若女将コラム

日々西屋と山を縦横無尽に駆け巡る湯守兼若女将の、マイペースなコラムです。好きなものは音楽・写真・自然・宇宙。

若女将コラム

好きな音楽のこと ~ワールドミュージック系~

2019.06.14

米沢のいい所あれこれ 【第24回:Edible 紅花②】




こんにちは。
とうとう今年もお留守番で源泉祭りに行けなかった若女将です。

最近虫干しを兼ねて「半日」着物生活をスタートさせました!!!…
といっても、実際はなかなか着ている場合じゃない日が多いんですが…。
気温も天気も激しく変わるので、あまり外気に左右されない綿着物
(30~60年前くらいのヴィンテージ絣)が大活躍。
幾世代にもわたって着こまれてきた着物は肌触りがよくていいわよー。
洋服感覚でいたいので、衿芯も帯板も付けず、背中が楽な矢の字や
かるた結びで済ませています。普段着物の“格”はいいとこ部屋着+αくらい。
別に外に出るわけじゃないので、気になりません。
いつかゴフクヤサン.comの可愛いニャン柄帯を買いたい♡♡



さて、前回ご紹介した「紅花」の巻。
実は…もう1品ご紹介したいものがあるんだす。

先日、紅花あいすの取材で米織会館さんを訪れた時のこと。
事務局の方に「食べられる紅花」のお話をしたところ、私がアイスを頂いて
ポケ―っとしている間にいろいろ調べてくださったようで
「こんなのがあるみたいですよ!」と、
漬物の丸昌「紅花らっきょう漬け」を紹介して下さいました。

地元米沢の漬物屋さん、しかも紅花使用!!
初めて耳にする商品名に思わず飛びつきましたが、なぜか市内の
スーパーではとんと見かけません。サイトを調べたらどうやらネット販売が
主流らしいことが判明しました。

・・・というわけで、取り寄せてみた。



こちらが紅花らっきょう↑。
味付けというよりは、色身を加えるために紅花を用いたようです。



↑ほんのり浮かんでいるのが紅花の花弁。
某ピリ辛らっきょうみたいな見た目ですが、らっきょう自体の形はずっと大きく、
鮮度の高いうちに漬け込んだのか、写真よりも透明感があります。

さて気になるお味は…

美味ではないか!!!!

いやこれ本当美味しい。
酸味は効いていますが全然ツーンとしません。
ほのかに甘みがあり、びっくりするほど品がある(やっぱり)お味。
ちょっと出会ったことない逸品です。一袋540円(税込)と、普段見かける
同じくらいのサイズのらっきょに比べてかなりお高めではありますが、
いやいやなかなか。食す価値ありですわよ。
普段食べるというよりは贈答用に向いているかもしれません。
漬物が好きな方ならきっと大満足するはず。
丸昌さんでは他にも米沢の伝統野菜丸ナスを使った各種漬物や
季節限定の雪菜ふすべ漬けなど、素材の持ち味を生かし身体に優しい製法に
こだわった商品がそろっています。
気になった方。ぜひ味わってみてください。

スイーツじゃありませんが、変わり種の紅花らっきょう漬け。GJ!

【漬物の丸昌(後藤商店)】
〒992-0003 山形県米沢市窪田町窪田413-3 
電話(フリーダイヤル)0120-37-5378 
実店舗はありません。オンラインサイトはこちら




むっふ。お待たせしました今日の一枚。

Deep Forest "Comparsa"

Deep Forest(1998)

Noonday Sun(Youtube)
Deep Weather(Youtube)


ヒーリング・ワールドミュージック界ではすっかり大御所の存在感。
日本にもファンの多いDeep Forest。3rdアルバムの本作では、
マダガスカルやキューバ、ラテンアメリカ系のミュージシャンを
ゲストに迎え、聴きごたえ抜群な1枚に仕上がっています。
Noonday SunやGreen And Blueでは、当時100歳のマダガスカル歌手
(マダム・サナだったっけ?)の明るい歌声をサンプリングし、ラテンポップな
曲が心を晴れやかにしてくれるし、Deep Weatherではあのウェザー・リポートの
故ジョー・ザビヌルがメロディックなアコーディオンで参加しています。
穏やかな夕暮れの海上のような優しい旋律がどこか懐かしくて大好き。

