若女将コラム

日々西屋と山を縦横無尽に駆け巡る湯守兼若女将の、マイペースなコラムです。好きなものは音楽・写真・自然・宇宙。

若女将コラム

2018年11月

2018.11.29

音のある生活 13 「休みモード」


こんにちは。
お酒は飲めなくなったけれどラミーが美味しくて止まらない若女将です(笑)



とうとう白布温泉も銀世界になりました(11/23早朝撮影)。
これ自体は見慣れた光景とはいえ、いきなり除雪の憂き目。
冬篭りスタンバイOK?

ハイシーズンは過ぎ去りましたが、個人的には漸く自分の時間が
とれるようになってきました。嬉しいやら悲しいやら。

ふつふつと湧きあがる“あれもしたい、これもしたい”衝動。
まずは子供たちの(時々共同制作)おやつ作りをしたり、
読書を楽しんだり、有意義な時間を少しずつ確保しながら
気分をホカホカにしていきたい。



↑手始めに、夏ごろから娘に催促されていたイチゴ大福を作りました。
見た目は相変わらずアレですが、兵糧丸じゃないよ(笑)!!
(クリスマスが近づいて、漸く店頭にイチゴが並ぶようになりまして…)



↑PTAのイベントで作る予定のクレープを試作しつつ、ミルクレープに
してみたもの。写真では分かりにくいのですがとんでもなく巨大。
子供達は狂喜乱舞したものの、食べても食べても一向なくならない
まさに魔物のようなエンドレスイーツに…(苦笑)

まぁ、楽しければいいのだよ!細かいこたぁ気にするなぃ!






今日は、久しぶりそして久しぶり!大好きな音楽シリーズ復活!!
…と申し上げましたが、今後「音シリーズ」は中身をより軽い内容に
マイナーチェンジしようと思います。
というのも、私の紹介するアルバムは「どれもマニアックすぎて1枚でも
お腹一杯」というごもっともすぎるコメントを(主人から)頂きまして(汗)
余談メインで最後に「今回の1枚」ということで、(やっぱりマニアックですが)
好みのアルバムをさらりと紹介していくという方向で参りたいと思います。
1枚のアルバムだけでも語りだしたら止まらなくなってしまうタイプなので、
この方が読みやすいとも考えました。
その代わり更新の頻度は出来るだけ上げていくつもりです。
どうぞ今後ともよろしくお願いします^^

というわけで、今日の一枚は癒し系。

Christoph Berg & Henning Schmiedt "Bei" (2017)


ドイツのクリストフ・ベルグ(Pf)とへニング・シュミット(Vn)による、
即興曲を主とする二重奏アルバム。計算された旋律とはまた違う味わい深さ、
それでいて即興くさい小難しさは全くなく、温かいお茶やコーヒーを
飲みながら緩く楽しめる優しい曲ばかりです。
休日にお薦め。
※サンプルが聴けるサイトを見つけました。→こちら

2018.11.11

湯守とは… ~ある晩秋のつぶやき~



ご無沙汰しております。皆様お元気ですか。

錦模様の季節が過ぎ去り、いつの間にか一面ほぼ禿山に変化した
白布界隈(魔王チェルノボグはおりませんご安心を!)から久々のコラム更新です。

今日はこれまた久しぶりの湯守(…時々つらい(笑))のお話です。





移りゆく季節の儚さを愛でる間もなく、10月は一番の繁忙期&
人手不足の中、みんな燃える紅葉のごとく頑張り切りました。

私はどうも頭の切り替えが追いつかないせいか、最近少々燃え尽き気味…
そんな中、実は今一番多忙を極める仕事の一つが“湯守”の役目だったりします。

その理由は…ただいまラストスパートの落葉による沢の水量の激増減。






写真はお薬師様の参道に降り積もった落ち葉(主に栃の葉)です。
わずかな時間のうちに山道が見えなくなるほど大小の落ち葉が落ちてきて、
西屋で利用している沢の取水口もハイパー埋め尽くしてきます。

