若女将コラム

日々西屋と山を縦横無尽に駆け巡る湯守兼若女将のかなりマイペースなコラムです。
内容はすっ飛んでいます(というかほぼ西屋に関係ない話題ばかり)。ぜひ楽しんで下さいませ。

若女将コラム

2021年01月

2021.01.31

米沢のいい所あれこれ 【第34回:「菊太郎 新富」】


こんにちは。
団子といえばこしあん&くるみ餡派の若女将です。


去年の終わり頃からようやくぼちぼちと普段着物モードを始めました。
といっても、オンの日は湯守や調理場での洗い物etc…和装ではちょっと
動きにくい仕事(前者はむしろジャージで武装したい)も兼ねているため、
まだ丸一日着っぱなしというわけではありません。
徐々に着物での日常生活活動に慣れて、最終目標である
「起きてる間中着物フィーバー☆」を目指しながら、無理なく楽しく
続けよ~♪くらいのゆるいペースです。
着物いいよ着物。ぬふふ。


↑本当はね、ダークで大正モダンな鬼舞辻無惨タイプ(?)が大好きよ。
出かけるときもちょっと派手目に粋に決めたいとか思っていますの。
着物…大女将のお下がりのソーシャルディスタンス気味な総絞り
帯…祖母のお下がり(昭和初期)
半衿…米織会館で買った端切れを加工
帯揚…何年も前にほどいた義伯母の道行→洗ったら縮んじゃった→
綸子がなんちゃってちりめんに化けたのでそのまま帯揚に再利用
帯締め…母のお下がり(昭和30~40年頃)

でもね、実際の”普段着”はさ、



↑こんな感じなんだな。
着物…昔々リサイクルショップで見つけたン百円のウール
見えないところに穴があったりほつれがあったり
帯…手芸屋さんで買った生地から作った半幅帯
半衿…手芸屋さんから買っ(以下略)

まぁどっちにしてもほぼ新品ナシです。自分で買った着物や帯(新品)は
冗談抜きで片手で数えられるくらいしか…ない!!
それでも着物に関して物欲が働かないのは、こういう気負わずに付き合える
お古に恵まれているおかげなんだろうな。え?虫食い?ほつれ?
大丈夫、大丈夫。羽織を着ればあら不思議、ちゃんとした格好に見えちゃうから。
着物いいよ着物、ぬふふ。





相変わらず長すぎる前置きが唐突に変わりまして、
今日は米沢市内の美味しいお蕎麦屋さん第2弾。

米沢いい所あれこれシリーズ第34回
「菊太郎 新富」さんのご紹介です!




場所は米沢東高校の近く、上杉神社の北側にあります。
“菊太郎”というのは奉公の身から苦労して腕を磨き、
お店を開いた初代のお名前だそうです。







お店の中は古き良き古民家を思わせる落ち着いた色調で、
個室に仕切られたテーブル席と座敷席があります。
奥には宴会も出来る座敷があり、昔ながらのお蕎麦屋さんの風格が
そこかしこに伝わってくる素敵な佇まいです。





こちら定番のざるそば。西屋主人のイチオシです。
豊かなそばの香りとしこしこした歯ごたえがたまりません~。
シンプルにお蕎麦の美味しさを味わいたいならまずはざるから!





こちらは息子が大好きな天丼。
海老や野菜のあつあつ天ぷらがどっさり!
伊之助も目の色変えて飛びつくこと請け合いの豪華ボリュームだ!!





こちらは一品料理のげそ天です。
これがまた美味しい。揚げたての熱々を岩塩と共にどうぞ!