ちなみにComparsaとはスペイン語でカーニバルのアマチュアバンド
(一般名詞)を意味する言葉です。楽しそうに談笑をしたり、くつろいだ
様子で料理をするアルバム参加メンバーの写真がブックレットに紹介されて
いて、見ているだけでもいい雰囲気が伝わってきます。
ほかにも「地球上で地震が起きるのは、人知れず月と地球が戦っているから」という
ラテンアメリカの古い伝説を、ミュージシャンの一人が静かに、しかし壮大に語る
EarthquakeとLa Lune se bat avec les etoilesなどなど、まぁ盛りだくさん。
日本版ボーナストラックでは、前作Bohemeからホンダ「シビック」のCMに
起用され大人気を博したFreedam Cryが収録されています。
全体に明るい曲調なので、大変おススメ。らっきょうもおススメ。
今日も美味しい音楽と漬物をいただきます♪

2019.06.02

米沢のいい所あれこれ 【第24回:Edible 紅花】


こんにちは。
どんなフェイントにも怯まず、ガードカウンターできるようになりたい若女将です。
インドカレー最高。



娘「はなちゃーん、ただいまーっ。ほっぺびにょーん♡」
はな「ぐぬぬぬ…」




つい先日、思い切って家庭用の冷凍庫を買いました。見切り発車ゴーゴー!
どこまで使いこなせるかシャア専用ザクならぬコストコ専用フリーザー?!

「ザクとは違うのだよ、ザクとは(ぐふふ…)w」

この白グフを迎え入れるにあたって予め食品庫から居間のラックの
中身から総入れ替えしておいたので、格納庫(初期設定)はばっちり。
本格的な山籠もり生活体制が着々と整いつつあります。
自ら人里を遠ざけていくスタイル。いいんだか悪いんだか。



さて今回も「米沢いい所」シリーズです。だんだん音シリーズ並みの
マニア路線に傾きつつあるともっぱらの噂(?)ですが、そうと知ってて
メジャーな観光案内にはなかなか載っていない米沢の魅力を敢えて
ピックアップしておりますので、「こんなものがあったんだ~」と気軽に
楽しんで頂ければ幸いです。

今回は第24回目、多分今まで誰も取り上げたことがないであろう
ユニークなEdible“食べられる”紅花(主にスイーツ)を特集してまいります。

一つ目は、当コラム「米沢いい所あれこれ」シリーズ第2回でも
ご紹介したことのある米織会館さんにてただいま販売中の「紅花あいす」



上杉神社の参道から東に100メートルほど歩いたところにある洋館風の
建物が米織会館さんです。この中で紅花あいすが販売されているわけですが、
実は以前伺った時から気になっていました。




今度こそはとお邪魔し、初注文!



会館に入ってすぐ左に休憩コーナーがあって、
そこで(麗しい米織の生地や着物の見本を眺めながら)頂くことができます。
さて、ふたを開けると…



おぉ、ほのかなピンク色!なんて美しい色だろう!!
こちらのアイスは紅花紬で有名な新田織物さん(米沢市)と
お菓子メーカーさんとのコラボだそうです。



ちなみに紅花染めの米織一例はこんなかんじ↑
この繊細な色遣いがまさかスイーツでも再現できるとは。紅花おそるべし。
紅花だけでなく、シルクまで練りこまれているという気合の入れようです。
決して着物を食べているわけではありません?!

肝心のお味は…なんとも不思議。フルーツ系のジェラートとも違う、
ちょっと濃厚なバニラのアイスとも違う、上品で、奥深いコクとほのかな
甘さが花びらのように広がります。絹って&紅花ってこんな味なんだ…と
感動すること請け合い。

1個360円(税込)なり。かのハー〇ンダッツもビックリのお値段ですが、
そもそも素材がレアでリッチだし、だいたい他では買えないもの。
米沢を訪れたらぜひ一度味わってみて頂きたい逸品です。



