若女将コラム

日々西屋と山を縦横無尽に駆け巡る湯守兼若女将の、マイペースなコラムです。好きなものは音楽・写真・自然・宇宙。

若女将コラム

2018年03月

2018.03.19

西屋スタッフオススメ★米沢ラーメン巡り 【第1回:とんとんラーメン】


この間、久しぶりに映画を観に行ってきました。
久しぶりどころか「イノセンス(2004年)」以来の映画館。
映画はともかくあの密閉された館内の雰囲気がどうも苦手で、
何年も足が遠のいていました。

しかし今回はなぜか「観に行かねば!」
という強い使命感(?)に背中を押されたのでした。

「Shape of Water」。

本年のアカデミー賞に輝いた異色の物語。
登場人物それぞれに人間(じゃない“彼”も含めて)模様があり、
60年代のレトロな背景やほの暗い水の幻想的な描写も素晴らしいし
(そしてなぜかものすごいデジャヴの連続)、言葉にできないくらい
インパクト抜群の映画でした。特に悪役ポジション(?)の
ストリックランドが悲壮。役者さんの演技が何しろ良かった。
彼を愛し続けているであろう家族にどうか幸あれ。



というわけで、今日から新シリーズ
「西屋スタッフオススメ★米沢ラーメン巡り」がスタート。

記念すべき第1回目は、
国道13号線沿いにあるスタッフ和子さんイチオシのラーメン屋さん
「とんとんラーメン」(←リンク先は食べログです!)。
(吾妻軒……!!次回以降……!!!)



とんとんラーメンさんは国道13号線バイパス沿い、
米沢市役所前の通りと13号線のぶつかる交差点から
少し南下したところにあるこじんまりしたラーメン屋さんです。
あんまり看板は大きくないので通り過ぎに注意
(私は何回もやってしまった(苦笑))。

お店の中はとても清潔感があり、入ってすぐがカウンター&テーブル席、
奥に座敷があります(他のお客様もいらしたので撮影は控えました)。

さてメニューは…



和子さんのおすすめは辛「糀」味噌ラーメンですが、
今回注文してみたのは煮干醤油チャーシュー麺。



わーお、チャーシューどっさり。
こちらのお店、器が面白くて金属製です。




麺はごっつ太い縮れ麺。
気になる味ですが、想像以上にあっさりしていてとても美味しい!



一緒に来てくれた和子さんは柚子塩ラーメン。
塩ベースで、小皿に添えられた柚子胡椒を足しながら食べるというスタイル。
こちらも柚子の香りがとても品よく、スープもごくごくいける感じです。

実は最近胃の調子が芳しくない私ですが、体ぽかぽか、美味しく頂きました。
ごちそうさまでした!
幹線道路沿いというアクセスの良い場所にありますので、
お近くへお出かけの際はぜひ足を運んでみて下さいね。

【場所】

とんとんラーメン
〒992-0021山形県米沢市花沢674-12
TEL:0238-21-0272
営業時間 11:00~15:00、17:00~20:30
※定休日 木曜日 
※駐車場 建物の前に6台分ほどのスペースがあります。



2018.03.09

音のある生活 8 「ところで宇宙往ってくる①」




晴れた日の白布温泉は星がきれいよ~(↑イメージです(笑))。




桃の節句も過ぎ、ようやく長い冬のトンネルから抜け出そうとしつつある西吾妻山麓。
今週は天候もあいまって一気に雪解けが進んできました。
(しかし油断は禁物。大概4月中下旬頃までに1~2回は再びドカ雪に降られる。)
銀世界の裏山でアストラッド・ジルベルト版「fly me to the moon」
がなぜか脳内再生される中、「(雪は)もう要らんわーー!!」
とヤケクソでスコップ振り回していた季節とも、いよいよしばしの別れです。
嬉しいやら寂しいやら(?)。






さて、今日はto the moonどころかさらに彼方、
「ところで宇宙往ってくる」シリーズ1回目です。

のっけから飛んでます。
すみません。
でも宇宙大好き。

図書館に行くとついつい宇宙なぜなぜ?の本ばかり手に取ってしまいます。
(まったくの素人でも分かりやすい本がたくさんあってありがたい。)
最先端の科学技術をもってしても未だ謎の多い宇宙。
(全質量の95.1%は未だダークな領域…)
古来人々は様々な形でこの壮大な未知の世界にロマンを抱いてきました。
そんな宇宙を深くイメージさせてくれる音楽を
ピックアップしていこうという我ながら珍妙なテーマです。
内容が内容だけにアンビエント系多めですが、
地球からだんだん遠方に旅立っていくというシチュエーションで
アルバムや曲を紹介していきたいと思います。
時には底知れない畏怖を抱きつつ、楽しんで頂ければ幸いです。


