若女将コラム

日々西屋と山を縦横無尽に駆け巡る湯守兼若女将のかなりマイペースなコラムです。
内容はすっ飛んでいます(というかほぼ西屋に関係ない話題ばかり)。ぜひ楽しんで下さいませ。

閑話休題 ~殯(もがり)と”念”~




9年前のあの日、白布は大雪でした。
今年はもうフキノトウに続いてスイセンまで芽吹いています。




↑2月29日撮影。

こんにちは。
iPadでリモートワーク実践中の若女将です。
思い切ってproに機種変しようと思ったら、ご時世なのか在庫切れの件。
近々出るらしい新機種を待って、旅館ヒマな今こそチャンスと勉強し直し中です。



もう何年も前のこと。父方の祖母の十三回忌の年だったか、
ある時父がさみしそうにぽつりと言いました。
「人生最大の試練は、自分の親の死だ」
独り言だったのか私に諭していたのかは不明ですが、何年経っても、
悲しみは人の心の強さにかかわらず癒えることがないのだと痛感した言葉です。

数奇な人生経験を持つ友人が、今はもういない家族や仲間のことを
思い出しながら静かに呟きました。
「過去を振り返ることは、殯(もがり)に似ているように思う」
どんなに後悔しても、これまで歩んできた過去は変えられない現実。
逃げるのでなく時間と共に少しずつ"別れ"ながら、変わってゆく自分を
受け入れて、いつか過去の過ちも許せるようになりたい、と友人はしみじみと
語ったものでした…いろいろな意味で重く響いた言葉でした。


不安や悲しみから、自分が今何をしたらいいのか分からなくなる、
ただ焦りに苛まれそうになる時があります。
まして今の世の中、人ひとりの力でどうにかなる状況じゃありません。

だったら、この際何もしないという選択肢があってもいい。
心が空っぽなままでも死ぬようなことはないから。
そのまま寝れれば体力温存できて尚可、くらいに思っていればいい。

逆にもしも少しでも動くパワーがあったら、今しかできないことをしよう。
好きな飲み物を飲んで家でほわーんとするもよし。
長い間読みかけだった本を読んでもよし。
食べたいと思ったものを作ってみてもよし。
ちょっと家の周りを散歩してみるもよし(感染対策はほどほどに)。
人けのない所まで来て思い切り叫ぶのもよし(白布温泉大歓迎)。

平和な時も不穏な時代も、時間は平等に過ぎていきます。
どの世界にも事象を動かす力の"波”があるように、
今の閉塞的な状況はいつか必ず終わりが訪れます。
私たちに今できることは、時の流れに身をゆだねつつ、
決して生きる歩みだけは止めないこと、ほんの少しでもいいから、
周囲への思いやりを忘れないこと。それだけだと思います。

私は幸か不幸かやることが沢山あってどんよりしている時間がないので、
あまり先々に望みは持たず(悪い意味じゃない)、過去を悲観せず、
ひたすら"念"に徹しています。これ仏教の教え。

絵に描いた餅を眺めるくらいなら実際に餅焼いて食べようぜ!みたいな(違う)。

こんな状況ですが、
少しでも自粛や休校で鬱憤がたまっているであろう皆様の心をほぐしたく、
休館日も日帰り入浴を受け付けております。
ぜひ温泉にあったまりに来てください。きっと元気が出ますよ。




今日の1枚。

"SPETTRO"

Milana Zilnik(2019)

(↑サムネイルをクリックすると、Youtubeで
収録曲の"Verde”が視聴できます)

ウクライナ生まれイスラエス育ちの国際派ピアニスト、
Milana Zilnikのピアノソロアルバム。
目覚めの朝、リラックスしたい時、何かに集中したい時、夜眠れない時…
どんなシチュエーションでもオールラウンドに心を落ち着かせてくれる秀作です。
上のリンクから他の曲も聴けますので、ぜひ聴いてみてください。
おススメです。

久しぶりの更新なのにこのまま静かに終わってしまうのも何なので、
おまけにもう一曲。

"Chakra"

Fakear(2018)


(↑サムネイルクリックでようつべにジャンプ)

以前にも「The 日本シリーズ」で紹介したことがあるFakearですが、
彼が2年前に作曲したChakraという曲のMVが素晴らしく摩訶不思議なのでUP。
巨大なオルトロス(蛸(♀))とツインテールのお兄さんとの愛の逢瀬
(+絡み)が繰り広げられます。

もう一度申し上げます。ツインテールです。

あくまで神秘的。某浮世絵じゃありませんのでご安心ください。
タイトルはチャクラですが多分テーマは輪廻転生。
どこか日本の民謡を思わせる琴のようなヨナ抜き旋律が、
リスナーを別世界に誘ってくれます。

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