若女将コラム

日々西屋と山を駆け巡る湯守兼女将による、自由奔放すぎるコラム改めエッセーコーナーです。
人生は奇想天外に生き抜こう。趣味のことや日々思う事etc...ほぼ西屋に関係ない話題ばかり載せています。

若女将エッセー

2022年01月

2022.01.28

音のある生活 45 「ドライブの友」


世の中、というか日本。騒然としてまいりました。

なんかもう、今更じゃないかね…。
コロナ禍も3年目となると、よくも悪しくも
多少のことじゃ動じなくなってしまいます。
おしりかじり虫だって現実世界にやってきたんだもの、
共存の世界線で生きていこうじゃないか。



もといここは別世界。そして相変わらず寒い。
当たり前だ、真冬だもの。
下界より先にはなるけど、待っていれば春は来るから大丈夫さ。




今日も今日とて音楽与太話。シリーズ第45回目。




こちら↑、送迎用として今から8年前の秋に西屋に迎えたハイエース。

普通免許で運転できる最大乗車人数を誇るこのでっかいバンを
操るドライバーは、現在私含め3人です。
胴体長いしガソリン喰うし大回りだしなかなか運転するのに
疲れる子ですが、人&物含めて収容力はぴか一なので、
なんだかんだ言ってとても重宝しています。

特に冬季は、スタットレスタイヤを必要としない地域のお客様からの
送迎依頼が大変多くなります。出動回数は夏季のざっと4~5倍。
お正月は引っ張りだこでした。


↑米沢駅西口にて。送迎のお客様を待つ旅館の車、車、バス。
右から順に西屋、小野川温泉ホテル山川さん、東屋さん、中屋さん!!
白布三軒揃い踏み!!

しかしまぁ、視界も足場も悪い吹雪の雪道はハッキリ言って修羅の道よ。
地元民とて出来る事なら運転したいと思いません。
めちゃくちゃ寿命が縮む。
この冬は大雪が続いたので、脱輪や追突、横転etc…何度となく
白布街道でも不可抗力な事故が多発しました。
いやほんと他人事じゃない…。

基本的に料金を頂くことがない送迎サービス業務は
二種免許を必要としません。ドライバーの腕頼みです。
とはいえ人の命を預かっていることに変わりはなく、
いつだってハンドルを持つ手に緊張の汗がにじみます。
時々耳にしますよね。
送迎中の事故のニュース。
なぜか旅館やホテルではそういうニュースを聞かないよね~
と言われたことがありますが、別に事故率ゼロってわけじゃ
じゃない(大惨事になっていないだけ)よ?

簡単な話、割合の問題です。
駅や待ち合わせ場所、宿といった定期ルートをほぼ往来する
だけの宿泊業と違って、市中で方々送迎に出向くのは圧倒的に
介護事業所の皆さんだから。向かう先も個人宅の玄関先で、
出入りが容易でないご家庭だってあるでしょう。
デイサービスともなれば、それこそ雨の日も風の日も毎日。
大変だと思います。
同じ送迎業務にも携わる立場として、本当にお疲れ様と労いたい。
えー、話を戻します。

お客様を乗せての送迎運転はとにかく「全集中・常中」
あるいは「領域展開」状態。
想像以上に呪力…でないエネルギーを消耗します。
まして今時分は密になっちゃいかんし会話だって憚られます。

短いようで長い沈黙の約30分。…場が持たない(笑)

なので、送迎中はいつも、お互いがリラックスしてドライブ
時間を過ごせるよう、心が落ち着けそうなBGMをかけています。
どんなジャンルかと言いますと、お客様の年齢層が全体若めなら
R&B/ソウル系、50代以降かな~と思ったらジャズ


一方、一人で運転しているときはひたすらアドレナリン出るような
ハウス系・ダンス系・などズンドコくるやつをかけまくります。
ハンドル握ると狂暴になるとかいうダメなパターンじゃないよ!
しっかりリズム感ある曲の方が集中できるの!!