お次は場所を変えて、市内金池にある菓子処:錦屋さんに参りました。





錦屋さんはお隣川西町に本店を持つ地元の老舗菓子店の一つです。
そこで売られているのが…



じゃーん!ズバリ紅花饅頭(まんじゅう)
ふわふわの蒸しまんじゅう生地に紅花がダイレクトに練りこまれています。
ところどころ放射状に見える筋が花弁ですね。
生地全体も紅花カラーの温かみある黄色で、小ぶりながら存在感があります。
お味も紅花アイスと同じく、品のある(本当に他に表現が思いつかない!)
味わい!なんというか、本当に上品なのよ。こしあんの甘さも程よく
マッチします。日持ちはしないのですがお土産におひとついかがでしょう。
気軽なお茶請けにも◎。



お次はこちら。紅花つむぎ。ネーミング!紅花紬!!
生クリームとふうき豆(山形市発祥のグリーンピースのお菓子)餡を
紅花入りのふわふわスポンジでサンドしたボリュームのあるお菓子です。
(写真のカット面が全然きれいでなくてすみません(汗)
かじってないよ!ナイフでカットしてありますのでご安心を(?)。)

饅頭とはまた違い、和の素材をふんだんに使ったケーキといったところ。
どちらかというと中身のほうがパンチが効いているので、
上記2点に比べると紅花風味は控えめです。

まんじゅうとクリームサンド、どちらを選ぶかはお好みでどうぞ☆

ところで錦屋さんは大変創作意欲があるお菓子屋さんで、
紅花のほかにも地元の特産品を使ったユニークな和洋菓子を数々
プロデュースしています。たとえば…



米沢牛パイ!!
いきなり米沢の本命キタ――(゚∀゚)――!
本当に米沢牛が練りこまれた旨味たっぷりのパイです。




同じシリーズで、ネーミングも強烈な「鯉していっパイ」(鯉入りパイ)に、
「うこぎパイ」(ご存じうこぎ入りパイ)なんて商品も↑。
成分は少なめですがそれぞれちゃんと風味が感じられます。
形は原材料にかかわらずどれもおしゃれ(?)なリーフ型。
約2か月ほど日持ちもするので米沢お土産におススメです。
行ったつもりで米沢牛。食べたつもりで鯉のパイ。
特に鯉。すごい。うなぎパイとタイマン張れる。

…とまぁ、最後すっかり話が脱線してしまいましたが、
美味珍味なエディブル紅花+αラインナップ、いかがでしたでしょう?
米沢には単なる伝統食・特産品だけではなく、こんなユニークな
スイーツがあるんです。奥深いでしょ?

いずれは着物バージョンでも紅花の紬や米織の素敵な織元さんも
ご紹介したいと思いますので、どうぞお楽しみに…。

【米織会館(米沢織物歴史資料館・おりじん)】
〒992-0039 山形県米沢市門東町1-1-87 
電話 0238-23-3525 
営業時間と定休日 
4-11月 9:30~16:30(無休)
12~3月 9:30~16:30 (土日・年末年始休み)
駐車場 建物の前に数台分あります。

菓匠庵 錦屋(金池店)
〒992-0044 山形県米沢市春日1-2-9 
電話0238-21-9218 
営業時間 8:00~18:30 
駐車場 お店の敷地内に7~8台分あります。





さてさて最後になりましたが、今日の一枚(二枚?)はどれにするかいな。

Karl Jenkins "Symphonic Adiemus"

           Karl Jenkins(2017)
(↑のサムネイルをクリックすると、1トラック目の
"Adiemus"(Youtube)が視聴できます)

イギリスのクラシック系現代音楽作曲家、カール・ジェンキンス御大。
彼がプロデュースした「アディエマス」のシリーズは、独特の言語による
コーラスと勇壮なリズム、さらにオーケストラ(ロンドンフィル)との
ドラマチックな融合から大ヒットし、リリース当時日本でも一世を風靡
しました。1999-2000年にかけて放映されたNHKスペシャル
「世紀を超えて」ではOPテーマにも採用されたので、ご記憶の方も
いるでしょう。異世界の物語のように壮大なアディエマスワールドには
私もどっぷりハマったものでした。
こちらのアルバムは、そんなアディエマスシリーズを中心とする自身の
往年ヒット作をさらにオーケストラ&合唱曲に編曲したものです。
個人的にはミリアム・ストックリーによる力強く原始的な歌声が幾重にも
響く初期アルバムのほうが好きなんですが、全体的に聴きやすくまとまって
いるアルバムなのでおススメとしてピックアップしました。
名曲の数々が重厚なコーラスになって甦るぅう。

