若女将コラム

日々西屋と山を駆け巡る湯守兼女将による、自由奔放すぎるコラム改めエッセーコーナーです。
人生は奇想天外に生き抜こう。趣味のことや日々思う事etc...ほぼ100%西屋に関係ない話題を思いつくまま載せています。

若女将コラム

2021年06月

2021.06.19

米沢ラーメン巡り 【第11回:上花輪】


突然ですが、我が家のめーちゃんず増殖しました。



私御用達のカフェ蓮桜さんに、今年もとお願いして再びお裾分けをいただき、
おかげさまで現在総勢18匹。
今回はなんと、酸素をオート生産してくれる便利な藻(写真の濃緑)付き!

密になってもこれなら安心だ。
ついでに藻に張り付くようにしてやってきた付録のタニシは…
とりあえず大目に見てやろう。





最初は戸惑っていたようで餌に寄ってこなかった新入りメー達も、
一日と経たないうちに人影捕まえて「ヒャッハーーー!!」
するようになってしまったため、どれが古参だったかもう見分けつかん(笑)

順応力高い?いやただの平和ボケだ!
少し手狭か?いや問題ない!

さぁ存分に生きろ。まとめて面倒見てくれる。




今日は唐突に旧コラムらしい話題を投下します。
気まぐれもいいところ。
やっぱりみんな大好きラーメン屋さん!!!
せっかくシリーズで続いていたので今回も繋ぐよ。

米沢ラーメン巡り第11回「上花輪(かみはなわ)」さんのご紹介!



上花輪は上杉神社の目と鼻の先、参道から東に延びる交差点すぐの場所です。



(写真奥が伝国の杜。撮影したのはなんと去年の12月。)

隣はリニューアルしたばかりのFamilyMart、
上杉城史苑や伝国の杜といった米沢随一の観光スポットもど真ん前。
地元民にもこよなく愛されるラーメン屋さんですが、立地条件が大変よいので
観光客の方も多く訪れる名店の一つです。



店内はオールテーブル席で、清潔感あふれるこざっぱりした作り。




こちらはチャーシューめん。
普段小食のくせに、ラーメン屋さんに行くと大抵チャーシュー麺を注文します。
一体チャーシューの何が私の選択肢を奪うのやら?
家系ラーメンによくあるごっついチャーシューはなかなかハードルが
高いけど(だから食べないとは言ってない(笑)、米沢ラーメンに
添えられるチャーシューがわりと薄めが多くて食べやすいっていうのも
あるかもしれない。
上花輪のチャーシューも大好きです。
口の中でほろりと崩れて、噛みしめるごとに元気が湧いてくるのだ。



総じてお味もグッド。
米沢ラーメンの特徴でもある太いちぢれ麺と、絶妙な味加減の
醤油スープがよく合います。




こちらは味噌ラーメン(辛みそ付き)のハーフサイズ+ミニサイズの
チャーシュー丼。チャーシュー丼!!!
ご存じ男のロマン(?)、ラーメンライスの組み合わせだよ。
社長の大好きな組み合わせです。



また、上花輪はラーメン屋さんながら米沢牛を手軽に味わえる↑↑
お店としても知られていて、こんなにリーズナブルで魅力的な
メニューが展開されているのだ。
米沢に来たから米沢牛は食べたいし米沢ラーメンも食べたいし、
でも移動時間を考えるとあんまりゆっくりできない…
そんなグルメな悩みを清々しいほど一発で解決してくれる有難いお店。
それが上花輪なのだ!

当然週末は混みあいます。駐車場はファミリーマート側に数台分。
スペースがないときは上杉神社側に停めて徒歩数分です。
お店の皆さんも大変気さくで、敷居の高さを全く感じません。
ぜひ訪れてみてね。



【上花輪】
〒992-0039 山形県米沢市門東町1-5-25 
Tel 0238-21-8678 
営業時間 11:00~15:00 
不定休 



今回は完全に蛇足ポジション、今日の1曲。

Eyes On Me (feat. Anabel Englund)

Mike Mago (2020)

(↑公式Youtubeチャンネルで視聴go!)