つまり、送迎の時だけめちゃくちゃ猫被ってる。
漏れ出す眠気を強硬にシャットダウンして、
ゆるーいジャズやソウルをかけ続けます。

だってほら、送迎中の車内で
"♪カモン、レッツ・ゴー、ディスコ行こうぜ(英語)!!"
なんて陽気に騒ぐ曲なんて聴きたかないじゃんか。
確かに一瞬で眠気は吹き飛ぶけどさ(笑)
さすがにかけてるこっちも恥ずかしくなるわな(笑)

・・・というわけで、
今日は車内BGMとして高頻度でかけているジャズCDを
2枚ご紹介します~!



今日の2枚
After Midnight

Nat King Cole(1957)


あれぇ…リンクいいのが見つからんかったなぁ…

"ナッキンコール"の愛称で日本でも親しまれた、
ナット・キング・コールのアルバム。
それまでのポップ強めの傾向から、ジャズらしさを
改めて追及したといわれている1枚。
人気の高いナンバーが揃っているので、
ナッキンコール聴き初めにもおススメ。

もともとピアニストとしてのキャリアからスタートした
人ですが、マービン・ゲイやレイ・チャールズがお手本と
仰ぎ、美空ひばりも愛したほどの美声の持ち主でも
ありました。甘く掠れたような歌声と類まれな
音楽センスで、"L-O-V-E"や"It's Only Paper Moon"
などの往年の名作を数々生み出しました。
声質を保つために毎日2箱もニコチン重めの煙草を
吸い続けたせいで癌に冒され、45歳でこの世を
去ってしまいましたが、彼の生み出した曲は今なお
世界中の人に愛されています。



Kind of Blue

Miles Davis(1959)

↑ようつべのリンク先はなんとフルバージョン!!!



ジョン・コルトレーン、キャノンボール・アダレイ、
そしてビル・エヴァンスといったビッグネームの皆さんと
タッグを組んでリリースされた、ジャズ界の金字塔とも
呼べるアルバム。煌々と光を抱く洒落た夜の都会が
似合いそうなメロディックな旋律、クラシックのような
響きがステキなピアノ伴奏…
とても半世紀以上の前の曲とは思えないくらい
かっこいいナンバーばかりです。
このアルバムを送迎中にかけると、20組中1組くらいの
お客様が「お!マイルスとはシブいな!!」と
超反応してくれます。
…そうだね、確率低いね…超有名なんだけどね…(白い目)
皆さんも機会があったらぜひ聴いてみて下さい。
夜の晩酌タイムにもおススメ。

2022.01.20

音のある生活 44 「雅楽いいよ雅楽!」-②

 

毎年玄関の柱に飾る小正月のだんご飾り。



今年は雪が多すぎて、飾りつけをするための団子の木が
入手困難だった経緯から、枝のサイズもお飾りもだいぶ
控えめになりました。
外がほぼ完全にモノクロの銀世界なので妙に華やいで見えます。
春が来るまであと約3か月半…今年はいっとう待ち遠しい。。





さて、あまり間をおかずに後編まいります。
音のある生活シリーズ第44回後編、雅楽小話の続きです!!



独身の頃、地元の神社で正月や例祭の助勤巫女をしていたことが
ありました(我ながら職歴スーパーマーケット状態である…)。
管絃の他、催馬楽()っぽい地元の歌舞に親しむ機会が
たびたびありました。プロではなく地元有志の演奏でしたが、
緋袴に白衣を着込み、社殿の傍らで間近に聴いた雅楽の生演奏の
感動は今なお記憶に深く刻まれています。

