若女将コラム

日々西屋と山を駆け巡る湯守兼女将による、自由奔放すぎるコラム改めエッセーコーナーです。
人生は奇想天外に生き抜こう。趣味のことや日々思う事etc...ほぼ西屋に関係ない話題ばかり載せています。

若女将エッセー

2021年11月

2021.11.22

湯桝と水路の工事のこと ~後日談③~


・・・ふむ、今日は朝から山の空気が妙に生温かい。



時折風に乗ってやってくるのは、
仄かに甘くまろい落ち葉の香り、そして湿った山土のツンと冷たい香り。
間違いなく予報通りだ。数日もすればこの辺りには雪が降るだろう。





今日も今日とて湯けむり模様。
かくして白布の温泉を巡る西屋の集水機構工事その他諸々は、
前述の通り約3か月半にわたる施工と試行錯誤を経て、
滞りなく終了しました。
アシゾーが使徒のごとく乱入するという予定外はありましたが、
なんだかんだで昔の状態にほぼ戻ったかっこうです。
合理性を目指したはずが、結局自然の摂理に還りました。
ちょっと意味あいは違うかもしれないけれど、
「およそ到達しうる最高の肯定の形式」というやつだろう。
ツァラトゥストラはかく語りき。

今冬は"えるにいにょ現象"とやらで、雪が多くかつ低温になるという
長期予報が出ております。ただの冬ではない大荒れの予感。
水を受ける新しい器と仲間たち(??)といかにして極寒の季節を
戦い抜くか、今から心の準備をひそかに進めています。

尤も、やることと言えば
桝の周辺をせっせと除雪する作業が95%強ですが…。

守るべきは、沢から引く水の流れ。
とにかくそれを止めないこと。そこから満々と流れてくる水の量を
桝のそばで見守ること。あくまで自然の力に任せ、必要が生じた
時だけ、手を添えるように変幻自在に調整すること。
心あるものを相手にするように、しっかり寄り添うこと。
ほんとそれだけ。
湯守の役割は永劫変わりません。

温泉が絶え間なく湧いていて、山の水が枯渇することなく
流れてきてくれるこの日々の有難みを、決して忘れてはいけないと
いつも言い聞かせています。その力を借りてはじめて温泉旅館という
商売が成り立ち、暮らしていけるのだから。
自然(温泉・水)に対して「存在して当たり前だ」とか、ただの
下心(商売っ気)ばかり醸すのでなく、ちゃんとした情を
かけなければ、彼らは人の意に応えてくれません。

結論から言ってしまえば、湯守の精神の根底にあるのは
」です。上記の意味を込め感謝と言い換えてもいい。
而して温泉と山(の水)との付き合いは恋愛とどこか似ています。
擬人化するなら温泉は分かりやすすぎる天然キャラってところかね。
表裏が一切なし。だいたい天気によってころころ気分が変わるし、
嵐が来ればほんとに荒れる(笑)でも必ず前振りがあるから、
「なんで突然機嫌悪くなんの?わけワカンネ!!」などと理解に
苦しむことはありません。
まぁ、その気分の乱高下については、こっちがほぼ100%合わせて
あげなければいけないわけなんだけれど、どんなにすれ違おうと
絶対向こうから別れようなどとは言ってきません。
何しろ言語外対話な付き合いなので。
うわー、ある意味ウルトラめんどくさいツンデレだ(笑)

…冗談はさておき。
のどかな山の景色の下、
四季折々温泉と水と仲良く365通りのお付き合い(は、3P?)。
飽きることはありません。



風呂に入った瞬間の
「あ”~気持ちい"い"~」
・・・を体感してもらえるベストな入り心地…
を決定づける湯温への微調整は…

はっきり言って、

実に、

大変で、

根気が必要で、

想像以上に繊細な作業です。
何しろ(恋愛的)駆け引きなので。

まぁ、前述の通りなんら特別なしかけがあるわけでもない、
ただの私個人の拘りですが…。

お風呂の温度が常に(大多数の皆さんにとっての)
「とっても心地イイ」状態であるように、春夏秋冬、
その日の気温や天候等を見ながら調整桝の中
(実際は6本の湯滝に温泉を通す分湯桝の出口付近)で湯温を
徹底監視しています。

