若女将コラム

日々西屋と山を縦横無尽に駆け巡る湯守兼若女将の、マイペースなコラムです。好きなものは音楽・写真・自然・宇宙。

音のある生活 21 「桃とペンギン?!」


こんにちは。
洋服をあまりにも持っていなくて、せっかく休みが取れても
出かけるたびに「服ない2971~♪」と騒ぐ若女将です。



この間のひな祭りの日のこと。
娘「菱餅を食べてみたい!」
ひな祭りといえば蛤、ちらし寿司、そして菱餅!!

…というわけで日曜日、送迎担当を交代してもらい、
家族連れでごった返す麓のスーパーを訪ねました。
迎えの予定まで時間があまりなかったので、
寄り道しないよう娘の手をがっつり引き、
寿司ネタだのオードブルだの白酒を模した甘酒だの、
ひときわ買い物客で賑う桃の造花に囲まれたひな祭り特設コーナーへ一直線。
菱餅その他必要な材料をゲットしてすぐ店を後にするつもりでした。

が!いくら探し回っても目当てのブツがない!
念のため店員さんに尋ねましたが、なんと「今は扱っていない」
というショッキングな回答が。うそーん。ひなあられはあったのになんで〜。

地元のお菓子屋さんがテナントで入っている銘店コーナーにも、
途中で立ち寄ったお菓子屋さんでさえも、とうとう見つけられませんでした。

今時流行らないの菱餅?あのほのかに甘く柔らかい、
クチナシ、白、ヨモギカラ―のソリッドな形がオシャレな菱餅。
だめじゃん日本人。和食は今や無形文化遺産よ。
食生活がボーダレスに多様化している今こそ和食の何たるかを見直し、
歴史に育まれた四季の行事と食文化を同時に見て味わうことができる
数少ない年中行事なのに。
島国日本の希少な文化が失われていく様を、
よりによってひな祭りその日に目の当たりにしてしまうとは…。
私は一人、特設コーナーの最上段を陣取るアンパンマンの男雛
(必ずといっていいほど女雛がメロンパンナちゃんなのも解せぬ。

たまにはドキンちゃんを持ってきて呉越同舟すればよかろうに(爆))
を凝視しながら、漠然と未来が窄まっていくような妙な焦りを
感じてしまいました。

え?考えすぎ?
そうかもしれない。しかし構うこたない。
こんなバカみたいに深読みしちゃう人間一人くらいいたっていいじゃないか。
別段世の中はもっとシンプルでいいのよ。人間だもの。
よくも悪しくも自由が保障された現代、そして短い人生。
健康管理は自己責任だとしても、食べたいもの・美味しいものを
自由に食べて幸せに過ごす方がはるかに有意義だものね。

そもそも餅好きの娘にぜひ、と思いスタートした菱餅クエストですが
そんなこんなであえなく手柄なしで終わりました。
よかろう。ないならしかたない。来年は自分で作る(宣言)。

とりあえず買ってきた材料をもとに、出来る範囲のひな祭り料理を
こしらえた次第でした。



↑こちらお吸い物。蛤本来の味を損なわないよう、
板前さんに分けてもらった白だしだけをベースにつくった
シンプルかつシンプルな一品。こういう味が私は好きです。
しかし肝心の子供達は「貝殻は好きだけど中身はちょっと…(汗)」
などとのたまう始末。まぁ仕方がありません。普段なかなか食べない素材だから。
というわけでウケはイマイチでしたが、見た目と味の記憶は残るはず。
今後も時間の許す限り、こういう機会を作っていきたいと思う私です。

言葉では表現しきれない日本のアイデンティティが
日々の暮らしの中で失われていかないように。
親から子へたくさんの物事や愛情を直接伝えていきながら、
共に過ごす時間がいつも幸せであるように。

※ 

というわけでやってまいりました今日の1枚。

”Penguin Cafe Orchestra”

Penguin Cafe Orchestra(1982)

ペンギンカフェオーケストラは、イギリスのギタリスト、
サイモン・ジェフズ氏が率いていた1976年デビューのグループです。
プログレやらアンビエントやら、とんがった最先端ミュージックが
持て囃されていた1980年代に、敢えてアコースティック楽器を
メインにゆるくほんわかした作品を発信し続け、好評を博しました。
グループ名よろしく、どのジャケットもペンギンとペンギン…の
かぶり物をしてなぜかあとはほぼ全裸(!)の人間が語り合う図という、
ユーモアなのかジョークなのか分からないインパクト抜群のジャケット。
何を話しているんだ君達(笑)
曲調もどこかコミカルでありながら、ウクレレやバイオリン、ギターなどが
奏でるメロディーは人間味のある温かさに満ちていて、聴いていて癒されます。
こちらの2ndアルバムは私が初めて聴いたペンギンカフェでした。
電話のプッシュ音をサンプリングしたTelephone and Rubber Bandが特に好きです。
1枚目のアルバムもオススメ。特にThe Sound Of Someone You Love Who's
Going Away And It Doesn't Matterが秀逸。
「彼女にフラれたけど大したことじゃないよ(ふふん)」と余裕のはずが、
だんだんメンタル崩壊していって「未練タラタラだよこんちくしょうぅぉおお」みたいに
錯乱していく様子(?)がバイオリンやチェロだけで見事に表現されています。

サイモン・ジェフズ氏は1997年に惜しくもこの世を去りましたが、現在は息子さんが
後を継いでいるようです。まだこちらは未開拓なので、これから聴いていくのが
楽しみ。

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