若女将コラム

日々西屋と山を駆け巡る湯守兼女将による、自由奔放すぎるコラム改めエッセーコーナーです。
人生は奇想天外に生き抜こう。趣味のことや日々思う事etc...ほぼ西屋に関係ない話題ばかり載せています。

音のある生活 7 「まだ見ぬ心の日本巡り②」




先日、久しぶりに上杉雪灯篭まつりを見に行ってみました。
なんと11年ぶり。








武将隊の大集結、竹あかり、そして会場にずらりと並んだ出店の賑わい…!
普段こういった行事が開催される休日や祝日はまず外出できないので、
会場の撮影記録はもとよりいい家族サービスができたと思います。
(子供たちはバギー乗車体験で大はしゃぎ。)





さて、今回のコラムは「まだ見ぬ心の日本巡り②」ということで、
前々回の続きとなります。

幻想的な雪景色、あたたかい昼下がり、息をのむような美しい夜空…
四季折々変化に富んだ日本の自然風景とそこに暮らす人々の思い…
なぜか心が満たされる瞬間、ありますよね。
音楽という心の目を通して世の中を覗いてみると、日常の中に違う世界が
垣間見えたりします。そんな素敵な音楽を今日もご紹介していきたいと思います。

1.haruka nakamura「Twilight」


haruka nakamura"Twilight"(2010)…リンクは彼のHPのbiography

2010青森出身の作曲家:Haruka Nakamuraさんの1枚。
自身の故郷を描いたアルバム3部作のひとつ。
作風はどこか甘酸っぱく、ノスタルジックな雰囲気。
のどかな田舎の風景を切り取ったかのようなゆったりとした調べは
とても親しみやすく、大好きな一枚です。
Twilightでとりわけ好きなのは「夕べの祈り」と「ベランダにて」
「音楽のある風景」。1曲目「夕べの祈り」では、サックスが
船の汽笛を思わせる音をどこか寂しくも温かく響かせています。
このアルバムを聴いていると、夕闇せまる海辺の小さな街
(都会ではないどこか)をドライブしているような気分になります。
ぽつんぽつんと家々からもれる灯りをふと眺め、
「この家に住んでいるのはどんな人かな、今頃は家族で夕餉を囲んでいるのかな…」
なんて思い浮かべてみたり。

前回のコラムでもお話ししましたが、独身の頃の私は一人旅が大好きで、
暇さえあればあちこち車や電車で出かけておりました。
それも宿泊せず日帰りコースばかりだったので、帰りがけはいつも夕暮れ。
帰りの道すがらの何とも言えない寂しさと家に帰る安心感、
知らない町や家々の前を通り過ぎながら、なぜか人恋しくなった複雑な思いが蘇ります。
今となっては一人旅の機会はほぼありませんが、
場所や人や時代を問わず、“還りたくなる”瞬間が心のどこかにいつもあると、
時々気付かされます。

話が脱線しました。
最近は坂本美雨さんとの共演も多いnakamuraさん。
ふと自分を振り返りたくなった時、オススメのアルバムです。


2.巨勢典子「季節風」


巨勢典子"季節風"(2017)

20年以上の活動歴を誇るベテラン音楽家兼ピアニスト:
巨勢典子さんの新しいアルバム。
haruka nakamura氏のアルバムが夕暮れなら、彼女のこのアルバムは
ひたすら明るく透き通るような青空イメージです。
全曲ピアノソロで、そよ風のように優しい旋律が耳に心地いい。
さらに素晴らしいのは各曲のタイトル。「日々是好日」「特別ないちにち」
「この思い風に乗せて」…タイトルを読むだけで沈んだ気持ちも明るくなれそうです。
手紙を書いたり好きな本を読んだりしている時のBGMにもいいですよ。

巨勢さんは他にも複数アルバムをリリースしていますが、
「この道の向こうに」はソロやアンサンブルの瑞々しい旋律
(とか言いながら初見時ジャケットの林がなぜか緑生い茂った小河墓遺跡に見えた私)、
「I miss you」はコロコロとしたオルゴールのようなピアノ音の優しい曲がメインで、
どれも心癒されるアルバムです。

落ち込んだ時、ぜひ彼女のアルバムを聴いてみて下さい。

小河墓遺跡…“楼蘭の美女”と言われる約3800年前のミイラが発見された
新疆ウイグル自治区の共同墓地跡。
NHKスペシャル「シルクロード」(最近のほう)でも紹介されました。

↑「この道の向こうに」
↓小河墓遺跡(拾い画)


実際並べてみるとまるで似てない上
お互いかすりもしないジャンル(しかも墓標は枯れた木材)なのに
何故空目してしまうのかは謎。


3.久石 譲「銀河鉄道の夜」


久石譲"銀河鉄道の夜"(1996)

言わずと知れた日本の作曲界の大御所、久石譲さんのコンセプトアルバム。
高校生に入って最初に貰ったお小遣いで買ったので、
初めて聴いたときの感動を今でもよく覚えています。
満天の夜空を見上げながら思わず深呼吸したくなるメインタイトル、
冬の夜を思わせる北十字などなど、さすが情景描写が秀逸。
曲のどこかで聴き覚えのあるニュアンスが入るのは久石さんならではです。
原作や原作の絵本を片手に、一緒にジョバンニとイーハトーブ
(岩手県各地に残る賢治の原風景!!)を旅したくなります。



番外.細野晴臣「銀河鉄道の夜~Nocto de la Garaksia Fervojo」


細野晴臣"NOCTO DE LA GARAKSIA FERVOJO"(1996)

1985年に製作されたアニメーション映画「銀河鉄道の夜」のサントラ版。
同タイトルの映像作品の金字塔ともいえる名作です。
ジョルジョ・デ・キリコやマーティン・レーマンの絵本を思わせる
異空間的な美術背景のインパクトもさることながら、細野晴臣さんが
「産みの苦しみ」を覚えつつ生み出した幻想的な音楽は、
未完だった原作を見事に広大無限な世界へ昇華させ、
30年以上たった今も色褪せない鮮やかさを保ち続けています。
アマゾンのレビューの高さも驚異的。
久石版銀河鉄道の夜と全くタイプが異なるアルバムですが、聴きごたえは十分です。

日本巡りというより、文字通り宇宙巡りといった感じ。こちらも超オススメ。


いかがでしたか。
次回はいい所あれこれシリーズの続き(あれ、何回目だっけ!??)です。

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