一方私が好きなメニューはズバリ鴨ざる(冬季限定)。
ダシの効いたおつゆがのど越しの良い蕎麦とよく合います。
鴨はとても栄養価が高く、冬の寒さもじんわりほどけていきます。
ああ…また行きたい。

他にもまだまだメニューがありますので、

ぜひ好みの一品を見つけてみてください。

【菊太郎 新富】
〒992-0044 山形県米沢市城北1-8-20 
Tel 0238-23-0666
営業時間 11:15~15:00 17:00~20:00
定休日 木曜日
駐車場 お店の前に駐車スペースがあります。

2021.01.16

音のある生活 42 「冬の嵐の道しるべ」




1月13日、今年初めて上がった天元台高原↑。
冷たい風が吹きすさぶ標高1300メートルでしたが、意外と寒くなかった。
遅すぎる初詣ながらも天元台神社に手を合わせました。
小さいお社ですが、いつ来ても不思議な雰囲気です。

こんにちは。
正月休みの間に髪を20cm近くカットしましたが、自分から教えるまで
誰にも気づかれなかった若(…ええと、まだこれ付けてていい?)女将です。
元々“気をつけ”の姿勢で髪束を余裕で握れるくらい長かったのだから、
そりゃ先っちょ切った位では見た目殆ど変わらないわな。
四六時中結っていると本当に変化が見えません。
まごうことなき身体の一部です。はい。




2021年はコロナGoto感染拡大キャンセルボンバーで西屋内も作戦変更また
作戦変更、さらに大寒波による大雪との戦いがいっぺんにやってくるという
前代未聞の大混乱の中スタートしました。

暗い話題ばかりが延々わいてくるニュースはとりあえずシャットアウト。
目を通すだけでひどい方の二日酔いみたいになるし、逆にかじりつくように
聞き耳を立てたところで、希望や答えなんて出てこないから。
この状態が当分続くのはほぼ間違いないでしょう。凹むヒマがあったら、
同じ時間をもっと有意義に使ったほうがマシだと考えることにしました。


実際今の世の中、自分の力でどうにもできないことだらけです。
世知辛いとかいうレベルじゃない。

今我々が置かれている場所は、
さながら一面雪に覆われた真冬の山のようです。



見るものを圧倒する、荒涼とした白銀の世界。
寒さ、静けさ、あれほど眩しかった生き物達の絶望的な気配のなさ。
全てが痛冷たい。

自分が行きたい場所は分かっている筈なのに、
そこに至る道(方法)が全く見つからない。
人を寄せ付けない山奥へ敢えて足を踏み入れる畏れと緊張感ばかりが、
凍てつく風になって無数の細かな針のように刺さってきます。

実は先月末、表層雪崩で沢の上流が堰き止められて(真冬あるある)、
たまたま現場に居合わせた東屋のベテラン番頭さんと一緒に山奥の堰堤を
指しました。まさにこの「冬山いきなりメンタル詰む」状態でした。

しかもこういう時に限ってかんじきを装備してこなかった迂闊。
冬でなければ5分そこらでたどり着ける目的地ですが、腰までの雪の中
ゆうに40分はかかったと思います。さらに途中には川から4~5mほどの
高さの水路があり、四角い筒状のそれの上を渡って通っていかなければ
ならない箇所があるのですが、その幅約50㎝弱。
そもそも水路だからもちろん手すりはなく、加えてその上に雪がどっさり
積もっていてどこが縁なのか全く見えないという(惜しい写真撮ればよかった)。
うっかりこけたら川まで真っ逆さま、大怪我必至の鬼コース付き。



(↑ちょっと行かないでいると、三十三観音の沢も雲海の彼方の
夜空のように遠くなる。この穴の深さは私の身長を完全に超えています)

しかし行かねばならぬのだ。寒波だろうが大雪だろうが。
天候が緩むのをあてどなく待ったところで、いつまでも沢に水が戻らず
お風呂の温度調はできないままです。途中で諦めて引き返してしまったら
それこそ苦労がパーになるし、その場に立ち止まっていても凍えるだけ。


「はぁ~ん、そんな山仕事ごときで何を大げさな~。」
そう思われるかもしれません。
自分でも「こんなことやって何の意味がある?」と空しくなる瞬間がある。


でも違う。違うんだよ。聞いてくれ。
温泉は温泉旅館にとって文字通り“”なの。
その魂を誰かが支えなきゃ、人を癒すことなんて絶対にできないんだ。
魂のない温泉旅館なんてのはねぇ、長ネギ入れ忘れた鴨汁、
ミレニアム・ファルコン号のないスターウォーズみたいなもんなの!!
(まぁ個人的にはハン・ソロがいない方がありえないけどね(爆)!!)