オランダ出身のDJ、Mike Magoの爽快アップテンポな
ダンスナンバー。ジョギングや筋トレの時などなど
よく聴いています。
駐車場 お店の周囲に駐車スペースがあります。

2021.06.05

衣替えは三次会の1か月半後だった ー『春の祭典』後編



爽やかすぎる雨上がりの白布(本日撮影)。
サムネのための枠とはいえ、
話題とのギャップまじぱない。



『春の祭典』~La Sacre du Printemps~後編

私が所属していたN大オケの常任指揮者T先生の自宅は、
山手線沿線のとあるアパートの一室にありました(今も元気かな)。
先輩後輩入り乱れて積もる話がついつい長引いて、いつの間にかそのまま
三次会にもつれ込んだのは分かる。分かるが、会場ここでいいんかい。
内心そう尋ねたかった。
しかしその場にいたメンバーの殆どが2年生以上だったので、私には
とてもツッコミを入れる勇気も断る度胸もありませんでした。
…まぁ、そもそも無理くり誘われたわけではなく、先輩方の面白過ぎる
四方山話をもう少し聞いていたくてついてきちゃった、というのが
正しいんですが…。

さて、お邪魔した中に女子や同学年がちらほらいたことに安堵しつつも、
慣れない雰囲気に飲み込まれないよう、私はほろ酔いの中じんわりと手に
汗握りながら、妙にビッグサイズのスピーカーから切れ間なく響いてくる
不気味な管弦楽曲にただただ必死で耳を傾けていました。
時には激しく、時に幽玄なその音色。
先輩は酒豪を自称しているだけあって、傍らで舌好調に演奏のポイントや
聴きどころをよどみなく解説してくれていました。
多分私内容を飲みきれなくて阿保面してたと思う。

そんなK先輩から何の前触れもなく変化球が飛んできたのは、
それから間もなくのことでした。

「〇〇(私の旧姓)、知ってるか?」
「エッ知りません」
「ここ(演奏)、エロいだろ?」
「…は」
「耳の穴かっぽじってよく聴いとけよ(←先輩の口癖)。」
「はぁ…」
「ウォルト・ディズニーの1940年の映画「ファンタジア」に、この曲を
独自解釈で映像化したパートがあるな」
「へぇ~そうなんすか知りませんでした」(次の瞬間デコピン食らう。)
「勉強不足め、今度観とけよ。4曲目だから」
「…ハイ(痛い…さすが映画通…)」

この辺で確か演奏は第二部も中盤過ぎに差し掛かっていました。
周囲には飲み潰れた他の先輩とサークル仲間、あとは真っ赤な顔で
少し離れたテーブルで何やら語り合っているグループが数人。
大丈夫、どこもかしこもとりあえず変な雰囲気じゃない(爆)。

先輩に直々につかまっていたので、真面目に演奏を聴いていたのは私だけ。
生贄となる乙女の賛辞、ちょっとおどろおどろしい先祖の召喚と儀式…
場面展開を示すサブタイトルは確かそんな感じだったはず。
私より10コ以上先輩方の定期の演奏、今でもはっきりと覚えています。
K先輩も楽器経験者なので演奏の腕はぴか一でしたが、大御所先輩の演奏も
セミプロかってくらいめちゃくちゃ上手い。彼らに追いつくのはさすがに
無理だとしても、いずれこんな感動的な演奏を自分も出来るように
なるのだろうか…とひとりでモヤモヤしていたら、

「このハルサイ(春の祭典のオケ愛称)の本当の中身はな…」
「はぁ…はい?」

突然先輩のトーンが下がったのに、ほんの少し話半分に聞いていた私は
反応がワンテンポ遅れました。
ふと先輩と目が合うと…ニタァ。
…あ、なんかヤな予感。
そして、その勘はだいたい忘れた頃に的中する。


「エロい長老たちが円座になってシカンする前で、異界の神と生贄の
乙女が祭壇上で死ぬまでxxxする話をまんまバレエにしたやつだから」

・・・( ゚д゚) ポカーン

突如落とされた爆弾に、モヤモヤが一瞬で消し飛びました。
なんかすごい単語も出たような気がするけど、初心者の処理能力がそれに
追い付くわけがありませんでした。
間違いなくさっき以上に阿保面晒した自信ある。

そこに、いつの間にこっち組に割り込んできたコントラバスのH先輩から
まさかの援護射撃が。

「ちなみに第1部は、長老が生贄の選考会やってる間ソイツ(神)が
草葉の陰で"イメージトレーニング"している場面な」

・・・(  Д ) ゚ ゚ 

瞬間、
私の中で勝手に構築していた「オーケストラ=優雅で純白の世界」は
真っ黒なビッグバンと共に粉々に破壊され、
かくして20数年にわたり無差別な膨張を続けるまま今日に至るのだった…


ちょっと(いや5割増しくらい)脚色してますが、当時のやり取りは
ほぼこんな異様なテンションでした。ほんのりオブラートに包んでいます。
それほど異常に覚えているのよ、あの日のことは。

