若女将コラム

日々西屋と山を縦横無尽に駆け巡る湯守兼若女将のかなりマイペースなコラムです。
内容はすっ飛んでいます(というかほぼ西屋に関係ない話題ばかり)。ぜひ楽しんで下さいませ。

若女将コラム

2020年01月

2020.01.18

米沢のいい所あれこれ 【第30回:沖正宗(酒蔵見学・ブティック)】




水よし量よし温度y…ちめてェ!!
今日も輝く西吾妻の源流水。見ているだけで癒されます(私が)。

こんにちは。
ピアスをするときはフレンチフックかキドニータイプでないと
いつの間に落っことしてしまう貧耳たぶの若女将です。

えー、昔々あるところに大変グレた私がおりまして、
耳たぶないくせに一時最大5か所穴を開けて、着物姿だろうが
普段着だろうがとっかえひっかえ耳飾りを付けては楽しんでおりましたとさ。
今にして思えば何やってたんだかって話ですが(笑)
女将になってもチタン箸を頭に挿すくらいネジ志向なので、
まだその片鱗はどっかに残っているのかも。

さて先日実家に立ち寄った時に見つけた思いがけないデジャヴ。
二度見しました。



こんなところに う ち の は な ち ゃ ん が。

…いつの間にカタログデビューしてたんだおみゃー。




はな
「知らニャ―よ、あたいはヤツら(おんでん・かぐら)と違って
バックヤード専門ニャろーが」


…とか何とか言いたげなこのガン飛ばしショット。
(フキダシ書き込んだら違和感なさすぎて笑っちゃいました…汗)
その据わった目が素晴らしくそっくりなんだって(可愛い)。
しかしこれ、じつは3年前に撮影した写真だったりします。
生後四か月弱でこの貫禄かい…。
人間でいったら小学生かそこらくらいの年齢だったはずですが、
要はこの時から既に本性出てたわけだな。おそるべしはな。
中身も女王様というよりドンだしこの子は(笑)
おっとりした兄猫たちがいつまで経っても頭上がらないわけです。



かぐら
「あるがままと言ってくれ。ボク等平気だし。こんな風にね。ゴロゴロ。」



今回は、帰ってきた米沢いい所あれこれシリーズ
毎度前置きが強烈でごめんなさい。
こっちがメインよ。OK?

第30回目の今日は、個性的なブティックが話題の老舗酒造元:
沖正宗さんのご紹介です。
取材から紹介に至るまで日にちがちょっと経ってしまいましたが
(写真撮りに行ったのはなんと秋の終わりでした(汗))
量販店では手に入りにくい老舗ブランドの地酒やワインの他、
山形県外各地の銘品が一度に手に入る素敵なブティック、そして
ちょっと珍しい見学コーナーが楽しめる米沢のニュースポットです。

沖正宗さんの本社は市内北部の窪田にあります。
川西方面から市内を通り、北に延びる国道121号バイパスを終点まで進むと
T字路に行き当たります。そこを左に曲がると目的地はすぐそこです。



外見は普通の会社そのもの。



ぱっと見お店っぽさほぼ皆無なので場所を間違えたかと思いそうですが、
ここです。間違いありません。
凸しましょう。



建物に入るとすぐ左側がブティックです。
店内は柔らかな照明に照らされ、様々な品がずらりと並んでいます。
沖正宗さんは数年前に全国展開するグループと提携した経緯があり、
浜田ブランドの商品の他にも全国各地の系列商品
(ワイン・チーズ・チョコレートなど)も同時に取り扱っています。

…と、ここまで散々紹介しておいて最初に向かったのはブティック、、
ではなく、もう一つの目玉である日本酒醸造工房の見学コーナー。

実はこちらでは、会社のすぐ裏手に工場が併設されており、
その各製造コーナーごとに覗き窓が付いていて、
中の様子を伺うことができるという仕組みです。



れっつらごー。



沖正宗のさまざまな模様を写したギャラリーを眺めつつ奥まで進みます。



本当に工場です。



精米の度合いによって数字がふられています。
後でご紹介するFauconシリーズでは、この数がそれぞれの銘柄の
名前にもなっています。贅沢に原料の米を削ることで、味に深みと
個性を出しているわけですね。



麹を作っているブース(殺菌処理はもちろん徹底)。



うーん…こんな風に白い布がかかってると、
そこに寝かされているのは誰だ?!とか、何か違う場所を連想しちゃうなぁ…
いや麹なんだけどさ。
皆さんは何に見えますか(笑)?



市内で酒蔵があるところ言えば東光さんが有名ですが、
現在進行形の製造過程をダイレクトに見せるという大胆な取り組みを
しているのはここだけです。
品質管理が徹底しているからこそ実現したのでしょう。素晴らしい。
ただ見るだけではその工程が分かりにくいのですが、酒蔵見学ツアーの
プログラム(特典付き)もあるので、興味のある方はぜひご予約を!