ええいこなくそ、同じ表現ばかりで伝えるのが難しいな。

これはいつも脳内で完結していた設定ですが、思い切って
表にしてしまいます↓

天候条件による私流設定温度の目安はだいたいこんな感じ↓



調整桝の温度が高めなのは、湯滝風呂までの落下距離や
石造の構造等の特質により、湯滝風呂に到達するまでに数度
湯温が下がることを勘案しているためです。
あくまで入浴時のお風呂の体感温度は季節問わず40~41度
これをひたすら、ひたすら!!目指しています。
実はこの表の凡その設定温度は一昔前のもの。
今は、色付きの部分をさらに1度程低めに設定しています。
ひとえにヒートショック対策です。

ここで釈明。昔々の超熱いお風呂が好きだった往年の常連さん、
ごめんなさい。今の風呂がどんなに拳(ぱんち)不足だと
いわれようと、私が湯守である限り、現在の設定温度を
変更するつもりはありません。
なぜなら、西屋のお風呂は石風呂なうえに上下に吹き抜けが
あるため冬は滅茶苦茶寒い。ただでさえヒートショックを
誘発しかねない条件がそろってる上、お風呂まで熱いときたら
むしろ危険だからです。
さらに言えば、一番最初に湯に浸かる体の部位は99.99%の確率で
(最も冷え切って熱さに対する感覚がとち狂っている)足先です。

(いや、俺は違うところ(手とか尻)から入るぜ!なんてゆー
面白い猛者の方いらしたらぜひ教えてね。)

もちろんかけ湯をして入って頂くことが公序良俗の上でも
大前提ですが、ここで「熱すぎ!入れん!!」ではもう
いろんな意味で駄目なわけです。
ここで、最初が多少熱く感じられてもその後とっぷり入れる
お風呂の状態であるかどうかは、自動的に温度管理の行き届いた
一般家庭のお風呂であれば考慮するまでもないでしょう。
しかし西屋はそうはいきません。
全て人の手で仕組みを理解し、調整しなければなりません。

大袈裟だ、と笑われても構わない。
私はこの、冷え切った冬の身体と温泉との最初の邂逅に
命を懸けているといってもいい。
そも烏の行水では絶対に体の芯は温まりません。
私はお客様に「ゆっくりと」温泉に浸かり、
「身体の芯から温まって」ほしいのだ。
西屋のお風呂の特質とお風呂の温度、その匙加減を決して
間違えないように、現在の入浴時の適正温度とされる概念に
従って調整しています。

はーー……相変わらずくどくてごめんね。
でも私は白布の温泉を心から愛しているんだ(惚気)。
愛で空が落ちてくるほどにね(笑)!

さて、温泉と山の水が直接混ざる調整桝の中は常に水流が
発生しています。源泉の流れです。量が量だけにかなりの水圧です。
ここに通称:雷鳥管を駆使して山の水を斜めから注ぐわけですが、
蛇口をひねるだけで狙った温度のお湯に即なるわけではありません。

分湯桝から出る加水済みの温泉が適温になるまでには、
実は必ず時間差が発生します。

原理は多分こんな感じ。↓



一見するとただの桝。…ですが。



↑実際はこんな感じの物理現象がせめぎあっている…模様。
印はそれぞれのパイプからの水落下地点。

物理は高校2年生で挫折した文系人間なので詳しく解説はできませんが、
温泉と水が溶けあう前の僅かな時間に生じる二つの熱の散逸構造…つまり
を中心とする半径15㎝くらいの場所。
一定方向の水圧で桝の中を回りながら、57度の温泉と真夏でも10度を
切る水(冬はほぼ氷)が混ざり合うこの地点では、無秩序に見えて、
熱力学だの流体力学だのちゃんと根拠ある熱交換が行われているはずです。

あー、あれだ。 えんとろぴぃ? F値最小?
そんな専門用語が飛び交うような世界です。

えぇこれ以上細かいことは突っ込むな。

無学な私は熱力学の第二法則を全て勘と経験で読んでいる。

この、温泉と水が完全に混ざるまでの物理現象と時間差をひそかに
「ソラリス」(スティーヴン・ソダーバーグ版)と呼んでいます。
同じ散逸構造でも"味噌汁"と名付けるのはあまりにも芸がなくてだな…

面白いことに、一度でもソラリスの均衡をパイプ調整でずらした途端、
例外なく温度のバランスが崩れます。パイプを増設したのに湯温が
上がったり、いくら落下地点を遠ざけても温度が上がらなかったり…
それがある程度の時間が経つとがらっと様相が変わったりetc...