地元の歌舞は、右手に刀、左手に五色の緒がついた神楽鈴を
持って男性が舞う剣舞でした。名前…失念(汗)。
細面で上背のある壮年の舞い手さんでした。まるで動く
絵巻のようだった…。一方当時の神主さんは地元の神社庁支部
でも重鎮の方で、神道について色々蘊蓄を伝授して下さった方
でした。ご高齢にも関わらず、とにかく雅楽イイよね!と
少年のようにキラキラした瞳で熱く語っていらしたのが
印象的でした。
あ、雅楽にハマったきっかけは彼だった。
今もお元気かなぁ…

催馬楽(さいばら)…
平安時代に体系化された歌物(うたいもの)。
朗詠(現在の詩吟のように独特な節回しで歌う歌)と並び、
当時上流貴族の間で流行っていたJ-POPのご先祖(?)。
庶民が娯楽の一環で歌っていたものを皇族・貴族の皆さんが
逆輸入したものもあるそうで、千年前に生きていた皆さんの
心象風景が色鮮やかに蘇ります。

実は、雅楽の世界で誕生した用語は、
意外なことに現代日本語のあちこちで現役だったりします。
今でこそ巷でなじみの薄くなってしまった雅楽だけど、その
文化はしっかりと日本人の心にしみわたっているのだ!!

というわけで、以下!
wikiその他から拾った雅楽生まれの単語で作文タイムアタック30分!
…はさすがにオーバーしましたが…即興で例文を書いてみました。
即興だからクオリティの低さは目をつぶってくれ。
思いついたお題は、今まさに臨書している
『書聖:王義之の蘭亭序制作秘話(??)』
王さん一人称「ワタシ」でお届けします。
捏造モリモリ、キャラ崩壊の嵐。

※文中のこの色の単語が雅楽用語です。

ー-----------------------------
…ワタシは頭を抱えていた。かつてない出来事に混乱していた。
手元には、昨夜綴ったばかりの「蘭亭序」。
一応、下書き(仮)である。


「蘭亭序(神龍半印本)」王義之(353(永和9)年)(部分)その1

書いていた時の記憶はかろうじて残っている。
うん。とにかく呂律が回らないくらい酔っぱらっていたのは
確かだ。友人がお土産にと持ってきてくれたつまみがあまりに
オツな味で、いつも以上に飲みまくってしまったのも覚えている。
そして、なぜかみんなして超絶興奮状態だった。
今思えばあのつまみ、死なない程度に妙な毒でも入っていたのかも()。
ともかく、飲み会が終わって部屋に戻った後、なぜかそのまま
興が乗りまくって筆を取って…
気が付いたらいつの間に書きあげちゃっていたやつが…コレ。

なるほど分からん。

なのにだ。…なんかやたらイイ感じなんすけど!!
自分で惚れちゃう!!
え?どうしてこうなった??
マジ相当酔ってたよねワタシ?
何なら書き終えた直後から記憶飛んでるし、途中手が滑って
うっかり間違えちゃった箇所そのままえいえいって塗りつぶし
ちゃってるし、ちょっと字間違えてそのまま上書きしちゃった
所もあるけどさ。なんてゆーか、素面の時じゃ醸せない絶妙な
塩梅というか、全体の出来が良すぎるのだ。


「蘭亭序(神龍半印本)」王義之(部分)…その2

おまけに文章の中身までイケてるし、とにかくいろんな意味で様になってる
んん…おかしい。
今まで自覚がなかっただけで、実は酔っぱらってると本領発揮しちゃうタチ?
いや、いやいや、それはない。
一応ワタシ官僚だし、飲み代出すのケチるため自称下戸(ウソ)で通してるし、
気ままに生きたいからって要職蹴って会稽に引っ込んだけど、
今更皆にだらしないのん兵衛だと思われたら嫌すぎる…。
そう思って一夜明けた今。改めて清書しようと試みたのだったが…。
これがどういうわけか、何度再挑戦しても上手い具合に書けない。
なんでやねん。
やっぱりワタシって酒の力でないと化けられない奴?
いやいやなにその化けるって。
やだ自分でツッコんじゃった。
ないわー!いろんな意味でないわー!!
…そんなこんなですっかり堂々巡りになり、
ワタシは部屋の中で頭を抱えたのだった。
…以下冒頭に戻る。
しばらくして、ふと冷静に思い返してみた。
この蘭亭序、別に誰かに書いてくれと頼まれたわけでも、
作品として完成させるみたいな打ち合わせがあったわけでもない。
多分たまたまその時何か神懸かりでも降りていただけなのだろう。
そう半ば開き直ったのだった。
…そして数日後。