Karl Jenkins "PIANO"

                                Karl Jenkins(2019)
(↑のサムネイルをクリックすると、3トラック目の
"White Water"(Youtube)が視聴できます)



一方のこちらは、同じく人気曲を選んでカール本人がピアノアレンジ
したもの。どれも良アレンジ。沢のせせらぎやそよ風のような、優しい感動が
聴く人を包み込んでくれます。心癒せるひと時をお求めの方にはこちらがお勧め。

ちなみにカール氏の作品で私が好きなのは、
ご存じ「聖なる海の歌声(Adiemus)」、
雨の日もハッピーな気分になれる「レイン・ダンス」、
冒険物語が中盤に差し掛かり、今度は仲間とともに飛空艇で新たな空の
舞台へ旅立つ!新展開の幕開けのような(どういう例えだ(笑))
「In Caelum Fero」、「Zarabanda」「Hymm」
そして現代ミサ曲「The Armed Man」などなど…(すべて原曲版)が好きです。

音楽も着物もカレーも最高ね!

2019.03.08

音のある生活 21 「桃とペンギン?!」


こんにちは。
洋服をあまりにも持っていなくて、せっかく休みが取れても
出かけるたびに「服ない2971~♪」と騒ぐ若女将です。



この間のひな祭りの日のこと。
娘「菱餅を食べてみたい!」
ひな祭りといえば蛤、ちらし寿司、そして菱餅!!

…というわけで日曜日、送迎担当を交代してもらい、
家族連れでごった返す麓のスーパーを訪ねました。
迎えの予定まで時間があまりなかったので、
寄り道しないよう娘の手をがっつり引き、
寿司ネタだのオードブルだの白酒を模した甘酒だの、
ひときわ買い物客で賑う桃の造花に囲まれたひな祭り特設コーナーへ一直線。
菱餅その他必要な材料をゲットしてすぐ店を後にするつもりでした。

が!いくら探し回っても目当てのブツがない!
念のため店員さんに尋ねましたが、なんと「今は扱っていない」
というショッキングな回答が。うそーん。ひなあられはあったのになんで〜。

地元のお菓子屋さんがテナントで入っている銘店コーナーにも、
途中で立ち寄ったお菓子屋さんでさえも、とうとう見つけられませんでした。

今時流行らないの菱餅?あのほのかに甘く柔らかい、
クチナシ、白、ヨモギカラ―のソリッドな形がオシャレな菱餅。
だめじゃん日本人。和食は今や無形文化遺産よ。
食生活がボーダレスに多様化している今こそ和食の何たるかを見直し、
歴史に育まれた四季の行事と食文化を同時に見て味わうことができる
数少ない年中行事なのに。
島国日本の希少な文化が失われていく様を、
よりによってひな祭りその日に目の当たりにしてしまうとは…。
私は一人、特設コーナーの最上段を陣取るアンパンマンの男雛
(必ずといっていいほど女雛がメロンパンナちゃんなのも解せぬ。

たまにはドキンちゃんを持ってきて呉越同舟すればよかろうに(爆))
を凝視しながら、漠然と未来が窄まっていくような妙な焦りを
感じてしまいました。

え?考えすぎ?
そうかもしれない。しかし構うこたない。
こんなバカみたいに深読みしちゃう人間一人くらいいたっていいじゃないか。
別段世の中はもっとシンプルでいいのよ。人間だもの。
よくも悪しくも自由が保障された現代、そして短い人生。
健康管理は自己責任だとしても、食べたいもの・美味しいものを
自由に食べて幸せに過ごす方がはるかに有意義だものね。

そもそも餅好きの娘にぜひ、と思いスタートした菱餅クエストですが
そんなこんなであえなく手柄なしで終わりました。
よかろう。ないならしかたない。来年は自分で作る(宣言)。

とりあえず買ってきた材料をもとに、出来る範囲のひな祭り料理を
こしらえた次第でした。



↑こちらお吸い物。蛤本来の味を損なわないよう、
板前さんに分けてもらった白だしだけをベースにつくった
シンプルかつシンプルな一品。こういう味が私は好きです。
しかし肝心の子供達は「貝殻は好きだけど中身はちょっと…(汗)」
などとのたまう始末。まぁ仕方がありません。普段なかなか食べない素材だから。
というわけでウケはイマイチでしたが、見た目と味の記憶は残るはず。
今後も時間の許す限り、こういう機会を作っていきたいと思う私です。