恐らくこの間に、なんだっけ、不可逆過程?が進んでいるのでしょう。

再び最適温度(熱力学的平衡…で合ってる?)になって取水口から
分湯桝に流れ出るまでには、夏場でおよそ2~3分ほどかかります。
その間、私は分湯桝に湯温計を突っ込んだまま待機。
温泉と水の混ざり具合が落ち着くまでひたすら待機。
春から秋の時期は別に問題ないのです。
問題は冬季。
温泉街のロードヒーティングによる源泉提供で源泉量が少なくなる
(全盛期の2/3~3/4)冬季は、湧出口から噴き出す源泉の水圧が
下がると同時に、水温も気温に応じて低くなります。
水は落下地点からわりとそのまま調整桝の下方に深く潜っちゃう上、
温泉と水がこの条件の中で混ざり合って正しく安定するまでには、
それこそ夏場の3倍以上の時間がかかります。
(誰か熱力学に詳しい人、時短化のコツを教えて。)
長いときは10分以上、やっぱり分湯桝にかがんでじっと
待つわけですが、吹雪の日は背中に数センチ雪が積もることも
しばしばです。瞬きを忘れて凝視するあまり、冷えた温泉の
湯気が顔にかかって睫毛がガチガチに凍ったこともありました。
何を言っているのか分からねーと思うが
私も何をされたのか分からなかっry

でも、動かない。
相手の気分(温度)?が収まるのをじっと待ちます。
健気?んなわけないよ~。心の中では
「さっさと素直になれェこの湯けむり野郎ォ!」って
めっちゃ吼えてるから(笑)
…そんなくだらないことを時々考えながら、
湯温計をただただにらみ続けます。
吹雪の真冬は堪えますが、それでも狙いすました温度にだいたい
収まってくれれば「ぬぉー!やっぱ大好きだぁ!!」なんて
一人で気分V字回復できるオチ。あぁバカだ…。
あとはお山が地雷を踏みぬかない(上流で表層雪崩が起きない)
ことを願って建物内に戻ります。

これだけ想いを込めて愛情を注いでも、天候が急変すれば
やっぱりへそ曲げるんだよこのツンデレ温泉は。
齢709歳の物言わぬ相方。
ああ好き。憎さ余って愛情100倍。

・・・ね。
こういうわけよ(何がだよ)。
物理法則を超越する不可侵のパワーがここにはあるのよ。
水と温泉が滞りなく在ってこそ、湯守のは生きるのよ。
だろ、。どこの宣伝文句だ。

なんかすごいシリキレトンボな終わり方をしてしまいました(笑)
許して。今日もついさっきまで真っ暗な裏山に凸してたの。
詰まった落ち葉を取り除こうとして、桝の中を横切っていた
お勝手用のパイプをうっかりへし折っちゃったのは
ココだけの話にして(爆)
(残骸がまだ桝の底に沈んだままだ…明日直そう(汗))

ああ、今年の冬はどうなるかなぁ…(遠い目)。





今日の一枚 

"Gopro: Eagle Hunters in a New World"

William Ryan Frich(2017)

(↑サムネイルクリックで、アルバム内の
"Red Wolves"を視聴!)

アメリカのミュージシャン、ウィリアム・R・フリッチの
通算12枚目のアルバム。映像音楽を手掛けることが多い
生粋のアメリカ人ですが、このアルバムはズバリ
「悠久の中央アジア遊牧民族のテーマ」。
最初聴いたときは「え、作曲者アジア系?」なんて
錯覚を覚えるほど、イイ感じに情感が込められています。
まるで古のシルクロードに生きた高原の民の高潔な生きざまが
存在しない記憶としてありありと脳裏に浮かぶような。
そういうコンセプトのサントラか何かだという表記は
どこにもないので、おそらく完全なオリジナルでしょう。
前々回のシルクロードからなんとなく引き継いでみました。

これ知っている人多分、いや絶対少ない。

2021.11.13

湯桝と水路の工事のこと ~後日談②~

後日談のくせに続きました。



こちら、湯桝のすぐそばに自生しているヤマブドウの葉↑です。
葡萄唐草。実物はけっこうデカい。
大人の顔が完全に隠れるくらいデカい。



こっちは朴の葉です。写真のものは枯れてしまっていますが、
青いうちはおにぎりも包めます。
しかしこれも天敵。
どんな格好であれ、予備動作なしでこれらがホースにハマると
秒で水が止まります。この時期の急激なお風呂温度上昇の原因のうち
8割はこれら落ち葉のせいと言っていい。