「ねぇ、ちょっと見てほしい書ってか下書き(仮)があるんだけど。」
日頃ワタシの書を好きだと評価してくれている飲み友達の謝安を
自宅に呼んで、例の書を見せてみた。
余談だがこの謝安、飲み友の中では唯一の左ぎっちょである。
書道仲間から始まり、かれこれン十年の付き合い。
気の置けないつぅかぁの大親友。
しかしこの時ばかりは(あ…呼ぶんじゃなかった…)と激しく後悔した。
二日酔いで頭痛いのにまた野暮用かい…なんて眉間に深い皺を刻みつつ
頼みを聴いてくれた謝安だったけど、件の書を見るなり、目をひん剥いて
数秒沈黙してしまったのだ。
「…マジかオマエ」
まるで見ちゃいけないものを見てしまったかのような表情。
とりあえず落ち着きたかったのか、自慢のアゴヒゲを殊更ゆっくり
撫でつつ、謝安は徐にこっちを見た。
「なぁこれ、もう一回書けないか?」
「……」(…あー、やっぱそうくるのね…)
「ねぇ、これヤバいよ、下書きだろこれ?清書したらもっとスゴイのが
できるよ。ちょっと俺にもコツを教えてくれよ。どうやって書いたん」
「………」
まさか記憶にございません、なんて口が裂けても癒えない。
でも、こいつは本当にいい奴なんだ。敵には回したくない。
「あー、あー…実はどちゃくそ酒飲んで…書いた…?」
口が滑った瞬間、サッと顔が青くなったのが自分でも分かった。
…やばい。トチッた。つい本当のことを言っちまった!!!

お互いなんとなーく重い空気が流れる中、恐る恐る謝安の顔を見上げると、
案の定彼は呆れて二の句が継げないとばかりのジト目で押し黙っている。
「え…もしかして、こないだの飲みの後書いたんか?」
「…」
沈黙は肯定である。察してくれ。もうワタシ何も言えない。
「一応アンタの下戸が方便だって知ってたけどさ、本当は飲めるって
知ってたけどさ~!!まっさっか他の書も酒盛って書いてたクチ??」
「ちょ、ちょっと待って“酒盛って”って何よその人聞きの悪い表現!」
「オカマかよ!」
「いやそこツッコむところじゃないから!」

・・・何はともあれ。
今度からは筆をバッチリ閉まってから酒を飲むわ。
この瞬間ワタシはそう固く胸に誓ったのだった。
笑えない大失敗!!金輪際二の舞を舞うまい!!

ー-----------------------------

なっが(笑)
そして全世界の王義之ファンの皆さん、弄ってごめんなさい。
でもちゃんと実物(真筆ではなく唐代に臨書されたもの)載せたから!
いやツッコんでほしいのはここじゃなくて。

雅楽生まれの単語、いっぱいあるでしょ?
普段使う言葉ばっかりでしょ?
ちょっとしたトリビアでしょ?
(他にもあるかもしれませんが、私の文章力ではここまでが限界でした…)


前編後編にわたってお届けしました雅楽シリーズ、
いかがでしたか。
何かをきっかけに、皆さんも雅楽を好きになってくれたら嬉しいな♪




今日の一枚

「陰陽師」

伶楽舎(2000)

