子供達ですら、いい加減もう飽きたらしい。
いつまで降るんだ。もう要らん。

ともあれこれだけ山々に雪が沈めば、きっと麓では、
いつかさぞかし美味しい日本酒が醸されることだろう。
なんてったって雪国のお酒は評判がいいですから。

というわけで、
今日は第39回「米沢のいい所あれこれ」シリーズ
米沢市内にある「東光の酒蔵」をご紹介します。





安土桃山時代に創業した小嶋総本店こと東光は、
山形でも指折り数える老舗酒造さんです。
西屋ともン百年のお付き合いです。
その東光さんが昭和59年に、もともと「志ら梅」という
酒造元があった場所を整備し、酒造りについて広く知って
もらうための酒造資料館として開いたのが始まりです。

機械に頼ることなく、すべての行程を人の手で支えていた時代の
お酒造りの様子を、当時実際に使用していた貴重な道具や調度と共に
詳しく解説していて、その規模は東北最大級と言われています!!!



雪の中の外観。絵になりすぎている。
ていうかこの日はヤバいくらい大雪でした…



中に入ってすぐ目を引くのは、とにかく広々とした土蔵の設え…
ではなく…あれ、古民家??!!
ここ酒蔵だよね??

※正面の入り口は現在週末のみ明けており、
平日は売店側の方から入るようになっています。
今回は正面から順番にご紹介します。



酒蔵は酒蔵なんですが、じつはこちら。
面白いことに、帳場やお勝手が工房(って言っていいのか?)の一角に
鎮座しています。資料館ならではのドッキング仕様かと思いきや、
職人さんたちの仕事がちゃんと見えるようにするためのれっきとした
構造なんだそう。



働く人にしてみたら、四六時中家主さんの目が光っててえらいこっちゃ
でしょうが、生活と仕事場が渾然一体となった昔の建屋の造りは、
西屋の雰囲気も相俟ってとても親近感が持てます。
酒田市の本間家旧本邸(←今度紹介するね!)に行った時も思ったけど、
こういう場所は本当に落ち着くわ~。
いっそここ住みたい(笑)。時代ものの撮影OKなら、レイヤーさん
大喜びするんじゃないかな。



こちら香時計。
香を焚いて、上部のマス目のどこに火が進んだかで時間を確かめるための
オツな時計。お酒も人もゆったりとした時間を過ごしていた時代が
ありありと偲ばれます。



居住区の奥には、創業の頃お酒を仕込むために実際使っていた
甕が展示されています。
木製の五尺樽に比べたらなんとも慎ましいサイズですが、
それだけ当時はお酒が希少な高級品だったということかな?

さて奥に進もう。



こちら明治中期のお台所。
当時の調度が忠実に再現されています。
ここで、家人や職人さんたちのおまかないが作られていたわけです。
いいね。






蝶屋敷のアヲイちゃん(鬼滅の刃)もきっとこんな感じの場所で
炊事していたんだろうなぁ。

さて、奥に進むと、いよいよお酒の製造工程のコーナーです。



↑全過程一覧。



精米機。中野式と書いてあります。



↑水!!大事!!!
吾妻山系の伏流水が実際酒蔵の中に流れており、
スタッフさんに声掛けをすると試飲することが可能です。



巨大すぎる炊飯用の甑(こしき)。
これ、ゴハンかき混ぜるだけでも相当重労働だったと思う!



こちら室(むろ)。麹がここでできるわけです。ふむふむ。



蒸したお米はこれらの道具を使って運んだり冷ましたりならしたり。
沢山の人の手に触れて、長いこと大切に使われたのでしょう。



これが麹と酛(もと)をこき交ぜて入れる醪の容器。
梯子と比較してみて。ほんとデカいから。
ここから発酵熟成するまでしばしお待ちくださいの世界。

そして、最終的にこれを絞って酒粕とお酒になるわけです。



↑これもなかなかパワーが要る作業だったんじゃないかな。
さすが本業、どれもこれもスケールが違い過ぎる。

傍らには、天皇皇后両陛下が見学されたときの写真が飾られていました。
この酒蔵は、かつて高級化粧品のCMのロケ地にもなったことがあります。
館内にその時のメイキング映像がありますので、興味のある方はぜひ
ご覧になってみて下さいね。



館内のあちこちでは、貴重な昔の酒器はじめ、お酒にまつわる古い小道具も
たくさん展示されています。こちら↑は指樽(さしたる)といって、
祝言のときここにお酒を詰めて相手の家に贈るための容器です。
旧家の必須アイテム。
貰って嬉しい、飲んで美味しい。何よりの贈り物だったに違いありません。
こういう家だから、きっと従業員も一緒に宴にはまったのではなかろうか。




当主も家族もその従業員も、同じ屋根の下で同じ時を過ごし、
自然の恵みと人の力を合わせてお酒が醸されていくのをじっくり待つ、
この古き良き時間。今もその速さは変わらないはずなのに、
この飴色の空間に身を置いているだけで、平和な異次元というか、
忘れていた幸せな時代にタイムスリップできるような気がしてきます。

(続く。)

2022.02.02

米沢のいい所あれこれ 【第38回:「旬!朝日町ワイン&出羽桜酒造のリキュール」】




晴れて初伝の免状を頂いた息子が今年一発目に活けた花。
良い良い。まだまだ先は長いのだから、気長に心を磨いていっておくれ。
この経験はいつか必ずどこかで花開くだろう。母は生温かく見守るぞ。

