若女将コラム
2016年12月
2016.12.27
米沢のいい所あれこれ 【第8回:なみかた羊肉店(めぇーちゃん食堂)】
待ち望んでいたスキーレジャーや銀世界を十分に楽しめないのは残念ですが、
止まらない除雪作業で筋肉痛と多大な出費に襲われるのとどっちがいいのかと聞かれたら、
私は十中八九後者と答えてしまいそう。
雪国(もとい山奥)に暮らすのはいろいろな意味でパワーが要るわけです。
…妙な前置きで失礼いたしました。
というわけで今日ご紹介する名店は、
そんな雪国にたくましく暮らす地元民の美味しい味方!
米沢名物:義経焼の本家「なみかた羊肉店」さんです。
場所は米沢駅の近くの大通り沿い、夜のお店の入り口です。
1階が店舗、2階が食堂になっています。
さっそく2階にお邪魔したわけですが…
さてこの「義経焼」。
は?何それ?
米沢に来たばかりの頃の私も、初めてその名前を耳にした時の
リアクションがまさにこれ↑でした。
義経焼とは、一言で言うと「味噌味の薄切りジンギスカン」。
なみかた羊肉店さんは、行方貞一さんが昭和33年、
当時のジンギスカンブームに乗ってジンギスカン専門店として
米沢で創業しました。ほどなくして、料理への情熱と研究から「義経焼」を考案。
(ジンギスカン=源義経説をヒントにかけたもの)
オーソドックスな厚切り&しょうゆ系の味付けと違って薄切り味噌系のスタイルで、
大量の野菜と一緒に豪快に焼きあげて食べる(しかもわりとリーズナブル)
スタイルがヒットし、今では「米沢のソウルフード」と言われるほど。
ここ米沢では非常に親しまれているグルメなのです。
このため他所の土地の人は一発でジンギスカン発祥と結び付かないようです。
そもそも今の時代でも羊肉の専門店に出会うことは
(特に地方では)まずありませんから、創業者の行方さんは
相当パンチの利いた思考の持ち主だったのでしょう。
ぜひ見習いたいところ。
店舗の二階は座敷とテーブル席を構える割と広い作りです。
たまたまお邪魔した日は、仕事帰りのガテン系のお兄さんや
忘年会の若い団体さんがいたりして、かなり賑やかでした。
(なので写真は撮れませんでした;)
さすがソウルフード。
見た目は焼き肉屋さん兼飲み屋さんそのもの。
中身の濃い利き酒セットもありました。希少な十四代を揃えているとはかなり通ですな!
帰りの車の心配がなかったらぜひ試したかった…(苦笑)
こちら↑は義経焼3人前。
これでもかとマトンが乗っかっています。
焼き方はいたってシンプルです。
①火にかけたジンギスカン鍋の中心を外してドーナツ状に野菜を乗せる
(わりとこぼれる寸前まで)
②てっぺんにお肉をテンコ盛りにする
(かなりうず高くなる)
③魔法の水(↓)をまわしがけする
(目安は指一本とあるが、まるっきり液体なので結局適量が分からない(笑))
④火の通ったところから好みの焼き加減で食べる。
↑これが「魔法の水」。どう見てもお酒です。なるほど嘘は言っていない(笑)
↑実際焼いている様子はこんな感じです。
巨大な果実絞り器のような形をした専用のジンギスカン鍋で焼くのですが、
真中が盛り上がっているので量の割に見た目がものすごく盛大です。
女子会にもいいかもです!
さて気になるお味ですが、もともと羊肉にしっかり味が付いているので、
野菜と絡めて炒めるだけで全体に味が染みわたります。
これがまた、ノーマルなジンギスカンの味を忘れるくらい美味しい。
最近疲労で(?)食が細くなった私でも、ごはんにのせてがっつり食べられたほど。
独特の匂いがあって、どちらかというとくどいイメージが強い羊肉ですが、
実は羊の脂は人間の体温より融点が高く、殆ど胃腸で消化されないというのです。
だから食べた翌日も胃がもたれません。
少し辛みのある味噌だれですが、子供たちでもモリモリいける。
野菜が多いのでなかなかヘルシー。家族でもグループでも楽しめるお料理です!
ところで、こちらは各テーブルに配られる義経焼の焼き方の解説です。
受け取ったとたん右上にくぎ付けになりました。

はい、拡大。
和やかな雰囲気の大衆食堂にあるまじき“催涙ガス”の破壊力。
この物騒なガス発生装置「あんじゃも」って一体…!??
お店の人に聞いたら、テーブルにひっそり置いてあったこれ↑のことでした。
市内通町産の唐辛子をペーストにして、塩や麹と混ぜたオリジナルの薬味です。
そして「あんじゃも」とは、
米沢弁で「驚いた、呆れた、あらあら…、これじゃあどうしようもないよね…」という
絶妙なニュアンスを雪国よろしく一気に2秒に縮めた言葉です。
初めて味見した人があまりの辛さに「あんじゃも・・・・」と呟いて
舌を巻いたというまさにあんじゃもなエピソードからこの名前が付いたそうです。
米沢に生まれ育ってかれこれ50年以上になる西屋主人でさえ
この香辛料の存在を知りませんでした。
義経焼より地味にレア度が高い?
ちなみにあんじゃもは1階の売店でも売られています。
焼き肉だけでなく、豆腐のトッピングや鍋の薬味、漬物の味付けなど
幅広く使えます。しかしこれが冗談抜きで辛いので、
気になった方は是非。
また、下記のお店のリンクからHP(オンラインショップ)に行くこともできます。
(知る人ぞ知る『日本最古のインターネット肉屋』です。
なぜ日本最古なのかはなみかたさんのHPで直接チェック!)