言葉では表現しきれない日本のアイデンティティが
日々の暮らしの中で失われていかないように。
親から子へたくさんの物事や愛情を直接伝えていきながら、
共に過ごす時間がいつも幸せであるように。

※ 

というわけでやってまいりました今日の1枚。

”Penguin Cafe Orchestra”

Penguin Cafe Orchestra(1982)

ペンギンカフェオーケストラは、イギリスのギタリスト、
サイモン・ジェフズ氏が率いていた1976年デビューのグループです。
プログレやらアンビエントやら、とんがった最先端ミュージックが
持て囃されていた1980年代に、敢えてアコースティック楽器を
メインにゆるくほんわかした作品を発信し続け、好評を博しました。
グループ名よろしく、どのジャケットもペンギンとペンギン…の
かぶり物をしてなぜかあとはほぼ全裸(!)の人間が語り合う図という、
ユーモアなのかジョークなのか分からないインパクト抜群のジャケット。
何を話しているんだ君達(笑)
曲調もどこかコミカルでありながら、ウクレレやバイオリン、ギターなどが
奏でるメロディーは人間味のある温かさに満ちていて、聴いていて癒されます。
こちらの2ndアルバムは私が初めて聴いたペンギンカフェでした。
電話のプッシュ音をサンプリングしたTelephone and Rubber Bandが特に好きです。
1枚目のアルバムもオススメ。特にThe Sound Of Someone You Love Who's
Going Away And It Doesn't Matterが秀逸。
「彼女にフラれたけど大したことじゃないよ(ふふん)」と余裕のはずが、
だんだんメンタル崩壊していって「未練タラタラだよこんちくしょうぅぉおお」みたいに
錯乱していく様子(?)がバイオリンやチェロだけで見事に表現されています。

サイモン・ジェフズ氏は1997年に惜しくもこの世を去りましたが、現在は息子さんが
後を継いでいるようです。まだこちらは未開拓なので、これから聴いていくのが
楽しみ。

2018.12.30

音のある生活 17 「過去を振り返って」



こんにちは。♪猫はこたつで…定員オーバー!!若女将です。
この年末は子供達を実家、もとい雪のない下界に疎開(?)させ、
母は元気で寒波最前線。
同じく山篭り道連れ組のニャンコ達は、自宅唯一のオアシス:
猫タツで毎日場所取り合戦。



今日ははなちゃんが溢れ気味です。

はな「なによ~寒いじゃないの!」

大きめの毛布でカバーしているので温かさは保証されていますが…
これじゃまるでテトリスもといテト猫。
だいたい人間様用のこたつも我が家にはないのだよ。何とか仲良く頑張っておくれ。





さて、今年も残すところあとわずかです。
みなさん、どんな1年をお過ごしでしたか。
嬉しいこと、悲しいこと、出会い、そして別れ…
沢山の出来事があったと思います。
私も新しいことにチャレンジし、壁にぶつかりつつも、
(恐らく)坂を下ることなく自分なりに悔いのない1年を
過ごしてこられたと自負しています。

つい先日の天皇陛下のお誕生日の会見は泣けましたね。
終戦を迎えてから今日までの長い間、どんな思いで日本と
世界を見つめてきたのか、奥さまである皇后陛下はじめ
国民全ての人への優しさと願いがひしひしと伝わってきました。

”位を譲るその日まで、天皇としての立場を模索しながら勤めを果たしていきたい…”

80歳を過ぎてなお研ぎ澄まれつつある、過去・現在・未来を見通す叡智と
深い慈しみ。私は人生まだまだ道半ばですし、立場も違うし、この先どこまで
進んでいけるかは分かりませんが、少しでもその精神を見習いたいもの。

発達心理学によると、人は晩年、生物学的に衰え肉体が死に向かう一方で、
人生の最後の瞬間まで成長し続ける“力”が備わっているんだそうです。
その力を実際に発動させるには、自らの過去を肯定的に受容することが肝要だと。