どれだけ新しい設備に生まれ変わろうと、
その厄介さが解消されることはありません。
今も昔も落ち葉回避率はほぼゼロ、だって山だもの。
ひたすら手作業で取り除いていくしかないのでした。

毎夜、自ら湯滝風呂に入浴しながら湯温や量に異常がないか
直接確かめますが、晩秋の今はどうしても温度が安定しません。
夜になると大概熱くなります。
理由は上記の通り。

この日も暗い中湯冷めと闘いながら裏の桝へ凸。
案の定5号、4号どっちにも落ち葉が詰まっていました。



(↑これは別の日の昼間に撮ったもの。昼夜問わず起きる現象は同じ。)

昼間落ち葉を取り除いて取水口をきれいにしたはずのアシゾーは
既に戦力外。ノジリ君は…今のとこフル稼働で問題なし。
問題ないがこれでもかと落ち葉が流れ込んでくる。
素晴らしい、鏖殺調整だ。

とりあえず落ち葉除去後、ノジリ君の水の出具合から水量を予測し、
5号と4号では水量多すぎだと判断。4号すっこ抜き。



しかし4号を3号に切り替えたところ、
どのポジションに先端を乗せてもいまいち温度が高すぎて塩梅悪い。



仕方がないので、5号と3号をぴったりくっつけて、
細木にかましたタオルを取っ払い、2本のホースの上を走る
ノジリ君からの絶妙な水流↑をプラスして何とか適温に調整しました。
おぉ、裏技発掘じゃ。
名付けてノジバシリ((ノジリ+地走り)÷2)

この時はこのパターンで済みましたが、
私はまだこの新しい機構の水の動きが読み切れていません。
今までの経験でカバーできることと1から覚え直さなければいけないこと、
対処法の実効性は今のところ半々てところです。
1年経てば少しは慣れるのだろうがね。



また今週に入って、白布界隈はかなりな悪天候に見舞われました。
雨はザーザー、風はビュービュー…
こういう天気の後は大概沢の水が荒れ狂います。

とうとうノジリ君も詰まりました。
案ずるな、想定の範囲内だ。



ジョイントになっているバルブ部分↑はほんの少し管内に段差があり、
そこに落ち葉が引っ掛かったのでしょう。




迷うことなく接続部をフルパワーでこじ開けて(もちろん素手)、
中の葉の塊を除去。よいよい。水流復活。

さて、よく見ると沢の水が少なくなっています。
休館日明けたばかりだし、いい加減アシゾーの方も水通しを良くして
おかなければ。というわけで三十三観音へ。




…やっぱり詰まってる(見えます?写真中央寄りの白い網が取水口です)
ていうか詰まってるってレベルじゃない。

ここでもパワー全開で作業開始。
オラオラオラァ~取れとれ葉っぱァ!!!!



取った。
いやぁすごい量。
落ち葉の山だよ。半年後には見事な腐葉土になるだろう。

実はこの沢で落ち葉取りをする時は、取水口周辺だけではなく
少し上流の滝から沢のあちこちにたまった葉を丁寧に取り除いていく
作業が必要です。






(↑うっかり手袋忘れたまま沢の落ち葉取りしてますが、見えない所に
栗のイガが隠れている場合があるので良い子は真似しちゃダメよ。)

なんで上流の沢まで?
放っておけばいいじゃん別に!と思われるかもしれません。
でもそこが大いなる落とし穴。
なぜなら、ひとたび雪が降ればこの沢は完全に雪の下に隠れてしまい、
来春まで一切落ち葉の除去ができなくなるからです。

今は全く雪がないので容易く沢に入って落ち葉を取り除けますが、
真冬にはこの取水口周辺には深さ約2mの壁がそそり立ちます。




↑いつぞやの真冬の取水口。
水底が、見えぬ…!!