1.ジング・カール「This Universe」


Singh Kaur "This Universe"1998(Amazon)

地球から見上げた宇宙へのスピリチュアルな畏敬の念と、
時空を超えた旅立ちを思わせる1枚目のアルバムはこちら。
インド出身のニューエイジ・アーティスト兼歌手、
Singh Kaur(ジング・カール?)女史の遺作アルバムです。
Singhさんは7作に及ぶクリムゾン・シリーズでは光り輝く聖水のような旋律、
Gary Stadlerとの共作である「Fairy Night Songs」は語りかけるような
優しい歌声を聴かせてくれていました。
しかし惜しくも今から20年前、40代前半の若さでこの世を去ってしまいました。
“呼ばれた”のかな…。

This Universeは、ヨガにも精通していたという彼女のエッセンスが
込められたアルバムです。地球と宇宙はいつでも繋がっていて、
ただの暗闇や真空ではない温かい何かが満ちていると感じさせてくれます。
スピリチュアルな世界やヒーリング、アセンションに興味のある方にもオススメ。


2.ブライアン・イーノ「Apollo」


Brian Eno "Apollo" 1983-2005(Amazon)

このコラムでもたびたび登場しているブライアン・イーノが、
NASAの月面着陸記録映画のサントラとして1983年に製作したアルバム。
タイトルもそのまんまです。
鋼鉄の船で無音の宇宙を漂いながら時折地球を振り返り、
得も言われぬ孤独感に浸ったかと思えば、
「意外と快適だよ宇宙!」といきなりリゾートハッピーな気分に
吹っ切れる…そんな意外性に富んだ一枚。
Silver Mornigとか一体どんなシーンだったんだろう。気になります(笑)

とはいえ、地上から月までの距離はISSの距離のざっと961倍(約384,000km)。
アポロ11号は約4日かけて月面を目指したわけで。
(その間困難な操縦、途中下車も景色もなし)
さぞ苦行に満ちた長旅だったことでしょう。
ご存知の方もいると思いますが、
月はほんの僅かずつ地球から遠ざかっているそうです(1年で3.8cm)。
人類がこの星を超える未来はやってくるのでしょうか。
とりあえず地球と月との間は末永く平和が続く。そんな明るい希望が
見える素敵なアルバムです。


3.クリストファー・ウィリッツ「Horizon」


CHRISTOPHER WILLITS "Horizon" 2017

アメリカの作曲家クリストファー・ウィリッツの最新アルバム。
1曲目のCometがとにかく最高。
銀色に輝く尾を伸ばし、高速で太陽のそばを駆け抜ける荘厳な彗星のイメージです。
(↑のリンク先からYoutubeでCometを聴くことができます)
イコライザはぜひ重低音厚めでお楽しみください!
他の曲も天上的な癒しに満ちたナンバーで、
今日紹介するアルバムの中では最もヘビロテしている1枚かも。
ウィリッツはオリジナルアルバムの他コラボレーションも積極的に
製作しています。坂本龍一さんとの共作「OCEAN FIRE」もおすすめです。

ところでこの彗星。孤独に宇宙を旅しているようで、
実は太陽系内では火星-木星軌道~エッジワース・カイパーベルト内外まで
兆単位とも言われるまさに星の数の彗星がわんさか飛んでいるそう。
スペースガード的には四六時中監視しておきたいところですが、
今後150万年以内にこれらの軌道に大きな影響を与えそうな恒星
(あるいは巨大重力源)の接近は1回あるかないかくらいだそうで、
当面は穏やかに太陽を回り続けるのではないかと思うのです。
やっぱり割と平和だ宇宙。

惑星の起源のカギを握る宇宙の使者。
どんな名前の彗星になるのか、生きているうちにもう一度仰ぎみたいものです。


4.ホルメン「Oort Cloud」


Jexper Holmen "Oort Cloud" 2011(Amazon)

さて、エッジワース・カイパーベルトのHorizonを抜け、
ボイジャー1号や太陽系最遠軌道を巡る小惑星セドナ(公転周期12000年以上)
よりもさらにさらに遠くにやってまいりました。