さてブティックに戻ってきました。




売り場面積の多くを占めるのは、輝かしい受賞歴を持つお酒達。
賞状の隣で誇らしげに並んでいます。
上杉鷹山公にちなんだ「Faucon(鷹)シリーズ」は定評がありおススメ。
私のイチオシは赤ワインのベ-リーA2018です。
さくらんぼのような豊かな香りと飲み口の良さがグー。
まだ在庫があるようですので、ぜひ一度お試しください。

しかし…この日私の目を最もくぎ付けにしたバンカーは酒…じゃなくて、
実はその原料の方だったのだ!!!




日本人なら誰もが一度は思ったであろう
「日本酒の原料になっているお米って、美味いの?」
そんな素朴な疑問にズバリ答えてくれる画期的な商品がここに…!!



「山田錦」「出羽燦燦」「雪女神」その他山形の地酒ではおなじみの
銘柄が揃っています。
さすがは酒造元。ツボ抑えすぎ(笑)

…というわけでこの日購入したお土産はこちら。



北海道産のヤギ乳チーズ(左)、新酒ワインの白、そしてマスト酒米(笑)

早速家で食す。



まずはチーズ。
所謂シェーブルチーズです。プレーンとハーブ入りの2タイプがあり、
今回はプレーンを選んでみました。
独特の香りとコクがありますが、味そのものはシンプルです。
クラッカーに乗せて、あるいは焼き立てのフランスパンにオンしてどうぞ。
ワインともよく合う味です。




こちらは「荒しぼり」という、その年採れたばかりのブドウを使った
新鮮なにごりタイプのちょっと珍しい白ワイン。
ブティックの店員さん曰く「食前酒に好評」とのことで、
同じ荒しぼりの赤(デラウエア)より強い甘みが特徴だそうです。

飲んでみると…こりゃまたどっしりとした甘さ。
アルコール度数5度と低めですが、少量でもかなり満足できる味わいです。
今まで飲んだことないタイプのお味でした。美味しい。
お酒をあまり嗜まない人でも楽しめる逸品だと思います。

さぁトリだ、酒米だ。



ゲットしたのは雪女神。
どのメーカーが醸しても美酒に仕上がると評判の酒造好適米です。
沖正宗Fauconシリーズでは本生と生貯蔵タイプ750mlが販売されていて、
どちらも濃厚な味わいが楽しめます。…日本酒の場合。

ではその元になっている米は?
早速炊いてみた。



おお、ゴハンだ。
種も仕掛けもない普通のゴハンだ。

実際食べてみましたが普通に美味しいご飯でした。
お酒の味がするわけではありません。ちょっと甘いかな…という感じ。
妙に得した気分になれるのはなぜだろう?
フフフ…


いかがでしたでしょう。
ちょっと他では売っていないレアな商品にたくさん出会える素敵なお店。
しかも季節限定の商品も多く、今回紹介したものが次にあるとは限りません。

沖正宗ファンも今回初めて知ったという方も、
ぜひ一度ブティックに足を運んでみてください。
少し所要時間はかかりますが、予約制でオリジナルラベルを作って
もらうことも出来ます!素敵な一期一会に恵まれるかもしれません。

ちなみに直営のオンラインストアもあります(酒類のみの取り扱い)ので、
遠方の方も安心です。

沖正宗(浜田ワイナリー・ブティック)
〒992-0005 山形県米沢市窪田町藤泉943-1 
電話  0238-37-6330(代表)
ブティック営業時間
【4~11月】 9:00~17:00 
【12~3月】10:00~16:00 
※酒蔵見学は無料です 
駐車場 会社敷地入ってすぐのスペース 
定休日 年末年始

2020.01.13

音のある生活 34 「一年のスタートは"荘厳"に。」


おそくなりすぎましたあけましておめでとうございます若女将です。
ひらがなズラッと並ぶとやたら読みにくい日本語マジック。



ご存じの通り、今年は脅威を感じるレベルと言っていい
異常な雪の少なさで幕を開けました。
沢が全面見渡せる三十三観音。信じられにゃー。

雪国住人としては除雪に悩まされないのが有難いところですが、
先々(特に今夏)水不足に影響するのではないかと
内心すごく心配してもいます。



例のごとく湯守しながら常に山の様子を注意深く見守っていますが、
(↑作業に欠かせない「鎌(!)」「温度計」「LED懐中電灯」と共に。)
ただでさえデリケートな冬の温度調整がいつになく難易度の高い
作業になり、実は裏山で一人四苦八苦しています。



↑三十三観音から引いてきた山水。この水ホースを左右に僅か2~3
センチずらすだけで…



↑同じく前後にほんの3~4センチ動かすだけで…



↑これでもかと湯滝の温度が激変します。
簡単なようだけどね、本当に難しいの。
勘と経験で温泉と水の流れや混ざり具合をある程度予測できるとはいえ、
ベストの状態に安定させるまで長いときは30分以上かかります。