↑ようつべで「盤沙調調子」を視聴!
笙の音色が神秘的です。

夢枕獏原作、岡野玲子漫画による「陰陽師」に
インスパイアされたコラボアルバム。
演奏はご存じ伶楽舎です。
管絃や舞楽の他、廃絶していた催馬楽を復活させたもの、
女性が歌う珍しい朗詠などなど、教科書的なアルバムとは
一線を画す面白い構成になっています。
しかも所々効果音やエフェクト入り。琵琶2台の弾き合わせが
楽しめる楊眞藻(ようしんそう)という曲では水の流れる音が、
陵王乱序では激しい落雷の音が(音量注意)、青海波では
突然の笑い声にズゥウウウンン…みたいな唸り音が響いてきたり
(こっちも音量注意)と、自然現象や人知を超えた魑魅魍魎の
幽玄な世界が見事に織り成されています。

また作中では、安倍晴明の親友であり、芸事に非常に長けた
源博雅(ひろまさ)というキャラが登場します。
安倍晴明のお祓い行脚に半ば強制的に(?)付き合いつつ、
作中モブ()と楽器を競演したり、朱雀門で龍笛を奏でてその
腕前に惚れ込んだ鬼から笛をもらったりと、恋愛は超が付く
鈍感だけど粋な立ち回りをする「中身が」イケメンタイプの
お方(実在の人物です)。

そんな彼が作中奏でる曲が、アルバムでの壱越調菅掻
(いちこつちょうのすががき)だったり蘇合香(そこう)の
イントロだったりするわけです。
ちゃんと感情移入しやすいつくりになっているのが何とも良い。

しかもこのアルバムは2枚構成で、2枚目はなんと、
ブライアン・イーノによるアンビエントパートになっています。
1枚目が清明と博雅の雅な世界なら、
2枚目は白比丘尼もとい蘆屋道満のテーマ。
"Connecting Heaven To Earth"という曲では、
録音中にたまたま喫茶店で出会ったという一般女性の声を
これでもかとエフェクト加工しています。
出会いもすごいけど、仕上がりもなかなかスゴイ。
アンビエントだけに聴く人を選びますが、
とにかく聴いていて飽きないアルバムです。

2022.01.17

音のある生活 44 「雅楽いいよ雅楽!」-①


※裏の桝に行く途中のお薬師様山道にて。

「……こんなところにS字結腸が()」



自然の造形はいつだって人間の想像を超えてきます。
てかこれ、どうやってできたんだ!?

大雪に異常な高温(南半球)、小惑星の接近に海底火山の大噴火…
天地が荒ぶっています。いかに叡智を磨き生物界の頂点に立とうとも、
人間はあくまでこの星の一部。死なばもろともの運命ですが、
最期は平和に彼岸へ渡りたいもの。
どうか“その日”が今今となりませんように…。





本日は前から書こうと思っていた話題です。
一応まだ生息中です。音のある生活シリーズ。
今回は「雅楽」です。ガガク!!!



(話題に見合う写真がぜーんぜんないので、白布温泉で毎年小正月に
行われるさいと焼の火柱をUPします。闇夜に舞い上がる炎や火の粉を
見ていると、故郷の神社で見た正月の篝火を思い出します。)

さてさて、雅楽と聞いて皆さん最初に何を思い浮かべますか?
神社の初詣や結婚式(神前式)のBGMで聴くアレかぁ…
そんなイメージが湧くのではないかと思います。
音楽の授業でサラリと習う、日本人なら一度は耳にしているであろう
あの曲。それが「越天楽」という大陸由来の管絃曲だとご存じの
アナタ!ワタシから拍手を贈ります!!