この状態で一度気温が緩んで水かさが増すと、
上流からの落ち葉の塊が一気に取水口になだれ込み、
奈落の底(笑)で葉の詰まりようがどえらいことになります。
それこそ井戸に潜るようなキツイ体勢で取水口↑に降り、そこから
落ち葉やら水を含んだ重い雪の塊やら汲んで取り除くわけですが、
マジ容易ではありません。
湯守なりたての冬はこのせいで何度泣きを見たことか。

秋の終わりに何度もタヒぬアシゾールートも放置せず定期的に
メンテナンスしなければいけない理由はここにあります。
すべては真冬のジゴク対策のため。

さて、ここまでやってもまだ沢の水が足りない。
大樽川本流は爆流なのに。
ということはもう一つ上にあるバンカーが怪しい。

というわけで、
さらに沢を登りやってきたのが旧国民宿舎の敷地内にある沢上流。



入口は写真左寄りの木の枝の間。この道なき道を只管(ひたすら)登れ。
レッツらごーごー。




たどり着いたここの水路には落ち葉を受け止める網
(というかごつい鉄柵)がかけられています。
ここもまぁ秋は落ち葉が詰まる詰まる。
今日は脇から溢れるほどの水量もなかったおかげか周囲は水浸しでは
ありませんでした。
とりあえず葉っぱ取る。



取った。
水が氾濫して勢いマッハのときはこの作業、
全身ずぶぬれになる覚悟で挑まなければなりません。
作業中いつ顔面水ブシャーされてもいいようにメガネも外しましょう。
マスク?んなもん要るか!!
メクラになっても構うもんか。どうせどこもかしこも視界も濡れるんだ。
もう慣れましたが…。

さて…まだ水が少ない。
これはさらに上流に行かなければいけないやつです。

というわけで、
風呂掃除を終えて一服していた師匠倉ちゃんを無情にもとっ捕まえて、
東中西屋すべての水源地である上流の堰堤へ強制連行一緒にハイキング。



倉「#$%&’+*、オメーはよォ、¥&%#」



距離はそうでもいなんですが、
落ち葉に足はとられるわ、道幅はほぼないくらい狭いわ、
けっこうハードなコースです。



道=水路、といった感じのルートです。



倉「&$%#*…」

道中倉Pの小白布弁解読に四苦八苦しているうちに・・・
ハイ着いた。





ここが三十三観音沢の大元の取り入れ口です。



おお、ここも詰まってる詰まってる。
えぇ、作業しますよ。
今日何回目だよ。




はい取れました。
これで三十三観音もガンガン水が来ているはず。

往路の足場がきつかったので、
帰りは川を横切って若女平(わかめだいら)コースを下ってきました。



↑この対岸の川沿いが若女平コースです。



この日は天気が穏やかであった。



しかしまぁ、長雨の影響とはいえ山道が小川になってるとかウケる。
冬場もここを歩いたことがありますが、天候によっては遭難コースです。
一人では危険すぎるので良い子は必ず誰か大人と一緒に行きましょう。



さて、漸く湯桝に戻ってきました…って、



行きがけにサンダーバードの代わりに水路にかけていた
高木ちゃんがいない。
どこ行った?
まさか銀魂トリオみたく誰かに持ち去られた??!!

焦りまくって探していたら…




あ”ーー!!!
桝の中に!
高木ちゃんが!!
沈んでるwwww!!!

さてはさっき一気に増量した水の勢いで吹き飛ばされたな。
細木さん乗せとかないと高木ちゃんですらこれだもの。
水圧おそるべし。
てかアイドルドザエモン。
なんか…咄嗟に思い浮かんだ物騒なネーミングですが、
妙にツボで不覚にも笑ってしまいました…我ながらイカれてる(笑)
いやこれ以上いじったらいかんな。
葵君が不義遊戯(ブギウギ)ステップで飛んできそう。

はぁ、ご心配なく。




高木ちゃんは愛用の鳶口(とびぐち)で即救助です。
勿論この後きちんと温度も調整して、とりあえず正常運転に
復帰させたのでした。
ここまでの所要時間∞。



めでたしめでたし…(いつまでもつかな…)。



さて、この鳶口、もともと主人が消防団で使っていたものでしたが
勝手にかっぱらいました。私の湯守マストアイテムです。
本来は木材の運搬時等に使う道具ですが、



ホースを手繰り寄せたり、急峻な流れの先にあるノジリ君先端↑の
落ち葉を除去したり、杖代わりにしたり
足場の代わりにしたり…もう大活躍。
もし壊れたら、誰か恵んで下さい。140㎝くらいの長さがいいな♡
あー、冗談です(笑)。
ともかく、これと湯温計と懐中電灯は欠かせません。

…おのれ何の職業だ。

だめだ終わらん。さらに続きます。



まだ続きそうなので今日の1枚

"Boheme"