こんな燃費悪い湯守を日々続けているせいでしょうか。
いつもの冬とまるで違う妙な気配が否が応でも伝わってきます。







↑今月3日に撮影した、長さ6~7センチに及ぶセレナイトのような
見事な霜柱。誰かさんの髪のツヤにもそっくりさん。
源泉が通るパイプと沢の間のわずかな隙間にだけ見られるレアもの。
この冬まだ一回しか遭遇していません。

ふつうこの時期ならもっと空気が冴えわたっていて、
森も山も人を寄せ付けないまるで結界のような雰囲気すら漂わせているのに、
少なくともここ西吾妻界隈は、大地も大気も芯がなく"緩んでいる"感じ。

なぜだろう?
…いや、自然に対して"何故"は愚問か。
ならば人間活動のせいか?
…否、地球環境は決して一枚岩じゃない。

こうも気候変動が予測不能になると色々と意見を言う人々が
湧いてきますが、これからの時代は目先に左右されず注意深く
慎重に歩まなければならない…強くそう感じます。
まず疑うべきは"思惑"そのものなのだ。

何かが変化しているのを感じた時、それは何故かと問い始めた時、
一歩踏み出す毎自分を決して見失わないように。
かといって、石橋を叩きすぎて本来渡るべき橋を自分からぶっ壊す
カッコ悪いオチは絶対踏まないよーに。

というわけで私、
今年一年は引き続き内省と学びの年にしたいと考えています。
ずっと昔取り組んで途中放ったまま長期間ブランクがあったもの、
いつかやりたいと思っていたこと、どこから手を付けたらいいのか
とりあえず時間との相談ですが、掃除のたびに新鮮な風を部屋に
取り込むがごとく、いつも心の窓を解放して、脳内すっきり状態を
キープしたいと考えています。





だらだらと前置き失礼しました。
今年一発目の紹介アルバムは幸先よくゴーカ?に行ってみよう。

"Back to Bach" (J.S.バッハ:「名オルガン作品集」)

Kei Koito(2019)


(残念オンライン視聴できるサンプル楽曲がない!)

日本ではあまり知られないないようですが、
本場ヨーロッパではその道のカリスマとも呼ばれている
世界的オルガン奏者:小糸恵さんのアルバム。
数百曲に及ぶバッハのオルガン作品から厳選した17曲が
収録されています。

パイプオルガン。言わずと知れた世界最強のアンチモバイル楽器。
ストップ(鍵盤の左右についているドアノブorもんじゃ焼きの
ヘラみたいな器具)を出し入れすることで、神々しくも
コケティッシュにも変化する魔法のような音色が昔から大好きで、
サイモン・プレストンやヘルムート・ヴァルヒャなどなど
名演奏家による主にバロック時代のオルガン曲を折に触れ
聴いていました。
その影響か、どちらかというと「(厳格な)宗教的」「男性的」
「機械のような正確さ」みたな印象の強かったバッハオルガン。

ところが小糸女史の演奏は、今まで聴いたどのタイプとも違う
独特のオーラを感じます。人間らしい柔らかさと同時に人間離れした
世界観が同居している…というか、
バッハその人があたかも作りたての音楽を弾いているような、
素晴らしく瑞々しいオーラ。
小糸さんご本人はバッハというよりグーニーズのフラッテリー・ママに
(かなり)似ている方なんですが(←なんつー失礼…)、
とにかくどの曲もしっとりと生命感あふれる素敵な響きなのです。
収録に選んだパイプオルガン(500年以上前に作られた
北ヨーロッパ最大級の名器)もさることながら、選曲の素晴らしさも
このアルバムの大きな魅力です。
1曲目のトッカータ、12曲目のタイトルからしてドツボな
「来たり給え、創造主なる聖霊よ」あたりおススメ。

目を閉じると浮かんできます。正装したネクロードがネクロノミコン
みたいなステンドグラスの地獄絵バックにゴシック豪華な
パイプオルガンを弾きこなす姿が。(ちょっと待てそれ吸血鬼でわ?!)
教会の神聖な楽器という立ち位置とは裏腹に、なぜか私の脳内では
世紀末メメントモリな方々がパイプオルガンを弾くというギャップ萌えが
発生してしまいます。ルシファー(元天使→堕天使→悪魔)繋がりかな?

ああ今年も一年こんなノリでいっちゃうのか私(いっちゃうんだけどね)。
こんな趣味だからしてパイプオルガン好きでもあるわけだが。
我ながら一体どこにストライクゾーンが付いてるのやら(笑)
ご安心ください、誰もフラッテリー・ママが悪魔だなんて言ってません
(↑分かってて自ら意味不明な墓穴を掘る)。

というわけで、この世界に悩めるすべての魂をも浄化するような
魅力的な名演奏(オチ!!)。今年一発目のおススメでした~!

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