義経焼に必要なものは全部そろっているので、遠方にお住まいの方も
家庭で手軽に義経焼を楽しむことができますよ。
スーパーでは絶対に手に入らないさまざまな部位も扱っているので、
中華料理屋さんやエスニック料理屋さんもここへ仕入れに足を運ぶようです。
2016.12.15
米沢のいい所あれこれ 【第7回:梅花堂】
またまた更新が遅れてしまいました。
火曜日更新保証が完全に崩壊しつつある(苦笑)
今回ご紹介するのは、女の子なら一度は抱く将来の夢:お菓子屋さん!の
梅花堂(ばいかどう)さんです。
市内中心部から少し南に下った閑静な住宅街、
花角味噌さんの斜め向かいにお店があります。
そうです。何を隠そうこちらのお店は・・・
西屋の客室用お茶菓子&売店お土産人気No.1の「にゃん手クッキー」の製造元なのです!
販売を始めて約半年が経ちましたが、おかげさまでニャンコ効果もあり大好評で、
発注の度に夜まで大量のクッキーを一生懸命焼いて下さっているご主人には頭が上がりません…。
店内はこざっぱりとした可愛らしい雰囲気で、驚くほど沢山の種類の
焼き菓子が置かれています。
たとえばこちらは「米沢の四季」。「抹茶」「きなこ」「黒糖」「和三盆」
の4種類の味がセットになった和風のクッキーです。
目上の方への贈答にも喜ばれそうな、とても品のあるお菓子です。
反対側のコーナーにはお菓子屋さんの定番:ケーキ&生菓子がたくさん並んでいます。
あんこや抹茶を用いた物もありますが、
梅花堂さんで扱うお菓子はすべて洋菓子タイプです。
ちなみに西屋でご宿泊の際にお客様にオプションで提供しているケーキも、
こちらの梅花堂さんのケーキです。
扱っているのは生クリームタイプとチョコタイプの2種類で、
トッピングはイチゴだけのオーソドックスなタイプのほか
お客様の好みでフルーツをふんだんに載せてメッセージを載せることも可能です。
甘すぎず飽きのこない美味しさで、大きさも4号・5号から選べます。
ちなみに梅花堂さんのお菓子で一番人気なのは、こちらの「おいしん棒」。
ベースは棒の形をしたユニークなフィナンシェですが、
なんと15種類もの全部で味があるのです。
・チーズ
・チョコチップ
・ホワイトチョコチップ
・ミルクティー
・アップル
・バナナ
・オレンジ
・さつまいも
・渋皮マロン
・ミックスフルーツ
・ゆず
・じんだん
・ごま
・抹茶
・小倉あん
どれにするか迷う!!!!
ちなみに私のオススメはチーズとオレンジです。
最近ハマっているハーブティーにこれまたよく合う。
子供たちの喜びそうなフルーツ系から和の素材もあるので、
老若男女問わず好評だそう。10本・15本・20本と好みの種類を
選んで箱詰めで買うこともできるので、とても便利です。
また、店内の一角には米沢市出身の絵本作家:亀岡亜希子さんと
コラボレーションした素敵なお菓子シリーズも売られています。
(絵本も!)
ふるさと西吾妻山に実際に棲んでいるカモシカや白猿、テンをモチーフにした
キャラクターが仲良くお菓子を食べる姿は、化粧箱のパッケージにもなっています。
こちらは新作の「ウサギのテーブル」。
手のひらサイズのチョコタルトです。可愛い。
ギフトやお土産で買うときは、これら沢山の種類のお菓子から
好きなものを選んで箱詰めしてもらえます。
贈る相手の好みがバラバラでも、これなら安心。
梅花堂のご主人、佐藤さんご夫妻です。
二人とも煌々とろうそくの灯ったケーキのように明るく楽しい方で、
カウンター越しに次から次へと話が尽きません。
もちろんお菓子と郷土愛にかける思いはとても熱く、
これからも美味しいお菓子を作り続けて頂きたいと思っています。
長年東京で菓子職人として腕を磨き、現在フランスに滞在中の息子さんも
もうじき戻ってお店を継ぐべくメンバーに加わるそうです。
これからが益々楽しみなお店です。
【お店の場所】
梅花堂 ← 2018年7月2日サイトリニューアル!
〒992-0037
山形県米沢市本町3-1-18
TEL:0238-23-1964
8:30~19:30(定休日:不定休(基本的に水曜日))
※梅花堂さんは地元のお菓子屋さんでは珍しくインスタグラムもされています。
できたてのお菓子の写真がてんこもりですよー!気になる方はぜひご覧ください。→こちら。
2016.12.06
米沢のいい所あれこれ 【第6回:米一牛肉店】
更新が遅れて申し訳ありませんでした。
さて、今回は米沢A(Apple)B(Beef)C(Carp(鯉))の中でも
米沢市鍛冶町にあるお店の正面。
中は見やすく大きなカウンターになっていて、
作りたいお料理に合わせてカットした米沢牛各種が沢山並んでいます!!
実際当館にお泊まりいただいたお客様が、翌日直接お店に足を運んで
お土産としてお買い上げになっていくこともよくあるそうです。
なんとも嬉しい限りです。
米沢牛と名乗れるのです。
証明書を特別に見せて頂きました。
最高ランクを示す「A-5」に目がいきがちですが、証明書には
生産者の方の名前から個体識別番号から枝肉番号まで明記されています。
米沢牛にかかわるすべての人達の強い誇りが伝わってきます。
また店頭では、牛肉だけでなく県産&地元ブランドの豚肉や鶏肉、
つや姫とセットになったギフトもあります。
それから夜ごはんのおかずにありがたいお惣菜も。
米沢牛はネームバリューもあって決して安くはないものですが、
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