そんなもんで、





いつも利用している三十三観音沢口①は水を通しても2時間と持たず
流れがほぼとまり、沢の最も近い所から引いている水ホース②も
下手すると5分で止まり(栃の葉2枚くらいひっかかるともうアウト)、
はっきり言ってこの2つは殆ど用をなしません(他の季節だと必須アイテム)。

そこで、唯一(冬と日照りの夏を除く)どの季節でも安定した水量を
供給してくれる通称ノジリ君※。ちゃんと名前が付いている(笑)!!!
※数年前防火用貯水槽が詰まった時に、非常用にこのホースを付けてくれた
助っ人職人さんの名前が由来(笑)
沢の少し上流から漏斗状に引いている、太めのホースが自慢のノジリ君
ほぼ1本で今現在湯温を調整しています。




白い水が勢いよく噴き出しているのがノジリ君。
いわば秋の西屋の「良い湯」の生命線です。
ところがノジリ君の運ぶ水量は調整量としては少々多すぎて、
全量は投下できません。一応バルブが付いていますが、
少しでも閉じるとあっという間に葉が引っかかってしまい、
安定した水量が保てなくなります。

そこで考え抜いた末、




湯枡の縁ぎりぎりにホースを乗せ、
自然に枡の中と外に水が分かれていくよう微調整をかけて、
24時間全開MAXで仕事してもらっています。

さぁこれで安泰か?!
…そうは問屋がおろさないのが愛と鞭の自然界。

取水口が漏斗状に広がっているとはいえ、上記の通り今時分は落葉の量が
尋常じゃありません。常に水を引くよう落ち葉を除去しつつ、沢の流れの中心に
入口を据えなければなりません(ロープで固定しているだけなのですぐずれる)。
さらに貯湯槽手前の90度角ジョイント部分がなかなか曲者で、




こんな小枝1本引っかかっただけで、




割と短時間のうちに落ち葉をこんなに堰き止めてくれる
(あまり詰まらせると水圧でジョイントがすっぽ抜ける→
水が枡に全く流れ込まず、外にダダ漏れ→お風呂が熱湯に化ける)
要注意ポイントなんです。

そんなこんなでMaxノジリ君の耐久時間も秋に限ってはせいぜい
5~6時間。夜間も含め、1日最低3~4回は見回っています。


さぁ、ここからが正念場よ。
枡の縁ぎりぎりに乗せたノジリ君の水量調整は実は非常に難しく、
ただ葦の海よろしく半分に割れりゃいいというノリでは
まるで言うことを聞いて(?)くれません。


↓以下、温度微調整中の2枚の写真。違いが分かりますか?




↑適温より2度前後低い




↑適温より2度前後高い 

ファファファw
作業中は何とも思わないが、改めて文や写真にまとめると確かにひどい(笑)
そう、一見同じ状態に見えますが、ほんのわずかにホースの位置を
変えるだけでたちまち温度が激変してしまうのです。

枡の中の水流も非常に複雑で、山側から流れてくる源泉の勢いと
水の流れの混ざり具合が安定するまで、少なくとも5分~10分は
湯温計をつっこんで様子を確かめなければいけません。





実際これらのステップを踏んで初めて、お客さまに安心して
お風呂を提供することができるわけです。




この日の安定した状態に至るまで、所要時間30分弱。

湯守になって4年以上になりますが、
あくまで決め手は気温・天候・水温・水量。
思い込みは禁物なのだ!




このノジリ君のシャバシャバ具合は滝の部屋からだとよく見えます。
見た目は故障っぽく非常によろしくないのですが、わけあってのことです。
どうか許してやって下さいまし。

相変わらず湯守はとても地味な仕事ですが、
「これは稀有な修行だ、いつか自分や誰かを必ず助ける時が来る」という
妙な強い確信があり、いつも、誰かに背中を押してもらうかのように
何とか頑張っています。
冬になると今度は冬なりの作業内容に変わってくるわけですが、
1年中気持ちよくお風呂に入れるよう湯守を続けていますので、
ぜひ皆さん入りに来て下さいね^^