春の祭典。
そう、これは本能のままに生命を謳い、人の祈りと神の愛とが混ざり合い、

あまつさえその命を貪ってしまうほどの、めくるめくリビドー炸裂の世界。
その世界を統べる異教の神の姿は、筋骨隆々の逞しい巨躯を上半身のみ
晒し(つまり半裸)、衣の代わりに光(智慧)と闇(本能)を身に纏い、
命を与えそして奪うことができる究極の美丈夫。
清濁併せ吞む異教の神は宣った。
歓喜のままに、こみ上げる情動ままに、無から有へ。
生きている今この瞬間をもっと解き放てと。

そして私は悟った。
終曲の打楽器は、知恵と本能が渾然一体となった生の滾りが、その一部と
ならんとする魂に深く刻み込まれる文字通り命の抽送(音)担当だと。

打楽器はただのタイコじゃないということですねK先輩!
それが言いたかったんですよね先輩!?!!
牛の鈴あり断頭台の鐘あり風の音ありビン転がしあり犬の鳴き声あり…
手(楽器)を変え品(曲)を変え、
果ては房事の効果音さえリアルにこなすとは!!!

なんかすごい。なんかすごい!!多分すごく曲解してるけど!!!

「先輩打楽器めっちゃヤバいっす…明日から練習マジ頑張ります」
頭の中が核融合反応したまま、多分そんなようなことを涙目で訴えながら、
半ば放心状態で三次会を後にしたのがあの日の最後の記憶。

懐かしい。
何もかも三次会のテンションにもっていかれそうなくらい懐かしい。

ーーーーーーー

K先輩。その後も難しい奏法やいろんな曲のこと人生譚に至るまで、
たくさん導き、叱咤し、語ってくれましたね。
志賀高原の合宿特訓や新日フィルの先生指導時は、あまりの厳しさに
一人ぼろ泣きしながら、恩に報いたく必死で練習しました。
不意打ちビッグバンのおかげでオケの思い出は今なお色鮮やかです。
ひたすら楽しく、時々ほろ苦い大学生活でした。
いつかまた会えたら美味しいお酒と共に思い出話に花を咲かせたいですね。
お土産は煙草で良いですか?
先輩は今もparliamentですか(てかあの銘柄今も現役なんだろーか)?
どうかお元気で。
親愛なる先輩へ。 畏(かしこ)。 

ーーーーーーー

『春の祭典』おススメの一枚

"Le Sacle du Printemps 1947 ver."
P.Boulez & The Cleveland Orchestra (1970)



ストラヴィンスキー本人とも親交があり、世界に名を馳せる指揮者・
作曲家の一人として今なお高く評価される故ピエール・ブーレーズと、
アメリカの5大オケの一つであるクリーヴランド管弦楽団の
ザ・ゴールデンコンビによる録音。当時45歳のブーレーズの脂の乗った
指揮捌きと、ドラマチックな演奏が隅々まで冴えわたるおススメの一枚です。
ストラヴィンスキーは自作の解釈と深化に拘る人だったようで、
作曲後も果敢に改訂を繰り返していました。収録のものは1947年版。
曲としてのバランスが最も優れているバージョンじゃないかな。

原典版により近いニュアンスを聴き比べてみたい時は、
ディズニーの「ファンタジア」を観てみてね。

2021.06.05

衣替えは三次会の1か月半後だった ー『春の祭典』前編




白布の冬を生き抜き、間もなく同居1年のメーチャンズ(メダカ)。

譲り受けた当初は稚魚が1匹いましたが、いつのまにか大きくなり、
今ではどの子か見分けがつきません。
給餌は1日1~2回。人の姿を見かけると、
「…餌か?餌だな!おい仲間共、餌タイムだぞ!!」とまるで互いに
呼びかけ合うように一斉に縁に寄ってきます。
なんだ此奴ら…愛い。こんなミニマムな世界にすら食欲のパブロフが。
ちっちゃくても脳みそちゃんとあるのね(全世界のメダカに謝れ(笑))。
一方タニシは放っておくと無限に増殖して景観上よろしくないので、
2~3回躊躇なく間引きました。実に無慈悲。



さぁ、前回さんざん半裸だのリビドーだの"欲求"に正直だの、
旅館HPコンテンツにあるまじき単語を相変わらずかまととぶって
盛大に撒き散らしましたが、それもこれも、すべては今日のため。

シリーズ化しておきながら「衣替え」のこの字なんぞ自らの手で
木っ端微塵です(でも今回も同じ単語を無理やり入れた)。
「春の祭典」回この度で〆です!長いので前編後編で!!