本日の最難関、ホルメン(多分これはグループ名だと思います)の
「オールトの雲」。
1枚1トラックの超大作ですが、楽器構成はサックス・
アコーディオン(2台)・電子音のみという異色過ぎる組み合わせ。
時折狂気的な旋律とも叫びともつかない音を響かせながら、
ヘリオポーズの嵐とダークマターの霧の中、一直線に太陽系の
真の果てを目指していく(と私は想像している)1枚です。

オールトの雲とは、太陽系の最果て…太陽の重力と他の恒星・銀河の重力が
均衡を保つ境界に存在すると仮定されている巨大な天体群です。
ここを抜け出せば完全に孤高の旅人。
銀河鉄道999よろしくアンドロメダ銀河を目指してゆけます。
非常に長い周期で太陽を巡る彗星はこのオールトの雲に属していると
いわれていますが、詳しいことはまだ分かっていません。

難解を極めるこのアルバムはまさにそんな謎に満ちた領域をなぞるかのよう。
「宇宙ってすごい!この向こうに何があるんだろう?行ってみたい!!」
などという冷たい感動と共に聴き切れれば、
あなたも立派な宇宙通(かもしれない)。

驚くことにこれでもジャンルは「クラシック」です。
もう細かいことは考えないでおくれ。

いかがでしたか?!
次回は後編です。さらに宇宙の彼方を目指しましょう(笑)

2018.03.02

米沢のいい所あれこれ 【第13回:宮坂考古館】



3月に入りました。桃の節句ですね。
白布は春の嵐どころか横殴りの雪。いい加減私が雪を殴りたい(笑)

さて、3週間ぶりの見どころシリーズです。

今回は米沢の歴史スポットの穴場:宮坂考古館を紹介します。



宮坂考古館は、故宮坂善助さんが(本業は農家)生涯をかけて蒐集した
上杉・米沢ゆかりの史料が収められています。
彼はまた、米沢藩古式砲術を復活させ保存会まで作った方であり、
武具関係の収蔵品はかなり充実しています。
場所は米沢駅から南に向かって歩いて10分弱。
カワチの看板の先、信号のある十字路のすぐ角にあります。
(道路を挟んで向かいに以前コラムでご紹介したなみかた羊肉店さんがあります!)
建物は2棟。甲冑が収められている本館と、
蔵を改装した第二展示場に分かれています。




↑こちらが本館。受け付けもこっちにあります。




こちらは第二展示場。




かねたんの仲間「けーじろー」のパネルが玄関わきにどーん。
性格「いつも自由でなんでも豪快。」
いいね!私もけーじろーのように生きたいわ(笑)






さてさて、館内は収蔵物の保護のため一切撮影禁止なので、
以後パンフレットの画像から中をご紹介します。



本館の入り口を入るといきなり縄文土器と遭遇。マジ。

実は長井市~高畠町にかけての置賜地方は縄文時代の遺跡や出土品が数多く
残っているのです。なんとなく戦国時代中心の展示品をイメージしていた方は、
入館直後から不意打ちに腰を抜かすこと間違いなし。
古い剣や勾玉も展示されていて、一気にン千年の時を遡ることができます。


しかし宮坂考古館の目玉は
なんといってもあの前田慶次が所要していたと伝えられている甲冑(↓)。
を基調としたそのデザインは実にシンプルかつ野性的。
原哲也版「花の慶次」の彼なら豪快に着こなしたことでありましょう。
一方で、晩年は病のせいか腹痛に悩まされ、友人(?)にミカンを送られ感謝の
気持ちを綴った手紙も展示してありました。
本人は辛かったと思いますが…なんというギャップ萌え。

関ヶ原の戦いののち異郷である米沢に腰を据え、
自然や月を愛でながら余生を送ったという慶次。
どんな思いで生きていたのでしょう。

甲冑からは闘争と義理人情に燃える男の姿がしのばれるばかりですが、
雪が溶けたら彼が供養されているという堂森の善光寺にも
足を運んでみようと思います。






さて、宮坂考古館には他にも名だたる武将たちの甲冑が収められていますよ。

上杉憲政(1523-1579)
上杉謙信(1530-1578)
上杉景勝(1555-1623)
直江兼続(1560-1619)
上杉綱憲(1663-1704)


「伝〇〇〇〇」とあるので、実際に彼らが身に纏ったものかどうかは
諸説あるようですが、どう見ても実際戦に出向いたと思しき刀傷
(のようなもの)もあるので、少なくとも当時のものであることは
間違いないと思います。