というわけで、今日は1年の締めくくり、はたまた人生の節目で自らの心を
穏やかに見つめなおしたい時にぴったりな1曲をチョイス。

加藤登紀子「時には昔の話を」
(←Youtubeの原曲版)

@スタジオジブリ「紅の豚」

1992年夏に公開されたスタジオジブリ映画「紅の豚」の
EDとなった加藤登紀子さんの「時には昔の話を」。この曲は元々
彼女本人の作詞・作曲ですが、菅野よう子さんの編曲版である
ED版が広く知られています。昔の男友達(?)と馴染みの喫茶店で
コーヒーを飲みながら昔話に花を咲かせる、という大人ドラマチックな
内容で、ジブリソングズの中ではトップ3に入るほど大好きな曲です。

加藤さんはかつての学生運動時代、リーダーの一人であり当時
獄中にいたご主人との結婚・出産という壮絶な経験をしています。
そんな彼女が見てきた激動の時代や生き方をそのまま歌にした、
と言ってもいい曲なんですが、旋律はとても穏やか。
”嵐のように燃えていた毎日”も今となってはセピア色のいい思い出、
”今ではどこにいるのかわからない友達”もいるが、きっと
”あの時と同じような夢を描いて、どこかで走り続けているだろう…”
…素敵です。
決していいことばかりだったわけではない過去も、かつての仲間も
一切否定しない、その潔く深い思い。

私も人生の終点が近づいてきたら、歌いながら
「わが生涯に一片の悔いなし(ドゴーーン)!!」
天に向かって高らかに宣言したい(キャラ違う(笑))。

今宵も素敵な音楽に耳を傾けながら、
どうぞ楽しい年末年始をお過ごしくださいませ。

2018.07.21

音のある生活 11 「Jerusalem 平和への讃歌 」




(半年前、白布はこんな景色でした。まるでウソみたい(汗))

一体いつから!?
最早カウントする気にもならないくらい暑い日が続いていますね。
皆さん忘れずに水分補給を続けていますかー!?

森の草木にとっては試練の夏、裏の沢はもちろん、
最上川源流も水量が激減しています。枯渇しないのが奇跡に思えるほど。


(↑上杉神社で育てられているスイレン。7/11撮影。美しい花が咲いていました)

半年もしないうちに写真のような冬が再びくることは分かっているのですが、
いっそ今来てくれ!と思いたくなる。
というわけで白布も真夏の日々です(30度はぎりぎり切っていますが…)。
せめて写真で涼んで下さいませ。。



さて、久しぶりに「音のある生活」シリーズです。
自分で言うのもおこがましいのですが、
このシリーズになるとほんとマニアな予感しかしない(笑)

今日ご紹介するのは、カタルーニャ(スペイン)出身の
ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者にして指揮者・作曲家、
ジョルディ・サヴァール(Jordi Savall i Bernadet)が2009年に発表した
壮大な歴史音楽絵巻「エルサレム~二つの平和の都市:天上の平和と地上の平和」です。


"Jerusalem - La ville des deux Paix"(2009)

ジョルディ・サヴァールは、長い間歴史に埋もれていた古代~近世古楽の
再発見とその保存・演奏に長年取り組んできた音楽史の功労者。
彼が世に送り出したCD・音楽はかなり膨大な量で、私も全部は聴ききれていません。
氏がプロデュースしたアンサンブルグループ・エスぺリオンXXI(名前カッコよすぎ!)
演奏によるルネッサンス~バロック期の時代の音楽が多めですが、
広く中東~アジア圏の音楽史に残る楽曲やその演奏家との交流による
コンセプトアルバムも複数手掛けており、そのどれもが傑作・大作揃い。

例えば日本史でも有名な宣教師フランシスコ・ザビエルの足跡をたどった
「イスパニアと日本の対話(2011)」では、聖歌やルネサンス楽曲の他
琵琶や尺八といった日本古来の楽器や能楽が登場。ザビエルが旅した当時の
世界を物語のように描いていますし、
今年初めに発売された「Venezia Millenaria(ヴェネツィア千年紀)」では、
イタリアの古都ヴェネツィアにまつわる音楽をビザンツ~バロック時代から
pick up(ヴィヴァルディも入ってる!)した記念碑的な一枚です。
歴史が好きな人なら尚更聴き応えがあるはずです。