Deep Forest(1995)


(YoutubeでFreedom cryのMV視聴!↑
なかなかドラマチックだよ。)



裏山の落ち葉がどうしようもなく恨めしくなった時に聴くやつ(ウソ)。
ディープフォレストの2ndアルバムです。
東ヨーロッパ地方のロマ民族(ジプシー)のテイストを取り入れ、
全体的にしっとりエキゾチックな雰囲気にまとまっています。
8曲目のFreedom Cryが当時ホンダの…何だっけ…車のCMに
起用されたことで、彼らの日本での知名度が↑↑になりました。
特にMarta's Songが好きです。
紅葉の景色は皆さんにとっちゃロマンチック絶景だと思いますが、
私と彼らの付き合いは四六時中泥水試合なので、せめて音楽でイメージ
補給します(笑)

2021.11.05

湯桝と水路の工事のこと ~後日談①~

 


突然ですが、
西屋のにゃん手クッキー(客室ウェルカムお菓子)でお世話になっている
梅花堂さんのシュトーレン。

ベリーメッチャうまー!!



(全然美味そうに撮影できなくてごめんよー(汗))

ぎっしり詰まったドライフルーツの甘酸っぱい味と素朴な食感、
生地にしみ込んだ洋酒のハーモニーがたまらないぃ。
洋酒成分がしっかり入っているのでお酒のイケる大人向けですが、
個人的にはゴジョー先生にも是非おススメしたい。
只今梅花堂さん店頭にて期間限定で発売中(1本売りもあり)です。

今年のクリスマスは御馳走でなく、
このシュトーレンとグリュワインだけで夜更かししたい。




7月31日UPのコラムにて、
施工後半月足らずでやってきた日照りのためにエクトプラズム
(ホース)をドーピングした貯水タンク:アシゾーの
ちょっと間抜けなショット↓



でとりあえず報告を終えた湯桝&水路工事。
あの後もですね、色々アクシデントがありましてね。
(まぁ…ほぼ想定の範囲内でしたが…)

9月初め…
日照りから一転、数日続いた大雨の影響でアシゾーから伸びる配管
(クランクになっている箇所)が土砂と葉っぱでソッコー詰まり、
完全に沈黙。 

仕方ないのでバルブからすぐ先をバッサリ切断して簡易蛇腹パイプに
付け替え、重めの落とし板で先端を抑えながら位置を調整して
仮ごしらえで何とか水量確保。

紅葉シーズンになり、山中に降る落ち葉が沢をたびたび堰き止める。

アシゾーの燃費が劇的に低下し再び沈黙。

ノジリ君を最前線に立て、複数の落とし板で勢いを削いだり
桝の際で流れを分断したりして水量調整。(☆ー①)


☆ー①

一応これで通常運転だが(☆ー②)


☆ー②

見た目があまりに大惨事(湯桝の縁でスプリンクラー炸裂状態)で、
「水路(桝)壊れてるんじゃないの?」とスタッフやお客様から
心配の声をかけて頂くこと多数。 
(写真のダダ洩れ状態はまだマシな方です)

冬季になると今度はこの暴れん棒ノジリ君が凍結で沈黙することは
分かっており、なおかつ初めてのウインターシーズン。
大雪と極寒の影響で冬場のアシゾーがどんな状態になるのか全く読めず
心配になり、この段階で再び大改造を依頼しました。
今度は何度も事前に現場見分に立ち会って、手づから完成図を起こして
事細かに要望を伝えるほどの徹底ぶりで。

・・・そしてこうなった。(☆ー③)


☆ー③

7月に新設したばかりの湯桝の壁面の一部(写真左)を切り取り、
桝のそばの廃墟並みにボロボロだった水釜の代わりに新たに巨大な
土管を挿してどてっぱらに水路用の穴をあけ、
そこから流出するオーバーフローの水をパイプで調整しながら
温度を調整する、というしくみ。

そして、その横穴にほぼNPCで初っ端から陣取ったのは、
直径10センチのパイプ(☆ー③の真ん中のやつ)。

名付けて
尻(水量)とタッパ(直径)のデカいアイドル"高木"ちゃん」(笑)
(ネーミングの由来は…ご存じ呪術廻戦の某アイドル「高田ちゃん」と、
今回お世話になった業者さんの現場監督さん「高木さん」から!奇遇!?!)

