若女将コラム

日々西屋と山を縦横無尽に駆け巡る湯守兼若女将の、マイペースなコラムです。好きなものは音楽・写真・自然・宇宙。

音のある生活 4 「四葉さんのピアノソロ」




11月に入って早くも一週間以上経ちました。本格的な冬はまだですが、いつ雪が降っても
おかしくない白布温泉です(写真は4年前の11月11日)。

米トランプ大統領(と娘さん)の訪日がいろいろ話題になっていましたね。
私はニュースを時々広く浅くネットからしか拾わない性質ですが、
かいつまむだに相当な過密スケジュールだったと想像できます。

そりゃ一か所に悠々留まれないわけで、後ろから「次の予定まで時間がない」と
言われたら、鯉の餌の残りくらいドバーッせざるを得ない。
まるで現代人の忙しさを凝縮したような一幕そして滞在だったわけですが、
なぜか微に入り際に入り批判する人が少なくありませんでした。
会ったことのない、知り合いでもない人をほんの少し垣間見ただけで、
あたかも相手が目の前にいるかのように人間性がどうとか言えてしまう。
冷静に考えたらなんとも妙な話です。


生活は絶えず目の前に流れる時間と共にあり、切り取られた一時の“動画”ではありません。
なのに動画やほんの軽い気持ちで発した言葉があたかも全てのように伝わってしまったら、
切り口次第で人なんていいところが一つもない存在だと(逆もしかり)いくらでも錯覚できてしまう。
それは本当に相手を正しく映し出した鏡と言えるのだろうか?

Twitterでは例の事件以来、自殺をほのめかすハッシュタグが溢れるようにもなりました。
孤独を訴える人の多さには驚くばかりで、悲しくなります。
事情はさまざまあれど、死が聖地に見えるほど追い詰められているということなのでしょうか。
凄惨な事件の被害者しかり、本当はみんな死にたくはない(なかった)はずなのに。

「死ぬ勇気があるなら、死んだ気で生きろ」
「あなただけじゃない、もっとつらい人がいる」


こんな言葉は、彼らに決してかけてはいけない。余計孤独に追いやりかねません。
ただ誰かにそばにいてほしい、話を聞いてほしい、この世に心安らげる居場所が欲しい、
温かい人と人の繋がりに還りたい…人らしく生きたい。
上手くは言葉にできませんが、本当の願いはそいういうことなんじゃないのかな。




社会が成立しているようで孤独になりがちな今の世の中、こんな悲しい出来事が続くと、
私達旅館業に何かできることはないだろうかと深く考えてしまいます。




出張はできませんが、ご来館時にはいつでも気軽にお話をしてほしいし、
ゆっくり温泉につかって心身を(物理的・精神的に)温めてほしいし、
近くを散歩しながら自然に触れ、ひたすら穏やかな時間の流れを
(生きている実感を)取り戻してほしいと願う次第です。



それでも寂しいと思うとき…
嵐のようなやり場のない怒りが治まらないとき…
心が冷たいままでどうしようもないというときには、こんな音楽はいかがでしょう。

四葉「憂鬱を癒すアロマ・ピアノ~四葉 ヒーリング・ピアノ・セレクション」


2012年からコンセプチュアルアーティストとして活躍する
四葉(しば)さんのアルバム。2015年発表。
アロマ・ピアノというタイトルですが、前回のフレグランスシリーズとは違い
「アロマ=癒し」にスポットを当てたソロ・ピアノシリーズの一枚です。
四葉さんはオフィシャルブログの他Twitterアカウントもお持ちです。
iTunesで楽曲を購入できるほか、Apple Musicでは10枚のアルバムを聴くことができます。

どれもゆったりとした優しい旋律で、さざ波のように沁みわたる素敵な曲ばかり。
最近は私も繁忙期疲れから、日中の事務作業の時や子供たちと食事する時など、
パンチのある洋楽等でなく四葉さんのアロマシリーズを高頻度でかけています。

イライラした気分や、落ち込んだ心が不思議と溶けるように消えていきます。
そのまま眠るのもGood。

皆さんも、ティータイムや寝る前のホットしたいひと時などにいかがでしょう。