コンセプト

真に時を経た佇まいにしか醸し出せない 古きものの良さを信じ、温泉の恵みに感謝し 先祖より受け継いだ温泉文化の担い手として遠路より訪れる人々の癒しの場であり続けたいという強い願いを込め、私達はコンセプトを掲げました。

「未来へ守り伝える百年の湯宿」

昭和36年6月12日 西屋の中庭で行われた源泉祭りの踊りの光景
昭和36年6月12日 西屋の中庭で行われた湯神祭りの踊りの光景

源泉祭りの踊りが行われた中庭
湯神祭りの踊りが行われた現在の中庭

白布温泉は 西暦1312年の開湯以来 七百余年にわたり湯治場としてその名を知られ、多くの人々の心身を癒してきました。

西屋旅館は、開湯ののちほどなくして宿を開いた老舗三軒のうちのひとつです。
豊富な温泉の恩恵のもと幾多の災害を乗り越え、厳しくも美しい四季折々の自然に寄り添い、世代を超えて家族・従業員達に守られながら今日まで歩んでまいりました。

かつて日本のどこでも見ることができた茅葺の素朴な佇まい。
周囲の山河に溶け込む鄙びた家屋、囲炉裏の炭の赤々と燃える様、飴色に光る手すりや階段、木製の窓枠には手延べの板ガラス…。

視界を遮らない自然素材の佇まいは、見る人に憧憬を抱かせ、優雅な印象すら与えます。
しかし実際は、夏は夏なりの暑さ、冬は雪が吹き込むほどの寒さに見舞われ、今時の快適な一般家屋とはおよそ縁遠い住環境なのです。

茅葺の家々は、便利さを増す時代の波に押されるように今やその殆どが姿を消しました。 川辺が整備されて天然の萱が激減したことで、建物だけでなく茅葺屋根の保存も年々困難になりつつあります。

そんな現代にありながら、私達は敢えてこの不便で希少な建物を守り続けています。
なぜなら、一度失われてしまったら二度と再建がかなわないからです。
ここに宿るのは、今も昔も変わらない西屋への熱い思い、絶えることのない温泉への感謝と共生の日々、
お客様に寛いで頂きたい一心で頑張る従業員の心。

西屋はそのすべてに感謝の気持ちを込め、時代に流されて新しいものに変えてゆくのではなく、約100年~200年前の建設当時の姿を、心を次の世代へ継いでゆく決意です。

女将 遠藤央子
湯滝の宿 西屋旅館 十九代女将 遠藤央子