ちなみに↑で写真右から勢いよく水を吐き出しているのはご存じノジリ君です。
こちらも晴れてNP固定メンバーになりました。


↑高木ちゃん。

桝のふちギリギリまで極力流れを制限せず沢の水を運ぶ機構まではGJ。
アシゾー面目躍如だし、ホントGJなんだ。

しかしだ…!

この高木ちゃんが想像以上に難敵でした。
先ず直径が太すぎた。
こんな太い配管をそのまま湯桝に渡したら、
入ってくる水の量が多すぎてお風呂がたちまちぬるくなってしまいます。

一応緊急排水用に2か所調整弁を取り付けてもらいましたが(☆ー④)


(☆ー④)

そもそもの水量がチートなためほぼ効果ナシ。

しかも、
水圧ですっぽ抜けないようにと業者さんが高木ちゃんの尻を
緩くかつガッツリ固定したため(字面…)、(☆ー⑤)


(☆ー⑤)

左右の向きだけでなく仰俯角も極めて不安定になった罠。
例えるなら鹿威しと赤べこを足して2で割って水量100倍くらいにした感じ。

勝手に上下左右にヘッドバンキングするせいで、水が極端に少ないか
多いかはたまた明後日の方向を向いてしまうか、
博打もかくやの予測不能な動きをするようになってしまいました。

これを無理やり昔のように落とし板で上から固定するのは簡単ですが、


(☆ー⑥)

そうなると俯角だけがやたら上がってこれまた莫大な水量が流れ込む
だけで(☆ー⑥)、水量調整もへったくれもないという…。
つまり落とし板は使えない。

結論:高木ちゃんだけでは、ちょうどいい水量で仰俯角を固定するのは
現在身の回りにある道具だけではほぼ不可!!!!

高木ちゃん奔放すぎる。
これじゃたかたんビームどころか命中率ランダムの波動砲だ。
真剣勝負の最中に運ゲー展開…まるでいつぞやのギルガメッシュ。
いや…この状態で営業日を一晩明かしたのはホント胃が縮む思いでした。
実際お客様にお叱りを受けてしまった…。

しかしこの日はどうしても間に合わなかったので、
次の日には即ホームセンターに向かい、直径の異なる4種類のパイプを
ゲットしてきました。
使用頻度低いヤツもあるでしょうが、手数は多ければ多いほど
千変万化の天候に対応できます。保険みたいなもんです。

というわけでこの子等(パイプ)の名前はサンダーバードシリーズで
統一しました。



サンダーバード1号(高木ちゃん 直径10㎝)
同2号(直径2㎝)
同3号(直径3㎝)
同4号(直径4㎝)
同5号(直径5㎝)。

最高!超わかりやすい(私が)。

というわけで、



早速高木ちゃんをすっこ抜いて



サンダーバードこの日は5号と3号をはめ込み。
縁とふちに引っ掛けることで仰俯角のブレは考慮しなくてよくなったので、




細い方だけすっ飛ばないようにタオルを巻いて、さらに水圧対策で上から
細木KZKを重しにかけました。



タオルをかませないと、↑の矢印のように隙間ができてしまうのだ。


今は秋雨で絶賛増水中なので、
細木さんたまに2本がけ。



かなり重たいが。
これならパイプの遊びをほぼ完全にシャットアウトすることができます。
うん、完璧。


というわけで、
現在この状態で温度調整を展開しております。
もちろんこれは永久機関ではありません。
何かの拍子で葉が詰まったり水の流れが変わったりします。
気温が下がれば、パイプの組み合わせや位置をそれに合わせて
微調整しなければなりません。



↑5号と3号。このときの湯温は…



↑ふむ、43~44度、調整桝でこの温度となると実際の湯滝風呂は
40度前後。一般家庭用としては合格ラインだが、西屋のお風呂としては
構造上ちと低い。



↑3号をひっこめた。



↑45度。これはちと熱い。



↑5号の位置を微調整。



↑44度前後。及第点。

…とまぁ、こんな感じで作業しています。

しかし油断はできない。
サンダーバードの尻に一枚でも栃(とち)の葉が詰まるとさぁ大変。
電話一本SOS、さぁ私よ、裏の桝へ走れーーー!!!

(続。)

若女将エッセー内検索

白布温泉 湯滝の宿 西屋

山形県米沢市大字関1527

お問い合せFacebookTwitter

Copyright (c) 2016 NISHIYA. All rights reserved.