雅楽とその演奏楽器は、もともと約1500年ほど前に大陸から伝わってきた
舶来の音楽文化でした。それが、記紀神話の時代から日本独自に伝わって
いた歌や舞と混ざり合って平安時代にほぼ現在の形式になったのが今日
知られている「日本の雅楽」です。神社の大祭や宮中行事で定期的に
演奏されています。

え?何聴いても全部同じに聴こえる??
た、確かにね!!!
楽師や宗教関係の方、よっぽど興味ある方でなければ、越天楽以外の
演目は殆ど耳にする機会なんてないでしょうからね。



現在、日本での雅楽は、独奏・合奏そのた諸々含めて百数十曲が伝わって
いるそうです(継承が途絶えた曲は除く)。中国渡来のものを含む
有名どころだと、舞楽の蘭陵王や青海波、国風歌舞なら人長舞とか
東遊、子供が舞手をつとめる迦陵頻(かりょうびん)や胡蝶(こちょう)、
あとは巫女さんの神楽や倭舞の色々あたりかなぁ…
ていうかどれも名前しか知られてないんじゃ…
やっぱりどれもマイナーか…(汗)

一方、中国やその系統であるベトナムの“雅楽”を聴いてみると…
「え、これ違うジャンルじゃない?!」と思わず声を上げてしまうほど、
日本の雅楽と全然雰囲気が違います。
大陸の雅楽も歴史ある伝統的な宮廷音楽ではあるのですが、本家は
儒教を起点とする儀式音楽としての傾向が強く、実際の音色もなかなか
厳格な雰囲気を醸しています。



↑台北の孔子廟で2018年に催された雅楽の祭典の様子。
立奏で、太鼓奏者はどうやら廟の中にいる模様。

そもそも楽器の音が違います。

加えてベトナムの雅楽は結構なハイテンポです。



↑ベトナムの古都:フエでの雅楽演奏の様子。
現地の言葉では雅楽のことを「ニャーニャック」
と発音するらしい。あらやだ可愛い。

京劇などの流麗な舞踊でBGMとして演奏される
「ああこれまさに中国!」ってイメージを思い
浮かべてみて下さい(語彙力低!)。

めちゃくちゃ余談ですが、どっちも衣装がステキ。

上述の通り、日本の雅楽には「揺物(うたいもの)」…
つまり歌“声”を伴う独自の音楽文化が溶け込んでいます。
そのためか、大陸のそれよりはるかに表現の自由度が高く、
青天井の世界観が広がっている…と個人的には感じています。
人の思いをダイレクトに音に乗せられるのが歌の醍醐味
ですからね。
八百万の神々を奉る日本人の宗教観、
アニミズムの賜物なんでしょうなぁ。
いや知らんけど。


というわけで、今日の1枚。


「祝賀の雅楽」

伶楽舎(2001)


↑伶楽舎公式ようつべチャンネルより。
平調音取と越天楽をVR視聴!!

タイトルの通り、主に祝祭御宴や宮中行事で演奏
されていた雅楽の有名どころを集めたCD。
生涯にわたって雅楽の普及や廃絶曲の復古、
後進の指導に努めてきた故芝祐靖さん率いる
伶楽舎が演奏しています。

伶楽舎のメンバーは多くがソロで活動するほどの
実力派ばかり。芝さんご本人も代々由緒ある雅楽師
一家の出身で、かつて宮内庁式部職学部に所属し、
龍笛や琵琶を演奏していました。もちろん当CDも
聴きごたえ抜群です。

舞楽や管絃曲の他「音取(ねとり)」
「調子(ちょうし)」といわれる音合わせも聴くことが
できます。何じゃそりゃ?これらは、すぐ後に
演奏する曲(管絃などの合奏曲)の音階を各パートで
揃えるための前奏曲みたいなもんで、オーケストラの
コンサートの演奏前に舞台上で必ず行われるA音の
チューニング(オーボエをトップバッターにして、
全パートがその場で音を合わせる)とほぼ同義です。
雅楽の世界の音合わせは、西洋のチューニングと違い
単体でもちゃんと曲になっているのが特色。
各楽器のイイ感じなソロが聴けるので私は好きです。