さて、今回ご紹介する「Jerusalem」。
文字通り、神話から続く古の都エルサレムの長い歴史を
“平和”というコンセプトでまとめた2枚組の長編アルバムです。

序曲となるファンファーレはサヴァールの作曲とされていますが、
世界最古の町と言われるエリコ(現ヨルダン川西岸地区)の名を冠しており、
紀元前1200年頃の曲が元ネタのようです。
しょっぱなから旧約聖書の時代にタイムスリップ。

アルバムは2枚組ですが、全体では7部構成になっており、
1.天上の平和:黙示録と審判の預言者たち
2.エルサレム、ユダヤの都市 BC1000-AD70
3.エルサレム、キリスト教の都市 AD326-1244
4. エルサレム、巡礼の都市 AD383-1326
5.エルサレム、アラビアとオスマン・トルコの都市 AD1244-1516
6.エルサレム、避難と流浪の都市 15-20世紀
7.地上の平和:義務と希望

歴史をたどりながら、エルサレムに寄せるさまざまな人々・
民族の思いを演奏しています。

とにかく民族色、宗教色豊か。古楽器あり、ヴードあり、コーランあり、
グレゴリオ聖歌ありetc…
もちろんサヴァール本人も指揮を兼ねてヴィオラ・ダ・ガンバで参加しています。
彼の奏でる素朴な音色が不思議に民族楽器と調和し、
遠い異国の世界を
見事に表現しています。
また、途中には朗読も入っています。それもただの読み聞かせではありません。
タルムード(モーゼが伝えたといわれる、十戒とは別の律法)の一部を
ヘブライ語で朗読したもの、
十字軍のエルサレム進軍に際し、時の教皇ウルバヌス2世が寄せた言葉を
フランス語で読み上げたもの、
ムハンマドがメッカからエルサレムを訪れた際の一節をクルアーンから
アラビア語で詠唱したもの…

実際何と言っているのか分かりませんが、ただならぬ言葉のパワーを感じます。
エルサレムにかかわる作者不詳の器楽曲も多数取り上げられており、
よく編集したなぁと感心するばかり。

第6部の最後では、その美声と歌唱力からナチスの温情を受け、ホロコーストを
生き延びたというユダヤ人歌手:シュロモ・カッツが1950年に歌った
アウシュビッツ犠牲者の鎮魂歌の貴重な録音も収録されています。
(朗々としていますがとても哀しげな歌声です。)

中東地域の歴史を深く掘り下げた書物は数あれど、エルサレムという
未だに難しい民族問題を抱える都市を巡ってここまで色彩豊かに
まとめあげた音楽作品は他に類を見ません。

最終章となる7部では、複数の言語で祝詞のような平和への誓願、
そして中東の古典声楽であるガザル(Ghazal)の一つが歌われています。
一つの旋律を、それぞれの民族の皆さんがそれぞれの言葉で朗々と歌うのです。
元ネタは古典的な恋愛叙事詩(詩的様式)ですが、平和への誓願同様
神様へ向けた内容らしく、特に宗教色の強い曲を選んだのでしょう。
アラビア語、ヘブライ語、アルメニア語、ラテン語、ギリシャ語、
ラディーナ(ごく限られた地域で使われているユダヤ系の言葉)…
これらの歌声が各地の楽器演奏をバックにまとまっていく様は荘厳極まりありません。
最後の「Final Ensemble」で声楽器楽が一つになり、大河のような大合唱に
昇華していく様は、聴くだに激しく魂が揺さぶられます。
最初に聴いたときはあまりの感動で涙が出ました。

…とはいえ実際聴いてみなきゃ雰囲気伝わってきませんよね…
素晴らしいことに8年ほど前のライブの様子を映したYoutubeを見つけたので
リンクします↓


(Jerusalem La Ciudad De Las Dos Paces - Concierto de Jordi Savall - Youtube)
※画像をクリックするとYoutubeにリンクします

全編観ようものなら2時間オーバーのスペクタクルになってしまうので
(珍しい民族楽器&衣装のオンパレードで観ごたえは十分ですが)、
能書きはいいまず結論だ!という方は最後の10分だけでも
ご覧になって見て下さい。口の動きと音楽がちょっとずれてたり、
CD版と多少編曲が違っていたりしますが、
雰囲気は十分伝わってくると思います。

