若女将コラム

日々西屋と山を縦横無尽に駆け巡る湯守兼若女将の、マイペースなコラムです。好きなものは音楽・写真・自然・宇宙。

音のある生活 3 「フレグランスと高相性?」

香りの共感覚…フレグランスのような音楽

秋が一気に深まってきました。
時の流れを肌に感じながら物思いにふけるには良い季節です。
一方にゃんこは相変わらずの元気ぶり。
西屋家の新入り3号はなちゃんは、その小さな体で毎日のように
おんでんとかぐらを追いかけまわしています。



おとなしめな顔をしていますが、実は…
「自分が一番偉い」と思っている…かもしれない!





そんなおてんば娘を先輩の2匹は優しく見守っています。
交互にはなに寄り添い、温めてくれています。
3匹とも元気で楽しく過ごしてくれますように。



さて今回は再び音楽ネタに舞い戻ります。
西屋のにの字もないこのシリーズ、はてさていつまで続くやら?!

今回のコンセプトは「フレグランスのような音楽」。
実は私は音楽と同じくらい香水が好きで、学生の頃からあれこれ種類を変えて
楽しんできました。気ままに音楽を聴いたり香水の香りに触れたりすると、
不思議と見たことのない景色が脳裏に浮かんだり、言葉や何かを感じる時があるのです。

うーむ、私だけだろうか??

ともあれ、そんな共感覚を呼び覚ます…
フレグランスのイメージに合いそうな曲やアルバムをご紹介したいと思います。



1.女性用フレグランスのイメージ


Hector Zazou "Geologies" 1989

フランスの作曲家・プロデューサーの故エクトル・ザズーが1989年に発表したアルバム。
タイトルは「Geologies」、直訳すると地質学を意味するわけですが、ジャケットは
なかなか際どい絵面。曲を聴くと、なぜこんなシーンを選んだのか何となく納得できます。
ザズーは1970年代にZNRというグループにいて、早くからクラシック・ロック・
ジャズ・ワールドミュージックといった幅広いジャンルを取り入れた
味わい深い音楽を世に出し続けてきた人でした。

アルバムごとに世界観が変わるのが面白く、何枚も彼のCDを持っています。
このGeologiesは創世期のポスト・クラシカルな響きを持ちつつ
(音源はややシンセサイザーっぽい響きですが、個人的な第一印象として)
満ち欠けする月のように美しくも恐ろしくも移ろいゆく魔性の女」的なオーラを放っています。
各曲のタイトルから、ジェームズ・ジョイスの長編小説「Finnegans Wake」を
題材にしたらしい要素もちらほら。とはいえ殆どインスト曲ですので、気負わず直感的に聴けます。
時に神秘的で、エロティシズム漂う怪しげな雰囲気には、
ジェニファー・ロペスのスティルやクロエのオードパルファム、
ご存知シャネルのNo.5あたりが合いそうです。
もう30年近くも前のアルバムですが、いつ聴いても古さを感じません。



2.男性用フレグランスのイメージ


Harold Budd & Hector Zazou "Gryph" 1995

同じくエクトル・ザズーとハロルド・バッドの共作アルバム、グリフ。
1995年発表。ジャケットは一面の赤い薔薇。これだけでも十分香りかおる雰囲気。
ぱっと見はX JAPAN・YOSHIKIさんのプロデュースフレグランス
「Battre Sung(バトゥサン)」のパッケージデザインによく似ています。
(バトゥサンはレース柄ですが…。)
ハロルド・バッドはアメリカのミュージシャン兼ピアニストです。
アンビエントミュージックの提唱者:ブライアン・イーノとの関わりも深く、
「The Peal」などの共作もあるほか、ソロ・ピアノアルバムの「Room」や
「In the Mist」はヒーリングにもオススメの一枚です。
話がそれました(笑)

GlyphはGeologiesほど感情の起伏は激しくありません。
全体的に重く陰鬱な曲調。そこにハロルド・バッドのやわらかく透明感のあるピアノや、
ザズーの名アルバム「Sahara Blue」にも参加しているChristian Lechevretel
(読み方が分からない)のメロディックなトランペットが、これでもかと幽玄な世界を
醸し出しています。さらに曲によっては低音美声な男性のナレーションも入ります。
英語力がないのでナレーションはところどころしか聞き取れないのが残念ですが、
過去のこと、ヴィジョンのこと、さまざまな情景を語っているのがおよそ伝わってきます。
どこまでも渋く、物静かで思慮深い大人の男といったイメージです。
香水で例えるならシャネルのアリュールオムやエゴイスト、ブルガリのブラック、
アランドロンのサムライ・ダズル、トム・フォードのノワールのような、
官能的で落ち着いた男性用フレグランスが合いそうです。

3.香水の原材料(エッセンス)系(!)


Brian Eno "Neroli" 1993

アンビエントミュージックのパイオニア、ブライアン・イーノが
1993年に発表したアルバム。丸々1枚が1トラックのみという仕様で、全曲約1時間です。
しっとりとした音調のシンセサイザーが、ひたすら読めないゆったりテンポにのって
浮遊感あふれる旋律を奏で続けるという、聴きながら眠れること間違いなしの一枚。

タイトルの元ネタでもある「ネロリ」は上品な甘い香りが特徴で、
橙(だいだい:ビターオレンジ)の花から精製した希少価値の高い精油です。
もちろんさまざまななフレグランスにも採用されています。
ネロリの格調高い香りと共に、ぜひあなたも瞑想の旅に出かけてみて下さい。

4.おまけ


Jon Hopkins "Insides" 2009 Light through the Veins

アルバムではなく曲の紹介になります。
Light through the Veins。
ジョン・ホプキンスの2009年のアルバム「Insides」におさめられている曲です。
この曲にはPVがあり、オンラインでいつでも見ることができます。



(↑YoutubeのSSより)




きらきら輝く複雑な造形が暗闇の中で舞う様子がとてもきれい。→動画リンクはこちら
PV版は原曲の半分ほどの尺しかなく、動画サイト上だとなぜか画像が荒いのが気になるところですが…
Apple Music内のトップビデオではかなりクリアな動画を視聴できますので、もしもアカウントを
お持ちの方がいたらぜひそちらでもご覧になってみて下さい(スマホ推奨!)。
PVからも分かる通り、爽やかなユニセックス系のフレグランスを思わせる素敵な曲です。
具体的なフレグランスを挙げると、シャネルのアリュールオムスポーツ・コローニュ、
ジバンシィのウルトラマリン、、ライジングウェーブのフリー・ライトブルー
あたりがイメージに合いそうです。エゴイスト・プラチナムもこっち系かも…?
特に冒頭は音によって画面の色が変わり、“共感覚”のイメージを彷彿とさせます。
実際に共感覚を持っている人が見たら「色違う!!」と思うかもしれませんが、
音楽の表現ってこんなに自由でカラフルなんだと改めて思い知らされます。
これからが楽しみなミュージシャンの一人です。



リンクまでべたべた貼ってしまいました。好きなものを好きなだけ語って
ストレス発散していくタイプです(笑)