若女将コラム

日々西屋と山を駆け巡る湯守兼女将による、自由奔放すぎるコラム改めエッセーコーナーです。
人生は奇想天外に生き抜こう。趣味のことや日々思う事etc...ほぼ西屋に関係ない話題ばかり載せています。

音のある生活 44 「雅楽いいよ雅楽!」-①


※裏の桝に行く途中のお薬師様山道にて。

「……こんなところにS字結腸が()」



自然の造形はいつだって人間の想像を超えてきます。
てかこれ、どうやってできたんだ!?

大雪に異常な高温(南半球)、小惑星の接近に海底火山の大噴火…
天地が荒ぶっています。いかに叡智を磨き生物界の頂点に立とうとも、
人間はあくまでこの星の一部。死なばもろともの運命ですが、
最期は平和に彼岸へ渡りたいもの。
どうか“その日”が今今となりませんように…。





本日は前から書こうと思っていた話題です。
一応まだ生息中です。音のある生活シリーズ。
今回は「雅楽」です。ガガク!!!



(話題に見合う写真がぜーんぜんないので、白布温泉で毎年小正月に
行われるさいと焼の火柱をUPします。闇夜に舞い上がる炎や火の粉を
見ていると、故郷の神社で見た正月の篝火を思い出します。)

さてさて、雅楽と聞いて皆さん最初に何を思い浮かべますか?
神社の初詣や結婚式(神前式)のBGMで聴くアレかぁ…
そんなイメージが湧くのではないかと思います。
音楽の授業でサラリと習う、日本人なら一度は耳にしているであろう
あの曲。それが「越天楽」という大陸由来の管絃曲だとご存じの
アナタ!ワタシから拍手を贈ります!!

雅楽とその演奏楽器は、もともと約1500年ほど前に大陸から伝わってきた
舶来の音楽文化でした。それが、記紀神話の時代から日本独自に伝わって
いた歌や舞と混ざり合って平安時代にほぼ現在の形式になったのが今日
知られている「日本の雅楽」です。神社の大祭や宮中行事で定期的に
演奏されています。

え?何聴いても全部同じに聴こえる??
た、確かにね!!!
楽師や宗教関係の方、よっぽど興味ある方でなければ、越天楽以外の
演目は殆ど耳にする機会なんてないでしょうからね。



現在、日本での雅楽は、独奏・合奏そのた諸々含めて百数十曲が伝わって
いるそうです(継承が途絶えた曲は除く)。中国渡来のものを含む
有名どころだと、舞楽の蘭陵王や青海波、国風歌舞なら人長舞とか
東遊、子供が舞手をつとめる迦陵頻(かりょうびん)や胡蝶(こちょう)、
あとは巫女さんの神楽や倭舞の色々あたりかなぁ…
ていうかどれも名前しか知られてないんじゃ…
やっぱりどれもマイナーか…(汗)

一方、中国やその系統であるベトナムの“雅楽”を聴いてみると…
「え、これ違うジャンルじゃない?!」と思わず声を上げてしまうほど、
日本の雅楽と全然雰囲気が違います。
大陸の雅楽も歴史ある伝統的な宮廷音楽ではあるのですが、本家は
儒教を起点とする儀式音楽としての傾向が強く、実際の音色もなかなか
厳格な雰囲気を醸しています。



↑台北の孔子廟で2018年に催された雅楽の祭典の様子。
立奏で、太鼓奏者はどうやら廟の中にいる模様。

そもそも楽器の音が違います。

加えてベトナムの雅楽は結構なハイテンポです。



↑ベトナムの古都:フエでの雅楽演奏の様子。
現地の言葉では雅楽のことを「ニャーニャック」
と発音するらしい。あらやだ可愛い。

京劇などの流麗な舞踊でBGMとして演奏される
「ああこれまさに中国!」ってイメージを思い
浮かべてみて下さい(語彙力低!)。

めちゃくちゃ余談ですが、どっちも衣装がステキ。

上述の通り、日本の雅楽には「揺物(うたいもの)」…
つまり歌“声”を伴う独自の音楽文化が溶け込んでいます。
そのためか、大陸のそれよりはるかに表現の自由度が高く、
青天井の世界観が広がっている…と個人的には感じています。
人の思いをダイレクトに音に乗せられるのが歌の醍醐味
ですからね。
八百万の神々を奉る日本人の宗教観、
アニミズムの賜物なんでしょうなぁ。
いや知らんけど。


というわけで、今日の1枚。


「祝賀の雅楽」

伶楽舎(2001)


↑伶楽舎公式ようつべチャンネルより。
平調音取と越天楽をVR視聴!!

タイトルの通り、主に祝祭御宴や宮中行事で演奏
されていた雅楽の有名どころを集めたCD。
生涯にわたって雅楽の普及や廃絶曲の復古、
後進の指導に努めてきた故芝祐靖さん率いる
伶楽舎が演奏しています。

伶楽舎のメンバーは多くがソロで活動するほどの
実力派ばかり。芝さんご本人も代々由緒ある雅楽師
一家の出身で、かつて宮内庁式部職学部に所属し、
龍笛や琵琶を演奏していました。もちろん当CDも
聴きごたえ抜群です。

舞楽や管絃曲の他「音取(ねとり)」
「調子(ちょうし)」といわれる音合わせも聴くことが
できます。何じゃそりゃ?これらは、すぐ後に
演奏する曲(管絃などの合奏曲)の音階を各パートで
揃えるための前奏曲みたいなもんで、オーケストラの
コンサートの演奏前に舞台上で必ず行われるA音の
チューニング(オーボエをトップバッターにして、
全パートがその場で音を合わせる)とほぼ同義です。
雅楽の世界の音合わせは、西洋のチューニングと違い
単体でもちゃんと曲になっているのが特色。
各楽器のイイ感じなソロが聴けるので私は好きです。

しかし何といっても、笙も琵琶も全部のせの管絃曲がいい。
どれもかっちょいいのですが、萬歳楽と朝小子が個人的に好き。
特に朝小子。笙と和琴が不協和音スレスレの絶妙すぎる
アンサンブルを奏でています。ちゃんと調和しているから
協和音には違いないんだけど。
ゆったりしたテンポが神々しいのなんの。
世界初の不協和音といわれたモーツァルトの弦楽四重奏曲
第19番より1000年も前の音楽だからねこれ!
作曲した人天才過ぎる。

アルバムの最後にはご存じ「越天楽」も収録されています。
他の曲を散々聴いてからだと、めちゃくちゃおとなしい曲に
思えてきます。

無駄に長くなりました(笑)懲りずに後半に続きます(笑)

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