しかし何といっても、笙も琵琶も全部のせの管絃曲がいい。
どれもかっちょいいのですが、萬歳楽と朝小子が個人的に好き。
特に朝小子。笙と和琴が不協和音スレスレの絶妙すぎる
アンサンブルを奏でています。ちゃんと調和しているから
協和音には違いないんだけど。
ゆったりしたテンポが神々しいのなんの。
世界初の不協和音といわれたモーツァルトの弦楽四重奏曲
第19番より1000年も前の音楽だからねこれ!
作曲した人天才過ぎる。

アルバムの最後にはご存じ「越天楽」も収録されています。
他の曲を散々聴いてからだと、めちゃくちゃおとなしい曲に
思えてきます。

無駄に長くなりました(笑)懲りずに後半に続きます(笑)

2022.01.11

今年の抱負(またの名を縛り)とご挨拶


三が日はおろか成人の日も過ぎてしまいましたが、
あけましておめでとうございます。今年最初のコラムです。




本当はかの慧日寺(えにちじ…平安時代に隆盛をきわめた、
最澄や奈良の興福寺ともご縁のあるお寺。福島県耶麻郡磐梯町、
磐梯山の南西部にあり、現在は史跡になっています)
の冬景色をトップにしてご挨拶したかったのですが、
ご存じ年末年始に日本列島を直撃した大寒波&大雪のせいで
とても参拝に行けませんでした。
ぐぬぬ雪め…いつかリベンジする。

代わりにこちらの2枚をUP。




1枚目は、つい先日整体の後に訪れた併設店:cafe蓮櫻さんでの
窓辺のショットです。オーダーするメニューはここ最近いつも同じ。

「ジンジャーほうじ茶(Hot)&スコーン」セット。

このジンジャーほうじ茶、美味しい上にとにかく身体があったまるのだ。
大好き!
普段旅館でお客様をお迎えしている私ですが、ここでは自分がお客さん。
身も心もオフになれる瞬間です。席に着いて、メニューを見ずとも
“いつもので!”が通じる素敵なお店。こんな居心地のいい場所が
身近にあるだけですごく有難く、幸せに思えてきます。
これからも大切にしたい私の憩いの場であります。




そして2枚目は、毎年恒例の手作り七草粥。
私は筋金入りの冷え性ですが、この時期になると益々それが悪化して、
暴飲暴食していないにも関わらず勝手に胃痛や胃もたれが
発動してくれます。お粥や麹仕立ての甘酒は、そんな私のお助け食。
とりわけ七草粥は我が家で毎年欠かさず続けている、数少ない
年中行事の一つです。



珍しく子供達がこぞっておかわりをせがんできました。
白だし入れたのが効いたな。
以前はフリーズドライを使っていましたが、ここ近年は手抜きせず、
素材の味がより感じられるように生野菜から作るようにしています。

え?
あたり一面雪景色で気温も-10度未満なのに、
七草集められるわけないだろう?
おとなしく郷土料理の納豆汁にしとけ??

えぇー…そこは目を瞑ってちょうだいよ。。

前のコラムにも書いたけどね、こちとら仕事で新春らしい
イベントなんぞいつだって楽しめないんだからね。
確かに地面は雪の山だけど、材料なら現代様様でスーパーで
買えてるから無問題(モーマンタイ)!
あとごめんなさい、実は私納豆汁超ニガテ。
納豆も芋がら(※)も食べられるけどね、
いっしょくたに汁化するのがどうにも解せぬ。
それもなぜすり鉢で擦ってまで鍋に入れるんだ解せぬ。
だいたい後片付けがいろんな意味で大変ではないか。
(ディスりすぎ爆)

※芋がら…里芋の茎の部分の皮をはいで天日乾燥させた
もの(この辺じゃ「ずいき」と呼んでいます)を、
さらに乾燥させてヒモ状にしたのが芋がらです。
というか売られている姿がまんまヒモ。

雪国山形には驚くほど多彩な伝統食材・郷土料理(特に冬)
があります。が、考えてみたらひょう干しもからかい煮
(エイの鰭の干物を戻して煮たもの)も寒鱈汁もすこぶる
ニガテなんだわ私…食べられないわけじゃないけれど…
県外出身者にはそもそも戻し方&作り方がよく分からない
時点でハードル高すぎる!
郷土の気候風土が長年かけて育んだ先人の知恵だというのに、
それでいいのか旅館の女将。


まーまー、そんなわけで(?)!