さて二月に入りました。
米沢もとうとう蔓延防止重点措置の対象地域になり、
冬季随一のイベントだった上杉雪灯篭まつりは中止になったでよ。
なんと2年連続の中止。まぁ不可抗力。仕方あるまい。
風邪その他インフルエンザだって大概冬になると
元気になっちまうんだからね。

冬はまだまだ続くし、どのみち旅館は半休業状態。
これ以上体がナマって抵抗力が落ちないように、
除せt…筋トレしながらピークアウトを待つわいな。

え?一応トレやってるよ!年初で目標に挙げちゃったし!
お、アナタもヤッてみる?
じゃあおススメの筋トレ動画を紹介ちゃおうかな。
これ。



Marina Takewakiさんの50分ワークアウト。
結構、いやかなりハード。
ちょっと慣れてきても、最初にうっかり飛ばすと
後半のスクワット(32:00あたり)で文字通り地獄を見ます。
でも大丈夫!半月も耐えればあら不思議。カーボンファイバー
みたいな尻や太腿がちゃんと育ってくるから(笑)



ハッ、またやっちまった!
本編前のボリュームばっかでかくなりすぎる安定仕様!!

さて今回は、ネットでもお取り寄せ可能!
白布温泉のかもしかやさんが今イチオシする、
旬の山形名酒を2品ご紹介しましょう。
米沢のいい所あれこれ第38回!!
(以下のリンクは各製造元さんのオンラインショップサイトです。)




①朝日町ワイン リースティングフォルテ&リオン 



2021年のワンチャレンジで見事金賞に輝いた、朝日町ワインの白ワイン。
葡萄酒独特のくせや酸味が殆どなく、きりりとした辛口でさっぱりと
味わえる逸品です。

普段は赤のフルボディを好む私ですが、
これはまた爽快なまでに飲みやすい美味しさ。
日本酒が好きな人、
「ワインて要はアルコール入りぶどうジュースでしょ?!」な方、
甘いお酒はそもそもニガテという人にもおススメ。
白身魚のソテーとか、和食なら湯豆腐とか、
あんまりこってりしていないお料理に合いそうです。
キンと冷やしてどうぞ!


②出羽桜酒造 とろけるやまがた ラフランス 



日本酒コンテストで数々の受賞歴を誇る天童・出羽桜酒造
プロデュースしたフルーツリキュール。
他にも「りんご」「ぶどう」「もも」が販売中です。
現在ももが一番人気だそうですが、
今回は敢えて山形特産のラ・フランスを選びました。

まずはロックで素の味をテイスティング。
これすごい。
ラ・フランス・スゴイ・ウマイ・サケ。
ついついどこぞの"スゴイタカイビル"みたいな片言レベルに
語彙力が落ちるほど、素晴らしく果実感たっぷりです。
なにしろ口当たりがとろとろ。
まるで果肉入りジュースを飲んでいるんじゃないかと錯覚するほど。
これは売れるわけだわ。

しかしガッツリ甘口なので、ロックで飲もうものなら間違いなく
美味すぎて忽ち空にしてしまいそうです。
いろいろ試してみましたが、個人的にスローペースで楽しめて
一番おススメなのはミルク割です。
酒:ミルク=1:2くらいがちょうどいいかも。
原酒のアルコール度数は8%なので、
ほどよい飲み口のカクテルとして楽しむことができます。
食事の後のデザート感覚にもぜひいかが。

※ 

今回は本編が短かったねぇ…
中尾彬「能書きはいい、飲めばわかる(ドヤァ)」

今日の一枚!

ぽるとがる幻想

マリオネット(1995)

アルバム収録曲ではありませんが、「大分むぎ焼酎二階堂」の
CM"孤独の風"編で、お二人の曲「南蛮マンドリーノ」という
最近の曲が採用されています。静かな曲なのに、めちゃくちゃ
映像とマッチしていてインパクトがスゴイ。
なんとこちら、登場する老齢の画家さんが実際に住まう
自宅兼アトリエで撮影されたCMだそうです。
選曲といいカットといい、センス良すぎやしないか。
演奏の魅力が非常によく伝わってきますのでリンクを貼りました↓



はい、「ぽるとがる幻想」です。
日本では極めて珍しいポルトガルギターと、
マンドリン(時々マンドリュート、マンドローネ)
という古楽器デュオによるアルバム。1995年リリース。

今主人がマリオネットのお二人に激ハマりしています。
どのアルバムも完成度が高すぎるのでとりま1stアルバムをpicup。
ほぼ2人による演奏なのに、どの曲もアンサンブルの深みが半端なく、
まるでオーケストラの演奏を聴いているかのようです。
いい!いいねぇ~!!
やさしく物悲しく、異国情緒あふれる甘酸っぱい音色。
旅先の酒場でこんな素敵な生演奏を聴いたら、
郷愁にかられてさらに遠くに旅立ちたくなる(方向逆かい)。

お二人ともすごい演奏技術をお持ちなのに、
最初から最後までリラックスして聴けるのでおススメ!
お好きなお酒を手元に、じっくり耳を傾けてみてくださいませ。

・・・

最後にも一つおまけ!



同じく「大分むぎ焼酎 二階堂」のCMから。
こちらは娘がめちゃくちゃ惚れ込んだという"記憶の結晶”編。
曰く、「この昭和を思わせるノスタルジックな世界観と詩的な
言葉がたまらなく好き
」だそう。

…おまえ何歳じゃ4年生……(汗)

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