また、矢尻や刀鍔(つば)も数多く展示されています。

特に私が興味深々だったのは鍔の数々。90個近くありました。
結構大きい…直径8cmくらいのものもありました。
打ち合い時の負荷を想像するだに、太刀用の鍔かも。
殆どはシンプルなラインですが、中には象嵌や金泥で美しい模様が
描かれたものもあり、一見の価値ありです。
海外にはこれ専門のねっちょなコレクターもいるというから、
これだけの数を個人が所蔵していただけでも貴重なのかもしれません。

もう一つの目玉は「ヒデヨさんの手紙」。
これはとある農家のおばあさんが書いた、上杉鷹山公にまつわる非常に珍しい史料です。

「秋の稲刈り中夕立に降られ困っていたところを、通りがかったお侍さんが
2名手伝ってくれた。風習に従い、刈入れの手伝いをしてくれたお礼に贈る
“かりあげ餅”を届けたいのでどこに届ければよいか(家はどこか)と尋ねたら、
御上屋敷北門へという。後日お餅を持って北門へ向かい、中へ通されたところ
稲刈りを手伝ってくれたお侍さんはなんと上杉鷹山その人だった…!」

という水戸黄門ばりのドッキリ実録です。
およそ240年前の手紙にもかかわらず、ほぼ全文カタカナと“候”だけなので、
古語に慣れていない人でもほぼ普通に読めます。
ていうか、当時も「たまげた(驚いた)」って言ってたのね。
直接語りかけるような文面。江戸から遠く離れた地方にあってその
識字率の高さにも驚きですが、なんというか微笑ましいです。

この手紙を書いたヒデヨさんは、鷹山公から勤勉のご褒美にと銀5枚を授かり、
ご恩を末永く記憶にとどめようと家中のみんなに足袋を拵えて配ったそうです。
本当に勤勉だよ素晴らしい…!
手紙と共にその時作られた足袋も1足展示されていますが、
刺子のミニサイズでとても可愛い。米織会館でぜひ復元して売ってほしいな。
鷹山公の人気や勤勉さのご加護もあって絶対ヒット商品になると思う。

ともかく先述の通り、鷹山公の人柄だけでなく当時の生活習慣や人の思いなど
非常によく伝わってくる貴重なもの。
ぶっちゃけ甲冑より希少価値高いかも。
(甲冑や刀剣はそこそこの数が国内外に現存していますが、こういう庶民の
生の記録が残っている例は殆ど聞いたことがありません)
ぜひ実物を観に行っていただきたいと思います。





ところかわって第二展示場は、六双に及ぶ屏風絵2つと
米沢筒とよばれる上杉藩時代の火縄銃各種、
そして時代劇でおなじみ:殿様のお籠!!!
あの長い担ぎ棒に、房だの小さい障子戸だのついたあれです!!
実物を見たのは初めてです。
写真に撮れない&中に入れないのが残念残念。

誰か実物大のレプリカを作って、ぜひ。
試乗体験できるようになれば、考古館のニュースポットになると思う!

話がそれました。火縄銃。
こちらで展示されている主な火縄銃は、大砲でも収めていたんじゃないか?と
思うほど直径の大きい30匆筒サイズのものです。
一丁だけで十数キロの重さ(5歳くらいの子供の重さ)がある代物。
担いだだけで肩こりそう。ツルハシどころじゃありません。

この中には、1600年初めごろ白布温泉でひそかに作られた吾妻筒も
あるようです。こんなすごい鉄の塊を白布で作っていたなんて驚き…。
吾妻筒は関ヶ原後の戦に備え直江兼続公の命で揃えたもの。
全部で1000丁ほどが作られ、後に大阪冬の陣で活躍しました。
保存状態はよく、少しずつデザインの違うパワフルな火縄銃を間近で
眺めることができます。


いかがでしたか?前田慶次から脱線気味の紹介となりましたが、
けっこう穴場の名所だと感じました。
甲冑ずらりのコーナーは一人で入るにはちょっと勇気が要るけれど。

時間があったら、ぜひ寄ってみて下さいね。


【資料館の場所】
公益財団法人 宮坂考古館
〒992-0026
山形県米沢市東1丁目2-24
TEL:0238-23-8530 FAX:0238-23-8532
開館時間 10:00~17:00(ただし10月~3月は16:00まで)
※休館日 毎週月曜日、祝祭日の翌日、年末年始他臨時休館あり。
入館料 大人400円、学生300円、小中学生100円
団体20名以上で一人50円引
駐車場 建物の東側にあります。