気を取り直して、新春恒例、私の今年の目標を掲げます。
最初に宣言してしっかり逃げ道を絶たないと、何をするにも
尻に火が付かない基本ダメ人間なので、
今回も有言実行縛りです。n番煎じ。

0 まだまだ拙いコラムの文章力をもっと鍛える
1 引き続き書道スキルアップに邁進する 
2 日本の歴史と文化を勉強して知識を蓄える
(特に中世史、古今の年中行事、古典の解読)
3 心に響く言霊(漢詩・和歌・禅語・その他なんでも)を
できるだけたくさん集める…いつか書で認められるように 
4 去年に引き続き、筋トレと庭の世話(笑)
5 家族全員病気やケガをせず一年生き切る 


…最後サバイバルゲームかよ。
ていうか多いな!!!!!できんのかこれ!!??!
まぁ…どれも場数をこなせば何とかなりそうなもの、
日々続ければ「塵も積もれば何とやら」で力がついてきそう
なものばかりだから、つまりは何とかなるだろう(笑)

本当は毎年この場で公言していたつもりでしたが、
過去のコラム見返してみたら、それっぽいことほぼ
書いていなかった…。ダメじゃん(笑)

ともあれ、少子化といい、オミクロンといい、
この先世の中いっとう混迷を深めつつある昨今。
どこまで自分を信じて前に進めるか?
どこまで自分の中の煩悩を削ぎ落せるか?
物欲と、他所と比べてついつい自分の未熟さに卑屈に
なっちゃう悪い癖あたりが当面の強敵かなぁ。
尤も後者は、悟りの直前まで人心を苛む裏ボス的煩悩
らしいので、こいつとはあんまり本気で戦わないようにします。
そも煩悩は消すもんじゃない、うまく付き合ってなんぼだ。

目下の生活信条は「愛着抱けど執着するな」。
上述のcafe蓮櫻オーナーさんからの受け売りですが、
すごく胸に響いた言葉だったのでそのまま頂きました。
意味はそのまんまですが、受け取り方次第で守備範囲が
無限に広がる地味にすごい言葉だと思う。
早い話、自分のライバルは常に自分自身だという戒めな
わけですが、何かと迷いがちな日々の中に合って、
揺るぎない支えになると確信しています。

このコラムもなるべくペースを落とさずに書き続けます。
楽しいコンテンツをこれからも提供してまいりたいと
思いますので、どうぞ皆さん( `・∀・´)ノヨロシクです!!





今日の一枚 

Always Inside Your Head

Lone(2021)

↑サムネクリック!
Loneの公式ようつべチャンネルで
"Hidden by Horizons"のPVが視聴できます。
戦闘機や宇宙船?のカメラから見たいろんな空の世界。
めちゃくちゃカッコいいので一見の価値あり!

イギリスのミュージシャン、マット・カトラーによる
ソロプロジェクト:Loneの最新アルバム。
ジャンルはIDM寄りのエレクトロニック。
彼の初期作品はわりとよくあるダンスっぽい
リズムでしたが、最近は方向性がはっきりしたのか、
いい意味で肩の力が抜けてきた印象があります。
本作でも、Loneならではの透き通るような旋律と、
疾走感あるエレクトリックサウンドが楽しめますぜ。

おまけ。



七草粥より前に食べたサムライマック!!!
発売日に合わせてお店に凸しましたが、よく考えたらこれ旧サムライだった…
でもキニシナイ。アタシは中身に惹かれたんだ!
めちゃくちゃ美味しかった☆

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