(愛器:トマホークで取水口の氷を渾身の力でバキバキ割っている最中に、
手伝いに来たはずの子供達が無情にも雪を落としてくるザ・修羅場の図。)

「どんなに志が高くても、実際は自分の手の届く範囲しか守れない」
前に友人が口にした言葉です。なんだよカッコイイなチクショー。
これ一見悲観的な響きに聞こえますが、見方を変えると「自分はただの無力じゃない」
と同義です。一つでも二つでも実際に守れるもの、できることがあるんだから。
ちょっと待てなんだよそういう意味だったのかあいつカッコイイなチクショー。

お客様が一人でもいれば、そのお客様に気持ちよく入れる温泉を提供する。
私湯守だから。明確な目標があるから、こんな不毛な山仕事だって苦にゃならんの。



コロナの渦中で観光業だけじゃなく社会そのものに傷が広がりつつあります。
何をすべきかはいつも自分で決めるしかありません。誰も時計の針は戻せない。
今更不幸を他人のせいにしたり、浅薄なマスコミの煽動につられたり、
見えない誰かと足を引っ張りあったりするの、もうやめよう。
自分の限界と、その中でできること、守備範囲がちゃんと見えてさえいれば、
気持ちが折れても正しい軌道に戻して、何度でも立ち直っていけます。
とても友人のようにカッコよくないしただのくっさい言葉ですが、
今これ以上分かりやすい真実があるだろうか。行動あるのみ。

ついでに国のお偉方、これ以上タイミング逃す前にオリンピックは諦めよう。
大人の事情を総動員して開催招致するくらい頭よろしいんだから、
今ここで人の流れを加速するイベントなんぞ強行したらどうなるかぐらい
想像つくだろうよ。守りたいのが自分の地位と名誉なら、尚更その矜持を
もって日本の経済と人命を守るんだ!!






春先か、もう少し先かは分からないけど、
いつか世の中が平安を取り戻す時まで、私は温泉を守ると決めています。
いつか帰ってくるお客様のために。そう思うから、頑張れます。
実にまとまっていないコラムですが気にしていません。
読みにくくてすみません。

頑張ります。今年もよろしくお願いします。

※今日の一枚 


"Songs of Comfort and Hope"

Yo-Yo Ma & Kathryn Stott (2020)

※サムネイルクリックで、”Ol' Man River”のPVを
視聴できます(Youtube)。
ご存じ世界的チェリストのヨー・ヨー・マと、
彼と40年近くにわたり共演してきたイギリスのピアニスト:
キャサリン・ストットのアルバム。
新型コロナウイルスの脅威を前にして、明日への不安に揺れる
世界に向けた一つのメッセージとしてリリースされた一枚です。
なんと冬の嵐の音から始まります。
孤独にさまよう暗い森の中、彼方からぼんやりと光がさすように
アメイジング・グレイスが流れてくるという鳥肌の立つ感動の演出。
のっけから引き込まれます。
聴いたことのある曲も多いのですが、そのどれもが、
朝霧のごとく白濁した、それでいて透き通る虹色の輝きを放つ
水晶のような神アレンジばかり。丁寧に奏でられる表情豊かな
チェロの音色は必聴です。そしてラストの一曲もまたアメイジング・
グレイスで締めくくるのですが、冒頭と違い、なぜか嵐の音が
温かく聴こえます。同じ音源のはずなのになんという癒しマジック。
いいアルバムですよ~。

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