『春の祭典』~La Sacre du Printemps~前編




↑初演時の様子。当時の音楽雑誌に掲載されていた写真のようです。
バレリーナたちの表情が揃ってこわ可愛い。ウィキペディアより引用。

20世紀を代表する作曲家の一人、イーゴル・ストラヴィンスキーが
作曲したバレエ三部作の一つ。1913年初演。
バレエ曲ですから、メインはバレエです。はいはい禅問答。

初演会場は、今も昔も世界のファッションの最先端を切り開く、
フランスはパリにあるシャンゼリゼ劇場でした。バレエに詳しくなくとも
相当名誉な待遇だったであろうことは容易に想像できます。
しかしこの演目の中身は最先端どころか、オシャレに抜かりない高貴な
貴婦人方&リッチな劇場でコンサート鑑賞というハイソな趣味からして
相当意識高い系の紳士方のはるか遥か斜め上をいく、奇想天外の謎エンド
ストーリーだったのでした。一言でいうと
「異教の神を崇める古代の人々(主に長老達)および生贄の乙女による
禍々しい宗教儀式」

「火の鳥」のような王道ハッピーエンドでもなければ、
「ペトルーシュカ」のように、不気味さを醸しつつも実ることのなかった
悲恋ものという感情移入しやすい物語でもない、設定も振り付けも狂乱の舞台。
そりゃもう初演会場は大荒れ。現代のSNSでいう「大炎上」を巻き起こしました。
バレエダンサー達や演奏者が途中で上演を中断せざるを得なくなるほどの、
かたや観客席では客同士の流血沙汰が勃発するほどの。
これ、実は結構オケ史上有名なエピソードです。

餌に湧きたつメダカが如く。いいぞもっとやれ(笑)。

ちなみに私、この曲を初めて聴いたのは大学1年生、自覚ゼロのままオケ入団
→早々沼につんのめって頭から引っ張り込まれつつあった頃でした。

20世紀以降の管弦楽曲は、価値観の多様化が織りなす人々の機微の代弁なのか、
はたまた心病む混沌の時代を言外に憂う作曲家の無意識の叫びなのか、
難解な旋律やリズムを刻む不穏な作品が目立つようになり(全部ではないが)
それらを聴くのはともかく、演奏するとなるとなかなか一筋縄ではいきません。
例えるなら、ただでさえ出番が少ない(ことが多い)&リズム楽器なのに

主旋律が読めなくて入りタイミングが大概突拍子もない打楽器陣は、
四六時中手に汗握りながらホラゲーでもプレイしている気分…ん?

そこで、演奏会の課題曲のスコア(全パートの音符が書かれたオケっ子
御用達の楽譜)はもとより、作曲に至る人・歴史の背景にも一通り目を通し
(CDのライナーノーツや伝記的な本etc)、作曲者の作風や同年代の他の
作品のさわりに至るまで広く浅く前知識としてあらかじめ頭に落とし込んで、
より演奏曲を深く解釈しておくというのが我がサークル(というより私が
所属していた打楽器part)の掟でした。
これが、シリーズ冒頭に登場したかのK先輩の与えたもうた愛のスパルタです。

オケの右も左も知らなかった私に、今まで触れたことがなかった打楽器の奏法
はじめ、ありとあらゆる知識を根気強く猛攻で叩きこんでくれたK先輩。
芸術学部文芸科に所属し、若くして人生酸いも辛いも噛み分ける器用で奇抜な
オケ&映画マニアでした(褒めてます褒めてます)。
つまり、彼が説く広く深い前知識の延長線には、必ずと言っていいほど
いっそ知らなかったほうがいいくても困らない爆弾も時々仕込まれていた
わけです(褒めてます?)。

「春の祭典」は前衛的なバレエ曲であり、鬼気迫る展開に終始飲まれるまま、
踊り狂った生贄の乙女が遂に昇天するラストシーンでは、ひたすら恍惚と恐怖の
爆発(乙女というか演奏者が)…に圧倒され、気が付けばブラボー!と
心の中で拍手喝采してしまう衝撃の約30分。

これがおおよそ、ライナーノーツ止まりで曲を聴いた時の月並みな感情でしょう
(活字化するとややこしくなる)。

実は春の祭典は、先輩も私も現役の間一度として定期演奏会の曲目に
ラインナップされたことがない曲でした。
つまりそれほど聴きこんでおかなければいけない課題ではなかったのです。
理由は単純。実際に演奏するのが難しすぎるから。

にもかかわらず、K先輩は何を血迷ったのか初っ端からハイでディープな
”ハルサイの洗脳”をけしかけてきましてねぇ。
なり手がいなかった打楽器partから他楽器へ浮気するなんて万が一にも
許さないぞと言外に凄みつつ、往年の大先輩が過去定期演奏会で見事披露した
春の祭典の本番模様を、何の前触れもなくCDで流しはじめたのでした。
割と大音響で。

…時は新歓n回目→指揮者の先生宅でなだれ込み三次会の真っ最中。

(続)

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