既に故人となった音楽家もいるわけですが、この讃歌が末永く歌い継がれ、
エルサレムだけではなく、戦火の絶えない地、今の世に生きる人々の
全ての心に希望と平和が高らかに光り輝くことを願わずにはいられません。


2017.11.08

音のある生活 4 「四葉さんのピアノソロ」




11月に入って早くも一週間以上経ちました。本格的な冬はまだですが、いつ雪が降っても
おかしくない白布温泉です(写真は4年前の11月11日)。

米トランプ大統領(と娘さん)の訪日がいろいろ話題になっていましたね。
私はニュースを時々広く浅くネットからしか拾わない性質ですが、
かいつまむだに相当な過密スケジュールだったと想像できます。

そりゃ一か所に悠々留まれないわけで、後ろから「次の予定まで時間がない」と
言われたら、鯉の餌の残りくらいドバーッせざるを得ない。
まるで現代人の忙しさを凝縮したような一幕そして滞在だったわけですが、
なぜか微に入り際に入り批判する人が少なくありませんでした。
会ったことのない、知り合いでもない人をほんの少し垣間見ただけで、
あたかも相手が目の前にいるかのように人間性がどうとか言えてしまう。
冷静に考えたらなんとも妙な話です。


生活は絶えず目の前に流れる時間と共にあり、切り取られた一時の“動画”ではありません。
なのに動画やほんの軽い気持ちで発した言葉があたかも全てのように伝わってしまったら、
切り口次第で人なんていいところが一つもない存在だと(逆もしかり)いくらでも錯覚できてしまう。
それは本当に相手を正しく映し出した鏡と言えるのだろうか?

Twitterでは例の事件以来、自殺をほのめかすハッシュタグが溢れるようにもなりました。
孤独を訴える人の多さには驚くばかりで、悲しくなります。
事情はさまざまあれど、死が聖地に見えるほど追い詰められているということなのでしょうか。
凄惨な事件の被害者しかり、本当はみんな死にたくはない(なかった)はずなのに。

「死ぬ勇気があるなら、死んだ気で生きろ」
「あなただけじゃない、もっとつらい人がいる」


こんな言葉は、彼らに決してかけてはいけない。余計孤独に追いやりかねません。
ただ誰かにそばにいてほしい、話を聞いてほしい、この世に心安らげる居場所が欲しい、
温かい人と人の繋がりに還りたい…人らしく生きたい。
上手くは言葉にできませんが、本当の願いはそいういうことなんじゃないのかな。




社会が成立しているようで孤独になりがちな今の世の中、こんな悲しい出来事が続くと、
私達旅館業に何かできることはないだろうかと深く考えてしまいます。




出張はできませんが、ご来館時にはいつでも気軽にお話をしてほしいし、
ゆっくり温泉につかって心身を(物理的・精神的に)温めてほしいし、
近くを散歩しながら自然に触れ、ひたすら穏やかな時間の流れを
(生きている実感を)取り戻してほしいと願う次第です。



それでも寂しいと思うとき…
嵐のようなやり場のない怒りが治まらないとき…
心が冷たいままでどうしようもないというときには、こんな音楽はいかがでしょう。

四葉「憂鬱を癒すアロマ・ピアノ~四葉 ヒーリング・ピアノ・セレクション」


2012年からコンセプチュアルアーティストとして活躍する
四葉(しば)さんのアルバム。2015年発表。
アロマ・ピアノというタイトルですが、前回のフレグランスシリーズとは違い
「アロマ=癒し」にスポットを当てたソロ・ピアノシリーズの一枚です。
四葉さんはオフィシャルブログの他Twitterアカウントもお持ちです。
iTunesで楽曲を購入できるほか、Apple Musicでは10枚のアルバムを聴くことができます。

どれもゆったりとした優しい旋律で、さざ波のように沁みわたる素敵な曲ばかり。
最近は私も繁忙期疲れから、日中の事務作業の時や子供たちと食事する時など、
パンチのある洋楽等でなく四葉さんのアロマシリーズを高頻度でかけています。

イライラした気分や、落ち込んだ心が不思議と溶けるように消えていきます。
そのまま眠るのもGood。

皆さんも、ティータイムや寝る前のホットしたいひと時などにいかがでしょう。

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